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1話:唐突に言わされた無理ゲー

今回の視点:美術部副部長、高里麻里たかさとまり

唐突に流れた放送に

作業の手を止めざるを得なかった。

顧問の先生も何も知らなかった。

私達文化部は運動部に圧倒的に劣る。

俗に言う陰キャの集まり

陽キャの集まりである運動部に単体で勝てるわけが無い。


「作戦会議をしよう。」


ポツリと部長である竹内さんが呟いた。


「そうした方が良いと思う。」


竹内さんの友達の田中真弓さんが同意した。

皆も同じ気持ちのようだ。

副部長である私、高里麻里も賛成し、

美術部全体で会議をすることになった。

黒板に私が大きく書いた

部活動対抗戦の字

美術部の中でも、トップクラスに字は上手い。多分、

レタリングとかは上手な方だった。


「じゃあ、何からやればいいかな、」


「仲間にする部活を増やすかどうか、でいいんじゃない?」


顧問の小池先生が話した。

穏やかな男の先生で、生徒からも人気だ。

たまに、よく分からない屁理屈を言うときもあるけど、


「じゃあ、そもそも仲間にする部活を作るかどうかなんだけど、、、、、」


その瞬間に美術室の扉が開いた。


「その話、混ぜて貰ってもいいかな?」


吹奏楽部部長の音﨑景と軽音楽部部長の天野奏が入ってきた。


「、、、、、いいよ。」


まだ、開戦はしていない。

心配に思いながらも私は、彼女達を通すことにした。

大丈夫、奏とは友達だから、、、、、



黒板前に吹奏楽部と軽音楽部、それぞれの部長が並ぶ。

いつもは仲良く話しているのに、変に緊張してしまう。

あの、放送のせいで、


「さて、私達は君達にいいたいことがあってここに来たんだ。」


音﨑さんが不思議なテンションで話す。

何を言われるのかが怖くて肩をすくめる。

臆病だから、仕方ない、

そう心の中で言って、自分をなだめる。

そして、彼女の口から放たれたのは驚きのことばだった。


「君達と同盟とやらを組みたいんだ。」


予想外の言葉に目を見開く。

宣戦布告してくるのかとか、怯えていた自分がバカみたいに思えてきたのは気のせい。


「私達文化部は、運動部に圧倒的不利な状況を見舞われることになる。だったら、協力した方が勝率は上がるでしょう?」


正論だ。

音﨑さんは、空気も読まずに正論をぶつけがちだが、この時は少しありがたい気がした。


「と、言うわけで、私達吹奏楽部と、軽音楽部は美術部と組もうと思う。異論はあるかい?」


前に出ていない生徒達はみな、首を横に振った。

つまり、異論は無い

願ってもみなかった話だ。

部長も何も言わなかった。


「、、、、、異論は無いようだね、じゃあ、私達が考えたことについて、話してもいいかい?」


「構わないけれど、あまり突っ走らないで頂戴ね」


「分かっているよ。」


そう言って、ふうっと呼吸を落ち着かせるようにして、話し始めた。


「私達が一番恐れているのは帰宅部の人間だ。正直言って、運動部はあまり脅威的では無いと思う。」


帰宅部?あの部活に入っていないも同然の人達が?

頭にはてなを浮かべる。

驚いたような表情や、信じられないような表情をする人も居た。

確かに帰宅部にはクラブとかの事情で部活に参加できない人も居るけど、、、、、


「ちゃんとした説明にあったのは、自分達の拠点は部室になる。私達文化部には部室が存在している。その為拠点を中心に動ける。しかし、運動部には拠点のない部活、あるいは拠点が複数の部活と被る部活がある。そうなると協力するか、乱闘するかのどちらかになる。しかし、帰宅部の場合、拠点は自分の家になる。つまり!拠点の場所が分からないからこっそり作戦を聞きに行くことも出来ないし、なんなら、拠点が絶対に落とせないから崩壊は実質的に不可能になる。部活動同士の戦いの勝利条件は降伏するか、部活動の続行が不可能となること、つまり帰宅部にその条件は通用しない。」


どうやら、私達の知らないルールを、彼女達は知っているらしい。

続行を不可能にさせる、、、、、

帰宅部の部活内容(?)は家に帰ること

帰る家を無くすか、完全下校時刻までに帰らせなければ続行しているという判定は無くなるが、帰宅部全員それをやらなければいけないとなると、不可能になる。


「そうなると、帰宅部が実質ラスボスになるって言うこと?」


竹内さんがひらめいたように話す。

音﨑さんはそれに頷いた。


「そういうことだ。なら、先に邪魔な運動部から潰していった方が良い。あるいは、残りの文化部を全員仲間に引き入れる事だね。」


「因みに、太鼓部とは交渉済みです。今日、太鼓部はお休みらしくて、部長の連絡先を持っていたので、、、」


奏が小さな声で話していたが、しっかりと聞こえていた。

珍しく本気だ。

そう言えば、科学部とダンス部の連絡先、私持ってたな、、、、、

交渉、うまくいくか分からないけど後でやってみよう。


「じゃあ、そろそろ部活動終了時刻になる。話し合いはこれで終わり、今日家出できることをして、明日の部活に備えよう。」


小池先生が話した。

後五分で部活動が終わる。

描いている途中の絵や、絵の具を片付けて、今日の部活は終了した。

明日から、本格的な乱闘が始まる。

私達は、生き残ることができるのだろうか、、、、、





学園の内訳

校舎:北校舎(3階)南校舎(4階)西校舎(3階)東校舎(3階)中校舎(5階)


北校舎一階:右側から第4理科室

第3理科室、第2理科室、理科準備室

北校舎2階:右側からダンス部部室、理科準備室、第1理科室、

北校舎3回:右側から家庭科室、研究室(科学部部室)階段側に図書室


南校舎1階:右側から校長室、客室、職員室、事務室

南校舎2階:右側から1-4 1-3 1-2 1-1

南校舎3階:右側から2-4 2-3 2-2 2-1

南校舎4階:右側から3-4 3-3 3-2 3-1


西校舎1階:右側から1-5 1-6 1-7、生徒会室

西校舎2階:右側から2-7 2-6 2-5、卓球室

西校舎3階:右側から3-5 3-6 3-7、卓球室


東校舎1階:右側から第1美術室(美術部部室)、美術準備室、第2美術室

東校舎2階:右側から第1音楽室(吹奏楽部部室)、準備室、第2音楽室

東校舎3階:防音室(軽音楽部部室)


中校舎5階~3階:生徒専用寮

中校舎2階:教師専用寮

中校舎1階:連絡通路扱いされているため、内容はよく分からない。

高里麻里感想「音﨑さんしか喋って無くない???」

気のせいと思いたい麻里だった。

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