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Miew

作者: 花織
掲載日:2023/03/23

「それでは今日もご視聴ありがとうございました〜おつおつ〜♪」


そう言って終了画面を流し配信停止ボタンを押すとふぅ、とため息をつき椅子から立ち上がる。

今日も人でいっぱいでコメントの速度も速すぎてなかなか追えなかったな、と思いながら冷蔵庫の麦茶をコップに注ぐ。

私はいわゆるゲーム実況者だ。登録者数は230万人。ゲーム実況者としてはかなり上位と言えると思うけれどYouTuber全体からするとまだまだ下位で。私が目指すのはトップなのに。今のゲーム実況者のトップは400万人の登録者がいるからまだ半分でしかないけれど勢いだけは負けてないと思ってる。いつもの実況動画も毎日ゲームカテゴリのランク上位に入るしたまにやる配信のたびに数万人が視聴してくれているのがその証拠だ。


ただここに来るまで楽だったわけじゃない。

トップ実況者が10数年のキャリアらしいけれど私もたいして変わらない。変わらないくらいやっていてこの差はなんなんだとちょっと悔しくもある。

彼だけがゲーム実況業界で一際伸びてるだけでゲーム実況業界自体はアングラのままなのか。それともやっぱり顔か。顔出しした方が伸びるのかな、なんてずっと考えているけれど私は容姿に自信はない。口元を隠せばなんとか可愛く見えるとは自負しているがマスクを外せばがっかりされるクチだ。実際学生時代もたまに告ってくる男子はいたけれど他の子ほどモテてはいなかった。


あー、明日やるゲーム探さなきゃ。あとコラボのお誘いの話も返信しなきゃ。でも風呂入ってからでいっか。

そんなことを考えて風呂場に向かう。売れっ子ではあるからそこそこいい家には住めている。多分ゲーム実況を見ている人たちなら一度は名前を聞いたことがあるはず。それくらいの知名度だと自負している。

風呂を沸かすのはめんどいしシャワーだけ浴びればいっか。

服を脱ぎシャワーを浴びながら雑念を落とす。

時々大事なことまで忘れそうになるけれどこの何も考えずシャワーに打たれている時間が私は好きだ。

一応マスクだけして顔出しという形で出ているから髪のケアはちゃんとしている。風呂上がりにはいつも面倒だとは思いながらも。

そうして風呂から出て一通り返信やらゲーム探しやらをした後にパソコンの電源を落としてベッドに入る。

今日も頑張った。明日も頑張ろ。


朝起きてる配信者なんてほとんどいないんじゃないかっていつも思う。だってみんな配信は深夜だしおはようツイートは昼過ぎだし連絡も夜ばっかりだから。

私は朝日を浴びておきたい派だからちゃんと起きるけれど。

だから私の配信はいつもちょっと早めだしそんな長時間じゃない。学生だけじゃなくてちゃんと社会人してる人たちにも夕食後のひと時にでも見てもらえたらななんて思ってるから。



体型は良いのもあってよくファッションブランドがコラボグッズのお誘いをしてくるけれどグッズを買ってもらえなかったら悲しいし私にはあまりファッションは分からないからたまにしか引き受けない。この前引き受けた時は男性向けばっかりしか売れなくて、やっぱり同性のファンは少ないんだなーと思わされた。この業界は同性に好かれなきゃ結局伸び代は少ない。なんとか同性に好かれるために美容系やファッション系動画もたまに上げるけれど私の動画の中ではかなり伸びが悪かった。どこかで火がつけば良いんだけれど、と思いながら女性向け雑誌の取材を引き受けているのもそのためだったりする。

昔2ちゃんねるで嫌いな実況者ランキングとかあって私もランクインしてたのは未だに覚えている。

マスク外したら絶対ブスとかよく書かれるけど実際そう自分でも思ってるから悲しい。でも化粧したら割と誤魔化せるレベルだとは思ってるし友達とか実況者仲間は可愛いっていつも言ってくれるけどお世辞乙っていつも返してる。そういうところが悪いんだろうな。はぁ、いっそ顔出ししよっかな。


なあなあでやってる今のままじゃだめで何かしら転換点が必要だと思ってはいたので登録者300万行ったら顔出ししますって動画を寝る前に撮っといた。編集は明日やろう。登録者数280万人超えたあたりで出そうと思って編集にも力が入った。


そして久々の休日。

動画はいつもストックがあるから少しくらい休んでも大丈夫なのだ。

昨日の動画の編集も終わったし原宿行ってネイルでも変えるかな。そんな時昔からの親友から連絡が来た。

体調崩したから助けてって。

仕方ないからドラッグストアで風邪薬とポカリを買って途中のスーパーでお粥も買って友達の家に行く。割と近くに住んでるから行こうと思えば簡単に行けるんだけど店が少ないから遠回りになってしまった。

家に着くと今にも倒れそうな感じの親友が出てきた。仕方ない。今日は看病で潰れそうだ。

お粥を食べて解熱剤を飲むと少し和らいだようで普通に話せるようになってきた。

最近の実況のこととか話しながら今度一緒に遊びに行こって約束して帰った頃には夕方だった。

風呂に入らなきゃ。それで出たらいつも夕食を食べながら再生数の確認だ。よし、今日も伸びてる。再生数を見ながら食べるご飯はうまいか?うん、うまい。そうだ、これも動画にしよう。

食べるのを途中でやめて撮影機材を引っ張り出してくる。


「はろはろこんちゃっちゃ〜!ミュウだよー!今日は自分の動画の再生数を確認しながらご飯を食べたいと思いまーす⭐︎」


自分でもよくわからない挨拶。実況者には一発で覚えてもらえるような挨拶は大事だ。学生の頃思いついた挨拶を未だに使ってる私だけれどこれが好評でファンの間では私といえばこの挨拶として浸透してる。あ、ミュウというのは私の名前だ。

本名が美優だからミュウ。安直だけど小学生の頃の友達が昔つけてくれたあだ名だから大事にしてる。ただその友達とは大人になるにつれて疎遠になっちゃったけどね。ファンにはミュウミュウとかミュウちゃんって呼ばれてる。

食レポをしながら再生数を見て一喜一憂するだけの動画だけれど久々の実写だからかみんな喜んでくれるはずだ。コスメ解説とか以外の普通の何気ない実写動画はなぜか伸びやすくてみんなゲームじゃなくて私を見にきてるんだなって実感させられる。

そして食べ終わったら編集だ。

切っても切り離せないのが動画編集。

あー誰か代わりにやってくれたら良いのになんて思う時もあるけれど私の味は私にしか出せないものだから自分で編集するのはずっとやってきてること。実写はちょっと面倒で、顔が映ったりするとカットかスタンプで隠したりしなきゃだし食事の動画でたまに撮り直さなきゃってなったら2食分食べる羽目になる。

今日は幸いその心配はなさそうだった。


明日はコラボ動画で、明後日は自分の動画で、明々後日はまたコラボ動画で。これでコラボ動画の鮮度が落ちる前に出し切れる。

コラボ動画は他でもすぐに上げる人がいたりそもそも配信にしてる人がいたりで早く上げないと伸びない。そのためアップロードのスケジュールを変えるのが面倒ではあるんだけど他の方の視聴者から引き込めるしファンも喜んでくれる人が多いから続けている。

私が可愛い〜っていうたびにおまかわってコメントがついたりするのも好き。自尊心がめっちゃ上がる。

この業界は鮮度が命だから新しいゲームの実況は一本が長めになりがちなんだけど前にも言ったように色んな層に見てもらいたいからなるべく短くするようには心がけていて、だから探索ゲームなんかはカットだらけだ。それに早く上げないと他の人のところで見始めちゃう人も現れるからそこも注意。

私が基本ソロで活動してるのもそのためだ。

とまあそんなところで編集終わって食べ物のゴミで山積みになっているキッチンを掃除して今日も寝よう。


次の日も上げる動画はもうあるから休みだった。

今日も親友の様子を見にいくかな。体調悪くなってたら大変だし。

そう思って昨日のようにお粥を買って家に着くと鍵が空いてた。入るよーって言って家に入ると親友が玄関で倒れていた。びっくりして声を掛けたけれどお腹を押さえて苦しがっていて、私は急いで救急車を呼んだ。

病院に着いて措置が施される。いろんな検査もした。点滴を打っているところをひたすら待つ。

親御さんの連絡先を知らないから私が待ってるしかない。お医者さんはすぐ落ち着くはずと言っていたけれどちゃんと落ち着いたのは夕方になってだった。

親友が言うは体調があまりに悪いからもし倒れた時のためにと玄関を開けたところであまりの痛みに倒れてしまったらしい。私はすぐにお医者さんを呼んだ。検診の結果は部外者には教えられないと言われてしまったが親友には話しているようだった。

診察室の外で待っている間親友の泣く声が聞こえる。悪いのだろうか。急に心配になってきた。

外に出てきた親友の目は涙で腫れていた。

親友が親御さんを呼んだのか駆けつけてきて色々話した後に私には、ごめんちょっと入院することになった。助けてくれてありがとう。とだけ言われて心配になりながらも帰った。


今日も再生数を見ながら夕食を摂る。

親友のことが心配で頭に入ってこない。コラボ動画だし伸びてはいるけれどそんなのどうだっていい。今はただあの時泣いていたのが気がかりだった。

でも教えてはくれなかったから心配させないようにってことなんだろう。あの子らしい。

一応連絡を取ってみたけど返信はなかった。


次の日も空いていたから入院している病院へお見舞いに行った。

そこでようやく少しずつだけど話してくれた。

親友はかなり進行した子宮頚がんだったらしい。

助かるには子宮の全摘出しかないと聞いて泣いていたんだそうで、命が助かるなら安いもんだよと思ったがそんなこと言えるわけもなくてただ親友の手を握ってた。

そんなことがあった後で今日は実況する気分になれなくて夜までずっと休んでいた。

ご飯も食べた気がしなくて、せめて私の大事な親友が元気に戻ることを祈って眠りについた。


さてと、気分を切り替えて今日は新作ゲームの続きだ。朝から実況を撮ってまた3日分の編集をしてアップロードする。まだ撮り溜めはあるけれどこれでまた暫く休める。まあ週一で配信もやるし毎日休んでるわけじゃないけど。

やっぱり悲しいことがあると実況にも身が入らなくなる。悪いことだ。私が目指しているのはもっともっと高みなのだからちゃんと切り替えないと。

今日はよく頑張った方だと自分を褒めつつもう夕方だけどご褒美にパンケーキを食べに行った。

夕方だからか人気店なのに少し空いていてタイミングバッチリだなーなんて思ってたら他の客から声を掛けられた。

昔から私のファンで一目見てそうかなって思って声を掛けたそうなのだが、私はプライベートなのだ。とはいえ無下にする訳にもいかずその場しのぎの対応をして目の前のパンケーキのアイスが溶けていく様を見ていた。顔を半分だけど出してる以上こういうこともあるのだ。毎回のように雑談ではもしそれっぽい人を見かけても声掛けないでってお願いしてるんだけれどそれでも声を掛けてくる人がちょくちょくいるのは困ったものだ。

もしや雑談聞いてないファンか?それはファンと言えるのか?まあいい。溶けきったアイスを延ばしてクリームとしてパンケーキを食べる。あーあ、生温い。サインもないしサインしてくれってしつこかったけどそういうの無いので〜って押し切った後だし精神的にはすごく疲れていた。甘いものは体の隅々まで染み渡る感じがして好きだけれどやっぱり出来立ての方が美味しいななんて思った。

そうだ、今日も雑談にするか。

雑談の時はいつも私のアイコンキャラのLive2Dを使ってるんだけどたまにパソコンに付いたWebカメラでマスクして話をしている。今日は用意するのめんどくさいしカメラ使お。

そうと決まればさっさと帰って準備と告知しなきゃ。パンケーキの残りを口にかき込むとさっさと店を後にした。


家に着いてまずサムネと配信枠を用意してそれから風呂に入った。嫌なことも一日の汚れと共に流されていく。やっぱりシャワーは好きだ。

パンケーキ食べたしあれが夕食でいっかなんて思いつつ時間になるまでに喋ることのメモを作る。

もちろんさっきのことも話す予定だ。ちゃんと注意喚起しないと。あんなことが何度もあっちゃ困る。もうすでに何度もあるんだけどさ。口酸っぱく言い続ければ減るかなって。

念のため隠し撮りとかされてないかをエゴサで確かめる。よし、少なくともTwitterとかには上がってない。食事の時は流石にマスクできないから素顔が流出なんて今なったら困る。300万人突破企画が台無しだ。ひとまず安堵したところで配信の時間だ。さて、頑張るぞ。


「はろはろこんちゃっちゃ〜♪ミュウだよー!」


そして最近あったこととか実況の話とかたまにコメントも拾ってそれに答えたりだとか、そんな感じでいつもあっという間に1時間は経つ。


「あー、もうそろそろお時間ですねー。じゃあ今日はこの辺で終わりにしたいと思います。それでは今日もご視聴ありがとうございました〜おつおつ〜♪」


そう言ってエンドロールを流して頃合いを見て配信停止ボタンを押す。今日もたくさん話したなー。あー疲れた。配信はいろんなコメントが流れるからやたらと神経を使う。その分疲れも多めという訳だ。

あとは連絡とか来てないか確認して、と。あ、来てる。是非僕とコラボしませんか……?誰だこいつ。ほっとこ。

基本的に無名の実況者からの誘いは無視している。こっちに旨みが全くないしなにより無名なだけあって話しててつまらないから。


他には、と。あーあれ結局あいつが旅行だから残りの3人で撮るのかー。まあそれでもいいか。返信しとこ。とまあこんな感じである。

いつもコラボしてる実況友達というのは3人いて4人実況としてよく上げているのだ。今回は一人欠けたから3人だけど。って撮影日今日じゃん。また朝までかかるのかなーなんて思いながらDiscordで雑談しつつ今日撮るゲームを探す。

お、これよさそう。これにしよ。

その旨を伝えると2人がそのゲームを買ってダウンロードし出す。その間に私は2人に言われていたゲームを用意する。よし、バッチリだ。


そうしてみんなで大騒ぎしながら実況を撮る。いつも通りのボケとツッコミ。ついでに旅行に行ってるあいつをみんなでいじり倒す。もうコラボ実況を撮り始めて6年は経つし一緒に何度となくイベントもやったりしてきた間柄だからか息もあってる。そんな感じが私達らしい。それぞれの実況を撮り終わったら普通に雑談もする。それで解散となるのはいつも朝の4時とかだ。家庭がある人もいるし私みたいに寂しい独り身もいるし様々なのだがやはりどうしても家庭がある方に合わせる形になるから全員が空いてるのが夜中なのだ。私は眠いんだけどいつも眠たがってるいじりをされる。

それが恒例になりつつあるから仕方ないし実際視聴者にもウケが良いから悪い気はしない。

私も私でみんなのことをいじったり突っ込んだりするしおあいこだ。

今日も案の定朝3時解散となった。一人いない分早く終わったからさっさと寝よう。明日も生活リズムのために朝起きなきゃ。


長くなったが実況者というものは日々そういった感じの繰り返しであまり変わることもなく、それから数ヶ月経った。

親友も気落ちはしているけれど手術してすっかり元気になってなんとか生きてる。助かって本当に良かった。

そして、長く待ち続けたがようやく登録者数が280万人に到達した。

早速あの顔出し宣言動画をアップした。反響はすごくて元々登録者数の伸びはいい方だったけれどこれを境に一気に登録者数が増え始めた。

そしてたった一ヶ月で300万人に到達してしまった。予想外過ぎる。急いで実写動画を撮らなければ。私はできる限りの準備をして可愛く見えるように色々整えて実写動画を撮った。サムネにも重大なお知らせと書いて視聴数が増えるように工夫した。緊張しながらアップロードする。

動画は明日の夜にプレミア公開にしておいた。

人生の中で大きな賭けとして実況で食べていくことを決めた時もあるがその次くらいに大きな賭けだった。どうなるかは誰も知らない。


プレミア公開を私も見る。

視聴数は数万。そりゃそうだ。登録者300万人を超えてる実況者なんてほとんどいないんだから。

動画の中でマスクを外した私を見て、チャット欄は可愛いというコメントで溢れた。よかった。ちゃんと準備した甲斐がある。それにしても最近のメイクやら服のフィッティングは凄いなと思った。こんな私でも可愛く見せられるんだから。

動画を見ながら私もちょくちょくチャット欄に書き込む。プレミア公開のいいところだ。反応してくれるのも嬉しい。

たまにブスってコメントが書き込まれると今ブスって言ったやつ表出ろって書いたり視聴者とのコミュニケーションを楽しみつつ荒らしを消したりしていたらあっという間に動画は終わった。


結果大成功で登録者数の伸びも凄く良くて、今世紀一勇気を出した甲斐があったと思えた。

まあ今後もゲーム実況は普通に続けるしたまに実写を出すくらいで変わりはしないんだけれど。

今日も実況上げたし明日の分も明後日の分もちゃんとある。撮り溜めしてないと何かあった時連続投稿が途切れちゃうしそれで忘れ去られるなんてことがあったらと思うと怖くてたまらないから私は毎日投稿を続ける。


たまにホールを借りてリアルイベントもするけど準備が大変で、計画するたびに二度とやるかと思うんだけどやり終えると喜んでくれたみんなのためにまたやってもいいかな、なんて思えて。


実は実況仲間4人でのイベントも予定してるんだけど今は準備中なのだ。ちゃんと頑張らなくちゃと思って打ち合わせに向かう。

次のイベントは顔出ししてやる初めてのイベント。会場もとっても大きくて埋まるのかはわからないけれどいつもチケット争奪戦が凄いことになってるから多分埋まるだろう。それにいつもコラボしてる4人だし。4人とも登録者数は150万を超えている。

打ち合わせではいつもグッズやイベントの大まかな流れの案を出してもらって気になったところや力を入れたいところなんかの調整をお願いする。

そんなわけでいつもはふざけてる4人全員が真剣だった。

イベントは半年後。それまでに登録者数がどれくらい増えてるのかはわからないけれど、絶対にいつかは一番になってやるんだって思いながら打ち合わせを終えた。


また数ヶ月して、イベントの開催を発表したところファンはすっごく喜んでくれてTwitterのトレンドにまで入ったりした。チケットの売れ行きも凄くてあっという間に売り切れた。

私も嬉しくてついケーキを買って帰ったほどだ。

ただやっぱり過去最大の会場というのもあって4人とも緊張していた。4人での集まりで実況を撮ってないときに度々話題に上がっては緊張するよねって言い合って笑った。残り数ヶ月。私も私のできることをするだけだ。ゲーム実況、雑談、実写。いろんな動画を撮った。登録者の伸びも凄かった。もうすぐ400万人。


そしてイベントの日になった。

早めに会場入りする4人。誘導してくれるスタッフの方々。設営してくれている人たちを横目にリハーサルを始める。舞台監督の方に一連の流れを説明されて、なんとなく実感がなかった大きなドームでのイベントに現実味が湧いてくる。大丈夫、ただいつも通り実況するだけだ、と自分を鼓舞する。小さい頃からいつも自信がなかった私でもここまで来られたんだ。きっと上手くいく。

開場してお客さんがどんどん増えていく。本番はすぐそこだった。


そしてイベントが始まってどんどん進んでいく。

楽しい時間はあっという間だった。

4人でゲームをしてワイワイ騒ぎながらまるでラジオの公開収録のように実況する。

偶然イベント当日に登録者数400万人を達成していたのを知ってみんながこっそりお祝いを用意してくれてたりして、お客さんもみんなお祝いしてくれた。親友も呼んだらちゃんと来てくれてて。本当に楽しかった。

3時間ものイベントだったけれど、それでも時間が早く感じた。舞台袖にはけてお客さんたちが帰っていくのを見る。とても感慨深かった。


さて次は打ち上げだ。みんなの好きな行きつけの焼肉屋でお互いに労おう。もちろん私は飲めないのでノンアルドリンクだけれど。

いつもみたいにみんなが酔ってるのを見ながら今までを振り返る。ここまで長かった。トップにはまだ引き離されたままだけれどいつか追い越してみせるんだ。だってこの間まで登録者数200万人だったのが今や400万人だよ?しかもこんな大きなことを成したのだ。

彼は今や登録者数500万人だけれど、それでも私なら行けるって思えるんだ。なんとなくだけど。

これからもこの4人で馬鹿やって騒いでそれでみんなでこの業界を盛り上げて成長していけたらいいなって思ったそんな一夜だった。


イベントが終わると日常が戻ってくるような感じで、今も変わらない日々を過ごしてる。

実況を撮って編集してアップして伸びを見る。

コラボしたり一人で撮ったり配信したり。

現実はそんなもんだけれどそれが楽しいんだよね。

ゲームは相変わらず好きだしたまに上げる実写も楽しいって思えるようになってきた。

私はそんな「楽しい」をみんなにも届けたいんだ。それが実況者ってもんでしょ?

だから今日も少しでも多くの人に見てもらえるように精一杯頑張る。ただそれだけ。それが何より大事なんだ。

あ、そうだ!よかったらみんなもチャンネル登録と高評価よろしくね!ミュウでした。

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