卍 私家版 戦争と暴力 卍
最近ウクライナ関係で話題に上がる維新の鈴木宗男さんだが。
ちょっと驚いたのが、ロシアとの北方四島返還協議を思ったより真に受けてたんだなあ……ということ。
それが大事だったから、ロシアが交渉の椅子を蹴って立ち去ってしまうのが怖くて、ウクライナ侵攻するロシアを擁護するかのようなニュアンスになってしまうのでしょうが。
宗男さんにかかわらず、交渉関係者のみなさんは本気で「話し合い」で領土が返ってくると思ってたのか?
この地球の日本以外ではまず考えられない感覚です。
ロシアの立場に立てば明白でしょう……ほんのわずかでも自国領土を減らしてしまった指導者が、自国民の支持を得られるものか?
与党政府が竹島を韓国にプレゼントしたら、あなたどう思いますか?
いまのウクライナ、あるいはイスラエルの生い立ちを見れば分かるように、領土は戦争で分捕るしかない。たとえ条約破りの不法占拠だったとしても「実力行使」という交渉術しかないのであって、何十年も話し合いでなんとかしようとしていた歴代政権は、国民に対して堂々と詐欺を働いていたに等しい。
ウクライナ侵攻によっていろんな人たちの化けの皮が剥がれたような状態ですが、そのことごとくが日本人と国際感覚のずれに起因している。元大阪府知事なんぞに至っては「この人が有事の際にリーダーだったら日本終わってたな」という、薄ら寒さを覚えるレベルでした。
われわれが直感的に感じる危機感も「日本人の理屈ってなんか世界じゃ通用しないんじゃね?」ということに気付いてるせいでしょう。
国内のそうした諸々を勘定してつくづく思うのは、日本人のミリタリー(暴力)に対する壊滅的な無知さ加減ではないか。
「知識人」でもあのザマですからね。
アーアー知らない嫌いだもん!いうのは一般人なら許されても知識階級には許されないことだと思うんですよ。
でも事実マスコミや、政治家でさえいらっしゃるんです「無知」な連中が。
好き嫌いで知識が偏るなんて恐ろしいことですよ。
なんで恐ろしいかというと、得てして無知な連中が暴力を拡大させるからです。
格闘家やプロボクサーであれば「加減」が分かってるでしょうが、喧嘩慣れしてないアマチュアはやり過ぎて無駄な殺傷まで行ってしまうものです。
あるいはプロに叩きのめされる。
日本でまつりごとに関わってる連中の大半はアマチュアじゃないかな?
でもって、われわれはふだん映画やアニメで「戦争」に接しているわけですが、吉永小百合の映画からガンダムに至るまで戦争、あるいは反戦という概念についてピンときたためしはついぞありませんでした。
小説はもうチョイマシなんですが……ドラマで描かれる戦争を観て「戦争はいけない」なんて思ったことないですよね。たいがい錯綜した人間ドラマ優先だし、そもそも大テーマとして「反戦」など押し出したらみんなペッと吐き出すだけでしょうね。
日本人にとって「戦争」とは長いことぼんやりした抽象概念にすぎず、海の向こうでやってるものでした。だからドラえもんが劇場版のたびに戦争してても違和感も感じないし、ドラマチックなイベントとしてドラマに挿入されるだけのものだったのでしょう。
とくに際立っているのが「チビがデコピンで巨漢を倒す」という日本人好みの幻想でしょうか。
エンタメとしてはべつに害もないんですが、まず現実ではあり得ない……喧嘩では巨漢が勝つし、戦争は物量をそろえたほうがだいたい勝つ。でも漫画やアニメを超えてそういう幻想を信じてしまってる人もいて、むかしその片鱗は「神風」と呼ばれていました。
いまだと9条信仰や日米安保あたりが相当するのかな。
そろそろもっと嫌な現実に目を向けねばならん、いまはその瀬戸際かもしれません。