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異世界に行ったら最強になった  作者: 志良内達夫
第十四章 スラーレン御三家の陰謀
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14-4.謁見

 マーラの一行がワリキュールに到着した。到着したときには半分以下になっていた。

 宮殿に近づいていくと、マーラは煙を吐きながら走っている大きな動くものを目にした。

「ハユナの報告によると、あれがSLというものらしいです。大勢の人や多くの荷物を一度に運べるそうです」

 ソドルがマーラに説明した。

「噂通り、ワリキュールは進化を遂げているようね。あれとハーロックは関係があるの?」

「そこはまだ、ハユナも確認出来ていません。SLは国王が推奨したものらしいです。街の人々もハーロックを知る者はまだ居ないようです」


 ◇


 マーラ一行が宮殿に向かって進行してくると、イビルがハンスに

「一行が到着したわよ」

と報告した。ハンスはイビルに

「ハーロック伯爵は来ないのか」

と確認するように聞いた。

「国王やハンス侯爵たちに任せるつもりらしいわよ。不安なの?」

「国王が心配なんだ。何を言い出すか」

「親善大使の受け入れを一人で決めちゃったみたいだからねぇ。いざとなったらハーロック様が何とかしてくれるでしょう」


 そして玉座の間でマーラとランケルが対面した。

「初めまして。私はスラーレン御三家のひとつ、アレイン家息女、マーラ・アレイン・スラーレンと申します。成人を迎えたのを機に親善大使を務めるべく参りました」

 マーラは堂々と国王であるランケルに挨拶した。

「遠いところをよくぞ来てくれた。私がワリキュール王国の国王、ランケルである」

 ランケルはマーラの顔を見て綺麗だと思った。マーラが成人したばかりとは聞いている。

 マーラも、ランケルが想像していたより若いと思った。そして「これなら計画は順調に行くかもしれない」と思った。

「御国で所有している飛行船や、こちらに来て早速見せていただいたSLなど、ランケル国王の威光の賜物と伺っています。我がスラーレン法国の国王も羨ましく思っています」

 ランケルはマーラの誉め言葉に

「私は国王になりたての若輩者。周りのみんなが頑張ってくれるから国は保てているようなもの」

と謙遜して言った。が、ハンスは内心、冷や汗ものだった。ランケルが失言をしないことを祈っていた。

「スラーレンに飛行船が飛んできたときには驚きましたが、乗ってきたのはハーロック伯爵とお聞きしました。ヒュンケル国王と親しい仲だとか」

 いきなりマーラはハーロックの名を口にした。

「え? ああ・・」

 ランケルはハーロックの名を出されて、言葉に詰まった。ハンスからも魔王やハーロックの名は出さないように念を押されていた。

 しかしマーラのほうからハーロック伯爵の名を出されてしまった。

 するとハンスが

「ハーロック伯爵はワリキュールの貴族ではありません。姉妹国であるエランデル国の伯爵なのです。彼にはワリキュールの発展に尽力をもらっているのです」

とマーラに説明した。

 しかしこれがあとで問題になろうとはハンスも読めなかった。ランケルを心配するハンスの失言だったかも。

「エランデル国?・・すみません。私も成人になりたてで、ここ隣国のワリキュール王国についても、実はあまり知識がございません」

 マーラはそう言って、それ以上の質問をやめた。

 マーラはワリキュールに来る前に周りからワリキュール王国について情報を集めていた。しかし誰もワリキュール王国の姉妹国について教えてくれる者はいなかった。

 ハユナもワリキュールの情報は集めているようだが、エランデル国についてはまだ報告がない。


 するとソドルが

「マーラ嬢も飛行船には大変興味があって、ここに来る途中、魔獣に襲われて大半の従者を失いました。出来れば、帰りは飛行船で送ってもらえればありがたいのですが」

と申し出た。

「飛行船で?・・」

 ランケルが返答につまづくとハンスが

「申し訳ありませんが、飛行船は調整中で飛ばすことは出来ません」

と断った。雅則ハーロックに断りなしに飛行船を飛ばせば、何を言われるかわからないと思った。

 するとマーラが

「ソドル、いきなりやってきて帰りは飛行船に乗せろなどと、あつかましいです」

とソドルを叱責し、ランケルに

「申し訳ありません。帰りの心配はしていただかなくて大丈夫です」

と頭を下げた。


 ◇


 イビルが館に戻って来て、ランケルとマーラの対面の様子を聞かせてくれた。

「なかなか達者な姫のようだな」

 悠介がそう評価した。

「私はさぁ、ああいう人族の話はよく理解出来ないから上手く話せないけど、ハンスが不安そうな顔をしていたのは間違いないわ」

「ランクルはお坊ちゃま貴族のようだからな。マーラが親善大使として来るのを誰にも相談しないで承知してしまったくらいだ」

「成人したばかりのまだ15歳。それが親善大使として来訪するとは、才女と言うべきか」

 悠介もマーラに興味を持ち始めた。

 イビルが

「ソドルという男が同行してきていて、マーラをフォローしていたみたいだけどぉ」

と言うと、リンメイが驚いた顔をした。

 悠介が

「で、15歳だから美人かどうかはさておき、可愛いか?」

とイビルに聞いた。

「マーラが可愛いかったら、サンダースの名で会いに行く?」

 美緒に言われて

「15歳だからな。3年経ったら考える」

と悠介はこたえた。


「で、ハーロック伯爵として乗り込むの?」

 イビルに聞かれて

「いや・・今回は出しゃばらない。それよりエドワールの火力発電所を進めないと」

と雅則はマーラの件はスルーすることにした。

 だが、マーラはワリキュール王国を脅かす存在になっていく。


*****


 マーラたちは宮殿の元軍の施設で休んだ。

 ワリキュール王国の軍隊は解散したが、施設はほとんど残っている。ハンスがそこを親善大使一行に使ってもらうように準備しておいた。

「国王は若造という感じでしたな」

 ソドルがマーラに言うと

「思ったよりワリキュールを容易く扱えそうだわ」

とマーラはほくそえんだ。

「妃として私を迎え入れてくれたら、容易にお尻の下に敷けそうだわ」

「しかし、ハーロック伯爵が気になります。居ないと思ったら、他国の者だったとは。なぜ他国の伯爵が魔王と・・魔王ヒュンケルとの関係が気になりなす。もしかするとハーロックは人族ではないかも・・」

「ヒュンケルと同じ魔王ということ?」

「可能性はあります。ワリキュール王国の妃になったシルビアやマクレスがハーロックに倒されたという話が本当なら」

「ソドルなら倒せる?」

「私は上位魔術師(マジシャン)ですが、ヒュンケルとまともに闘って勝つ自信はありません。彼も上位魔術師(マジシャン)でしょう。ましてマクレス様まで倒したというのが本当なら、そのハーロックがどのくらい強いのか・・」

「まさか、そのハーロックが広大なマルケドーラ帝国を一人で、しかも短時間で潰したという話を信じていないでしょうね。いくら魔王でも、そんな極大魔法は使えないでしょう?」

「普通に考えれば。・・そのような者は上位魔術師(マジシャン)でも無理な芸当です」

「なら、わからないうちは触らぬ神に祟りなし・・今は触れないようにしましょう。それよりハーロックがエランデル国とかの伯爵だと言ってたわね。ワリキュールについての情報は上がってきているけど、エランデル国については何も聞いていなかったわ。ハユナからそういう情報はもらってないの?」

「ワリキュール王国について調べさせていますから」

 そうこたえるソドルに、マーラは物足りなさを感じた。


*****


 雅則はリンメイの部屋のドアをノックした。

「はい」

「ハーロック、いや雅則だ。入っていいか?」

「どうぞ」

 リンメイは椅子に座って窓の外を眺めていた。その顔は憂鬱そうだった。雅則は

「もしかしてソドルという男を知っているのか?」

と聞いた。雅則はリンメイがソドルの名を聞いたとき、反応したのを見逃さなかった。

「私の知っている男と違うかも知れないので・・おかまいなく」

「俺は他人のプライベートには干渉するつもりはないが、リンメイの思い出に残る人なのかなと思って。リンメイは今はまだスラーレンには戻れる心境じゃないだろうし」

 そう聞くと

「思い出の人ではありません。どちらかというといやな思い出です」

 リンメイはいらだつような顔をして

「ソドルは父の仇の名、なんです」

と言った。

 雅則はリンメイが重傷を負って館で面倒を見たとき、リンメイの過去を聞いたことがある。そのときリンメイの父がスラーレンの王位継承の騒動の中で犠牲になった話をしていた。

「でも・・父もシャドーコープスの一員だったけど、彼も影で動いていた者なんです。同一人物かは、わかりません」

「そうか・・覚えておこう」





















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