4話 演技派の部活
視点:高里麻里
恐怖体験
私が次に目をつけたのは、放送部と演劇部
放送部は、部活に関してのお知らせや、昼休みに行われる茶番等を行っている。
クラスに確か、放送部が2人居たはずなので、その2人に賭けてみることにした。
「あ、ねえねえ柊さん。」
私が呼びかけると、首をひねって、こちらに視線を合わせた。
「えっと、、高里さん?どうしたの?」
柊美来さんはツインテールになっている髪を手で払う。
陽キャでもないし、陰キャでもない彼女は、声優になれるだとか、声も顔も美少女だとか、ちやほやされがちだ。
「放送してほしいことがあるんだけど、、、」
私がそう言うと、口元に手を当てて、うーん、と考え込む。
ちらりとこちらを向く。
「、、、内容は?」
しぶしぶしたがってやろうという感じがした。
正直言って、柊さんは私をあまり好んでいない。
けれど、この際、有効活用させていただこうと思った。
「科学部が美術部に味方しましたって、放送してほしいの。」
柊さんはとても驚いていた。
肩についているツインテールの毛先を動揺を隠すように指で弄ぶ。
「、、、分かった。で、見返りには何があるの?」
柊さんは、何かと頼まれたものすべてに見返りを求める。
だから、嫌なんだ。
「、、、科学部が作れる薬品を、一つ、放送部に献上する。」
私がそう言うと、柊さんはうーんと、言って考え込む
弄ばれていたツインテールがぺたりと柊さんの髪につく。
柊さんはなにかをぶつぶつ言っていたが、何を言っていたのかは分からなかった。
最終的に、
「分かった、いいよ。」
とだけ言って、男友達のほうへ向かっていった。
相変わらずの男たらしとは、思いたくはなかった。
女子もみんな、彼女にとりつかれたかのように彼女だけを優遇する。
私だけ、いつも一人だ。
いやだな、そう思いながらも、私はもう1人の放送部の子の元に向かう。
「カラ、?」
「あ、麻里やん、どしたん?」
神楽良衣、あだ名はカラで、糸目で、関西弁みたいなものを使うおちゃらけてる男子
ノリツッコミでいつも皆を笑わせている。
今日は珍しく独りだ。
「カラ、今日は1人なんだね。」
私がそう話しかけたら「そうなんよ、、、」と、溜息をついてから早口で喋り始めた。
「みぃんな部活動の対抗戦っちゅうもんに夢中でだぁれも僕の雑談に付き合ってくれへんねん!大体な?文化部とかが不利なの分かってんやろに知らんこっちゃ無いって言わんばかりに続行するやん?頭おかしいんちゃうん?」
唐突な長文に少し後ずさりしそうになった。
「まじでなんやねん」と言いながら、彼は悪態をついていた。
「あはは、、、まぁ、私もびっくりしたよ、ほんとに、、」
彼がこんな文句言っている時には言いにくい、、、
「んで?麻里はどしたん?まさかお前さんも、、、」
「、、、そのまさかです。」
げ、と言わんばかりに眉間にしわを寄せる。
どうやらその話は飽きたらしい。
今日はとことん利用させて貰うからね、、、
「科学部と美術部が、協力したって放送してほしいの、ほら、カラは放送部でしょ?」
私がそう言うと、カラはきょとんとした顔になる。
そのあとすぐに、楽しそうに口角をあげる。
「おもろいやんそれ、あの科学部が味方したって、えらいこっちゃになるで」
あっはっは!!と大爆笑しているカラ
他の人が聞いたら、大爆笑どころではないだろう。
まぁ、私達から見たら大喜びだけどね。
問題児を味方に付けることができたんだからさっ
「まぁ、ええわ、柊にはもう言ったん?」
「あ、うん、一応、、」
曖昧な返事を返すと、細い目が少しだけ開いて、私と目を合わせた瞬間にすっと、元に戻った。
「ん、分かった、柊が言わんようなら俺が言っとくわ。任せとき」
そういってぐっ!と、グッドポーズをした。
ありがとうとだけいって、自分の席に戻る。
HRが始まる。
今日から、気をつけなきゃ、、、
私が一番最初に殺されないように、、、
―――――――――――――
昼休み、私は二人のクラスメイトに誘われた。
「えっと、どうしたの?尼野さんに、今田さん。」
尼野笑梨と今田冷夏さん、二人とも演劇部のエース?で、いつも舞台に出ている凄い人たち、
丁度話したいことがあったから、誘われたのは運がよかったけど、正直、私はこの二人に期待していない。
「ん~?君さぁ、美来になんかお願い事したんだってね?」
尼野さんは、圧をかけるように私に話しかけてくる。
それに便乗するように今田さんが
「ほんっと、君みたいな子がお美しい美来様に願い事をするだなんて、、、厚かましいにもほどがありますわ!」
と言った。
柊さん狂信者な今田さんは、へんな虫が寄り付かないようにいつも柊さんを視界の届く範囲に置いている。
それは、尼野さんも同じことをしているけど、尼野さんの場合は、なぜか私が目の敵にされている。
今日話しかけにいったことも、とても気に食わないらしい。
「、、、別に、私が何を話しても関係ないでしょ。」
ボソッとそう言うと、今田さんがこちらに近づいてくる。
「あなたみたいな人が話しかけんなって言ってんの聞こえないの?馬鹿だから分からないんだ、へぇ、そうなんだぁ、」
きゃははははっと、高笑いをかましている。
笑っていても、目はいつも私を見下すように見ていた。
、、、怖い
袖をつかんで気持ちを落ち着かせようとする私を見て、二人はつまらなさそうにしてから、
「これ、あんたのお弁当」
といって、ぐしゃぐしゃになったお弁当を投げつけてから、とても気分がよさそうに笑って帰っていった。
お弁当を拾って、外に出て、中身を池に捨てる。
空になった容器に、購買で買ったおにぎりを入れて、校舎裏で、一人で食べる。
これがいつものルーティーン?
、、、ううん、今日は、私が柊さんに話しかけたのが悪いの、
仕方ないでしょ、だって、部活動対抗戦に、勝たなきゃ、役に立たなきゃ、私の存在意義はない。
そう思いながら、半分に割られた薬を一つ飲み込む。
すうっと、涙袋にたまった余計な水分が消えていった気がした。
感想:
「 」




