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第21話 お手並み拝見

【宣伝】

次回ゴリゴリの戦闘描写メイン回


 フードコートで物音を聞いた俺達は涼介達を探そうと、音のした三階に移動していた。移動の最中、何故か絶え間なく銃声が聞こえており、嫌な想像が頭に浮かぶ。


「涼介達は無事だろうか……」


「二人ならきっと平気だよ。だって、あの二人だよ?」


「まぁ、確かにな」


 理由の分からない銃声に一抹の不安を感じながらも、俺達は止まっているエスカレーターを駆け上り、音がしていた家具店の前にたどり着く。


 そこの入口付近には涼介と菜華が立っていた。


「良かった。お前ら、無事だったのか!って何だそれ?」


 涼介と再会を喜んだ俺だったが、彼の手には謎に脚立が握られていた。


「ああ、これか?後で必要だから持ってんだよ。てか、いきなりバラバラで始まるとか聞いてなくて焦ったぞ?」


「それに関しては俺も知らなかったから許してくれ」


 海斗は夢鬼ごっこについて説明してくれたが、そんなことは一切言っていなかった。今回何事もなくて良かったが、下手をすれば誰とも合流できずに襲われていた可能性がある。なぜ海斗は教えてくれなかったのか。何か理由があるのかもしれない。いや、今するべきなのはそれではないな。


「涼介、さっきの銃声は何だったんだよ?」


「あ〜え〜っと、なんて言えばいいんだろうな……」


 涼介は状況を説明しようとするが、まだ怪異という非現実的なものに触れて日が浅く、先程まで命の危機を感じていたこともあり、うまく話をまとめられない。


「いや、ちょっと待てよ?」


 突如鳴り始めた銃声、それは俺と結月が鬼に襲われる寸前になった時にもしていた音。そして俺はここ最近で一度だけ同じように銃に触れた機会がある。


「もしかして、お前女の人に会ったか?黒髪の長髪にコートを……いや服装が同じとは限らないか」


「そう、それ!あと身長が結構高い女の人!」


「え、まじ?じゃあ多分その人、陰陽師だ」


「だからか、あの人鬼を銃で鬼をバンバン倒していくもんだからすごかったんだよ」


「OK、銃については分かった。それで、その女の人は何か言っていたか?」


「あ、確か堺瑞稀って名乗ってたけど、お前は知ってるか?」


「いや、知らない。詳しくその人に話を聞きたいんだが、どこにいる?」


「それがさぁ、いつの間にか消えてたんだよ。あと、お前はその人のこと知らないみたいだが、向こうは知ってるみたいだぞ?最後に紅城に伝えておいてくれって頼まれ事されたからな」


「親父の関係者か?それはいいとして、頼み事って何だよ?」


「”君の力だけで鬼を倒してみろ”、だってさ」


「なるほど?」


 鬼を倒せというのは中々難しいことを言ってくれるな、その人。海斗からは倒せないと聞いたが、その人は涼介の前で鬼を倒してみせたらしいし、俺にもできるのだろうか。


「話に割り込んで悪いんだけど、ゆっくりしている時間はないみたいよ?」


 菜華がそう言って店の中を指差す先には、黒い煙が集まりだし、鬼の足が少しずつ形成されていた。


「おい紅城、鬼が復活するって話は聞いてないんだが?」


「いや、俺も知らん。海斗から聞いてないし」


「じゃあこの後どうすんの?ウチら、あいつと鬼ごっことか厳しいよ?」


「俺が鬼を食い止める間に三人は自分の名前を消してくれ。その堺さん?に従って、俺は鬼を倒してみるからさ」


「その人味方なの?」


「分からない。でも、涼介を助けたんだし、味方と見ていいと思うが、」


「確かに。てか考えても意味ないしね」


「ところで、お前らは名前はあったか?」


「こっちは映画館でウチの名前だけ見つけてる状況。そっちは?」


「二階のフードコートで見つけた結月のだけだな。ほんとは俺も付いて行きたいけど、とりあえずはこっちの鬼を倒さないといけないから……どうすればいいんだ?」


「なら簡単だろ。俺が結月と菜華を逃せばいいじゃねえか」


「無しとまでは言わないが、俺がそこの奴を食い止めてもまだ鬼は他にいるぞ?」


「関係なし。それに、俺もちょっとだけ力を掴みかけてる気がしてな」


「そんなわけないだ……マジか?」


「大マジ」


 言葉半分で確かめてみた俺は、僅かながら涼介の体の中から妖力を感じた。


「一応言っておくが、その妖力(ちから)は万能じゃないぞ?」


「ああ分かってる。でも、何だろうな。俺、なんとなく使い方が分かるんだよ。体に()()()()()というか、そんな感じで」


「よく分からないが、油断はするなよ。それと、そっちは頼んだからな」


 【13階段】の時には、俺は一人で戦っていた。ただ、今は違う。少し不安だが、俺は涼介を信じてみることにした。


「任せとけ」


 そう言った涼介は菜華達とこの場を去っていく。


 三人が無事に見えなくなったのを見送った俺は刀を抜き、目の前で再生を遂げた鬼と対峙したのだった。


 ***


 試験とはいえ、少し厳しすぎる気もするけど、まぁ詩郎の指示だから仕方ないか。


 涼介を助けた謎の女、堺瑞稀は戦闘を開始した紅城をどこからか眺めながら、心のなかでそう呟く。


 本来陰陽師の試験は試験監督が直接的に戦闘に参加することを除いて、干渉することが許可されている。しかし、今回の場合は紅城の父である詩郎から、戦いの序盤は干渉を避けるように依頼されていた。その目的は、危機的な状況における才能の覚醒であると、瑞稀は予測している。


 陰陽師は生命の危機に瀕することでその才能を開花、向上することが多い。詩郎は紅城の新たな成長を促進するために、本来はそれを合格することが目的である試験を利用し、瑞稀という監視をつけながら安全に紅城を強くしようと考えていた。


 そして瑞稀も詩郎の意図を悟っており、紅城以外の人物が怪異に巻き込まれたことも海斗から事前に聞いていたが、紅城だと思っていた人物が怪異に全く反撃する姿勢を見せなかったことで状況を察し、直接戦闘を行ったのが、涼介達を助けた理由である。


 そして今、瑞稀の視線の先で紅城と鬼が向かいあっている。


「さて、お手並み拝見と行かせてもらうぞ?少年」


 神崎詩郎の息子、神崎紅城の試験が今始まった。

【鬼について】


鬼はなんですぐに復活しないのかについてですが、この異界においても妖力には限界があります。自分に優位な空間を作り出し、それを維持するためのエネルギーは途方も無いものです。陰陽師においても空間に作用する力を使えるのはごく僅かです(習得が難しい+エネルギーを多用する+制御がむずい…etc)よって、空間の維持と分身っぽいものを操るのは限界があるから再生が遅かったということになります。


鬼は怪異である【夢鬼ごっこ】が作り出した分身的なものなので、倒しても意味がないし、めちゃくちゃ強いからそこそこの陰陽師だと倒せません。


【夢鬼ごっこの天恵について】

怪異が基本持っている【異界】を作り出す能力を強化している、実体のない怪異です。前述した通り、あの鬼は怪異が作り出した分身のため、本体の核を持っておらず、分身の核を破壊しても本体にダメージは入りません。また、今回はデパートでしたが、近くの建造物(ある程度の広さがある場所)が対象になります。そしてその建造物の中や建造物自体が核でもないため、祓うことは……でき……ないです(スペック上は)

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