幕間・宮條の仲直り?
「宮條! にゃあああ――――!!」
「うわ、何だ!?」
レッスン場にいた俺の前に、猫田が飛びつくように現れる。
「ボク、わがまま言うのは止めにするにゃ! 妥協、いっぱいするにゃ! だから嫌いにならにゃいで! ほんとに嫌な時だけ言うから、お願いだからボクの事――」
「待て待て待て……!? 何を言っている?」
「にゃ?」
俺と猫田は首を傾げる。それを隣で呆然と眺める新井。
「お前の事は嫌いになってないし、妥協なんてしなくていい」
「ど、どういう事だにゃ……?」
「少し考えてな。今、お前の考えた振り付けの練習をしていた」
そう言われた瞬間、驚きと喜びの思いが混ざり、顔の力が抜ける。彼らの横から、代わりに新井が説明を加える。
「宮條はな? お前が考えた振り付けを記憶して、ノートにメモしてあって。それで俺ら、少し考えてみたんだ。『客観的に見る』なら悪くないかもしれないな、って宮條が」
俺は顔が熱くなるのを感じて、目を逸らす。恥ずかしい事を言われてしまったと感じたのかもしれない。
「だ、だからだ、その、な……さっきは済まなかった」
本当に申し訳なく思っていた。その本心を伝えると、猫田は思わず、俺の顔の前まで回り込み、その両頬をぐに~と引っ張る。
「謝らなくていいんだにゃ~! これからはお互いに言い合いっこして……」
「離せ」
「ハイ、ですにゃ」
手を離すとふと、互いの視線が合う。
「……これからは、お互いに言い合いっこしながら、ファンの皆が心から楽しめる作品を作っていこうにゃ?」
猫を被ったかのように、笑顔で首を傾げる。そんな彼の顔を見下ろしながら、俺は頷いた。「これから」だなんて、一度きりの仲のはずなのに。




