表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異人録  作者: 朝戸 九郎
1/1

プロローグ


異人録


[異人]人の形をした異形の存在が今目の前にいる。

王国騎士団50名の小隊が今一人の女ハーフエルフに蹂躙されている。

エルフには珍しく弓や魔法は使わず無手で、戦っている。

いやこれは戦いではなく一方的な虐殺だ。

女の拳はいともたやすく、鎧を着た騎士を持ち上げ、鎧ごと身体を貫く。さらに目にも止まらぬ速さで一人一人を殺していく。

「アハハハッ!」

そして何より恐ろしいのが、アレは笑っている。少女の様な声色で、公園で聞こえてきそうだとついつい余計な事を思ってしまう程に純粋に笑っている。

「魔術師を中央に円形に隊列を組み直せ!

小隊長の指示で現実に引き戻されるが、パニック状態で魔術師はあらぬ方向に魔法を放ち、騎士も逃げ出すものがいる程だ。

「逃げちゃだめよー」

逃げ出した騎士の首が飛ぶ、瞬く間に辺りは血で染まる。

あっという間に小隊は半分以下になり、アレは騎士の首を持って立ち止まりこちらをにやけ面で見ている。

「もう少しみんなやる気出してくれないとお姉さん不完全燃焼よ」

服を真っ赤に染め上げたアレが言っているが、みな動く気配が内、静寂の中騎士達の息遣いだけが聞こえる

(ヒュンッ)

が風の音が静寂を破る。

音の鳴った方を向くと騎士がちょうど崩れ落ちていた。

そしてその横にはアレが、右手を真っ直ぐ横に伸ばしている。

手で騎士の首を刎ねたのだ。

そんな馬鹿げた芸当も素直に飲み込んでしまう程にアレは恐ろしい。

「さぁ続きを始めよう」


レヴィア[異人] ハーフエルフ 女 年齢不明(推定100歳)

罪状 王国内における大量虐殺 推定25人殺害

第一回討伐部隊 騎士35名魔術師15名全滅

第二回討伐部隊 騎士40名魔術師20名冒険者10名 死者12名

第二回討伐にて対象死亡


王国内で発生した犯罪史で最も被害を出した。凶悪犯罪者である。


それから9年

「今ここに特異凶悪犯罪人対策課設立を宣言する!」

大柄で短髪に無精髭の生えた男(老け顔、実年齢は若い)、王国騎士団団長が宣言する。

「通称[異人課]だ、今から名前を呼ぶ前へ。

エト・マクア」

「はい」

身長は平均で黒髪短髪のどこにでもいそうな男が返事をする。

「ウルフレン・ハスタ」

「はーい」

槍を持った長身で整った顔立ちが気怠そうに返事をする。

「キャロル・ラクティス」

「はい」

神官衣を着た金髪ロングで胸は豊かだが引き締まった身体の女が返事をする。

「班長はエド、以上だ、、、とお堅いのはここまでで今からなんとなく説明するから一回でちゃんと聞けよ」

といきなりの変化に3人はずっこける。

「っていいんですか?陛下からのお言葉でしょ?」

「そこは終わったからいいんだよ、いいから聞けよ」

(俺も設立に関わってるからもう知ってるけど)

いつもの様子の団長の説明はガサツでウルフとキャロルからは質問の嵐だったが要約すると

[特異凶悪犯罪人対策課]通称[異人課]はここフロドロール王国内で発生した犯罪に対応する集まりである。

犯罪は普通近衛兵が対応するが我々はその中でも特異・凶悪な犯罪を、近衛兵では対応しきれないものを請け負う。

9年前に[異人]がきっかけで発足された部隊

陛下直属の非公式部隊だ。












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ