私はヒーローショーで観た彼を好きになってしまった!
私はヒーローショーで観た彼を好きになってしまった!
私は久しぶりに会った甥っ子にせがまれ、
”ヒーローショーを観に来ていた!”
有名なヒーローショーではなく、ご当地ヒーローショーを観に行く事に。
私は携帯で調べて、甥っ子が居る間に観に行けるヒーローショーを
探していると、、、?
次の日曜日に、○○ショッピングモールでPM14時からあるけど、
甥っ子にこのヒーローショーを観たいかと聞いたら?
甥っ子は即答で、”行きたい” と答える。
私はイベントのサイトに入り無料で観れるQRコードを読み込んで、
四人分のチケットを取っておいた。
私の母親と姉、甥っ子、私の四人分だ!
もし? 満員で観れなかったら甥っ子にこの先もその事で恨まれると
思ったから絶対にチケットは取っておかないといけない!
それにウチは女ばかりだから、ヒーローショーを観に行くという事が
今までなかったし、私も一度観たいみたいと思っていた。
『ねえねえ優ちゃん! 僕も大人になったらヒーローになって優ちゃんの
事、守ってあげるね!』
『頼もしい事言ってくれるんだねぇ~優ちゃんも嬉しいわ!』
『“僕の夢はヒーローなんだよ。”』
『凄いねぇ~なれるといいね!』
甥っ子は4歳! 甥っ子の夢はヒーローになる事が夢みたいだ!
やっぱり男の子だよねぇ~夢がヒーローだなんて、、、。
女の子はませてるから、小さい時からもっと現実的な職業を夢を
持つと思うもので、、、!
”私の姉も私も、子どもの頃の夢は学校の先生とケーキ屋さんだった。”
夢にヒーローって? そんな子供じみた事を夢に持つのは男の子ぐらい
だろうなと思うわ。
”女の子はどこか現実的で、男の子はどこか未来に夢を見ている!”
だけど? 今の私はそんな甥っ子が可愛くて仕方がない。
そんな幼稚じみた事を堂々と言えるこの年の男の子が愛おしいと
感じてしまう私。
”私もおばさんになったのかな?”
*
・・・そして日曜日、甥っ子が夢にまで見た日がやってきた!
『ねえねえ優ちゃん! 前の方で絶対観ようね!』
『そうだね、席取っとかないとね!』
『でも14時からでしょ! 少し早く行けばいいんじゃないの?』
『そうよ、その間あちこち見てみたいし!』
『“ボク! お腹空いた~”』
『何か食べに行く?』
『まあ、そうだね。』
『行こう行こう!』
『ルアちゃんは何が食べたい?』
『“ハンバーグが食べたい~!”』
『じゃあお昼はハンバーグね!』
『ヤッターーー!!!』
『良かったね。』
『うん!』
取りあえず、お腹が空いていたら元気も出ないし先にみんなで
お昼ご飯を食べに行く事にしたの。
『わーい! わーい! ハンバーグだー!』
『お母さん何食べるの?』
『チーズハンバーグがいいかな?』
『優は? 私は和風ハンバーグでいい!』
『ルアは何がいいの? 僕はダブルチーズハンバーグがいい~』
『どうせ一人で食べきれないでしょ!』
『ボク、一人で全部食べられるもん!』
『はいはい! じゃあワタシは小の豚丼でいいわ。』
『じゃあ、注文するわよ!』
『うん!』
*
ゆっくり時間をかけてお昼ご飯をガヤガヤ言いながらお昼ご飯を
食べ終わった。
丁度、1時間前ぐらいにヒーローショーの前に着くと?
もう既に何人か並んでいた。
甥っ子は少し不満そうに列に並ぶ。
『“前列じゃないとボク嫌だー!”』
『大丈夫よ。』
『でももう他の人達も並んでるじゃん!』
『大丈夫! 静かに待ってなさい。』
『ボク! 絶対に前列じゃないと嫌だよー!』
『“もしそうならなくても? ワガママ言わないの!”』
『嫌だー! イヤだー!』
『“静かに! 他の人に迷惑かかるでしょ!”』
『・・・・・・』
『ルアちゃん! 絶対大丈夫よ、優ちゃんは運がいいから!』
『優ちゃんはボクが絶対に守るね!』
『嬉しい! その前に立派な大人になろうね。』
『うん!』
*
そして14時になり、既にヒーローショーを観に来た人の列は
凄い事になっていた!
でも私達は、前列に座れる事になり甥っ子もホッとしていたようだ。
そして遂に待ちに待ったヒーローショーが始まる!
始まると? 甥っ子より私の方が興奮して、しかも私はヒーローショーに
出ていた赤のヒーローを好きになってしまい......。
こんな気持ち初めてで、私には彼氏もいたけど、、、?
彼氏以上に私は、”赤のヒーローを好きになってしまった!“
*
・・・でも、まさか? こんなに近くに”赤のヒーローが居たなんて!”
私の職場の男性社員がまさかの? ”その赤のヒーローだった!”
私は彼とあまりまともに話した事がなかったのだけど?
彼があの赤のヒーローだと分かった私は彼に話しかけてみる事にしたわ。
『“あ、あの? 千藤さんは、あのご当地ヒーローの赤色のヒーローだと
聞いて、つい最近! 甥っ子とそのヒーローショーを観に行ったんです。”』
『あぁ? バレちゃったか、そう僕は赤のヒーロー役で出てたんだ~
まさか? 神大さんに甥っ子さんが居るとはねぇ~!』
『“また観に行っていいですか?”』
『勿論! 甥っ子さんと一緒に観に来て!』
『“・・・い、いえ、私一人で!”』
『お、お一人様も歓迎だよ、ぜひ観に来てね。』
『はい、ありがとうございます!』
*
この後、私は彼が出ているヒーローショーがある時はいつも一人でも
観に行くようになったの。
彼氏とのデートを断り続け、そのうち私と彼は別れる事になったのに、
私はそれでもヒーローショーを観に行く事をやめたかったわ。
何度も私が一人でも観に行くのを知った赤のヒーローの千藤さんが、
私を初めて楽屋に招待してくれたの。
そこには憧れのヒーロー達がみんな居たわ!
私は感動して泣いてしまったら? 千藤さんが私にハンカチを渡してくれた。
そんな千藤さんを私は赤のヒーローではなく好きになってしまう。
そしてとうとう、私は彼と付き合う事に、、、。
憧れの赤のヒーロー、彼と付き合えるなんて、、、!
嬉しくて直ぐに甥っ子に自慢したわ。
そしたら? 甥っ子が私にこう言ったの。
”ボクがヒーローになりたかったのは、優ちゃんを守るためだった
のにな、でも赤のヒーローなら許すよ” だって!
なんか? 益々甥っ子が可愛く感じてしまったわ。
ありがとう! 私をヒーローショーに連れてってくれて!
そのおかげで今では、”赤のヒーローと付き合えるようになったんだもの。”
最後まで読んでいただいてありがとうございます。