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幻想の現実≠東方空界霊  作者: 幻将 彼
第壱章「青年は座って、夏を考えた。」――白昼夢異変
9/57

第伍点伍話 魔女の家に泊まって、巫女とお話しするお話

又は、幻想郷に携帯電話が紙形状で普及する話。

では御照覧在れ、摩訶不思議、嘘か真か、正と誤不明の混じり合わさる事の無い『幻想×空想譚』。


【訪問】


終わったのか、決着は着いたのか、勝敗は誰だったのか、中途半端な結末にも魔理沙と俺は茸が山盛りで入った背負籠(しょいかご)を背負って………さてどうしようか。

『取り敢えず焼く』なんて調理法は、森火事の原因に繋がりそうだ……

不要にも想えるが、[料理が出来る]なんて〈設定〉は俺には無い。

手っ取り早く、右手で菌や汚れを除去して左手で一応美味さを上げる……これがベストだろうか……

とも途方に暮れたような思考の夕暮れ時、いや時既に日が見えるか見えないかの瀬戸際に魔理沙は将又提案を出して来た……


「なぁヒツキ…家に来いよ」


スペルカードを展開する際、衝撃破の様な魔法陣の様な音響が生じていたが、今まさにバックサウンドとして流れているような気分だった……

おいおい、なぜに今このタイミングでお泊りフラグ……気だけにしろってこの森で何度言ってきたんだ…って言ってない(断言)。

それに何だよ……「来るか?」って誘いじゃなくて「来いよ」って強制。

何か有りそうで怖いわ怖く無いけど……いやマジで怖いって感情がないんだから信じてよ。

でも魔女さんの家かぁ……

どんな大鍋と魔術書と魔術に必要な素材が家の中に張り巡らされているのやら……蜘蛛の巣とか蝙蝠とか歯が汚い鼠とか、普通に居そうだな……

って、魔理沙っつー派手スペカに限ってこの想像は一ミリ足りとも湧かないな。

大鍋の所有は後で聞き、魔術に必要な素材には第一に[茸]を使っていそうだ……って事は大いに予想が付く。


家の仕組みを妄想するのは殺しておき……


お誘いは有り難いが、俺には崇高にも満たない目的、否、約束がある……先約がある。

『日暮れまでに生きていたら神社に来て』と言う、その最終目的地の私有者〈博麗神社の巫女さん〉こと、博麗霊夢との約束。

[約束は破ってはいけない]……この言葉が、魔理沙の言葉を永遠に借りて、ヒネクレ者の俺が少数単位で〈理解〉している善向きな〈設定〉。

善悪ともかく、俺は〈設定〉に従うのみだが、論破する魔理沙……

「別に今日やるとは言ってないんだろ? じゃあ明日顔を出しても問題無いんじゃないか?」

彼女も彼女なりにひねくれているが、確かに宴会をするとは言ったが、今日やるとは言ってない。

過去の発言は妄言云々なるだが、今日やると言った覚えは……そこはかとなく無いし、言ったとして行って、実は無かった引っ掛けプププ~wwwなオチだったら、飛んだ無駄足ではある。

酒も飲める歳でもないし、今は只、飯を食うだけが目的の魔理沙の意見に同意した。同意して終った。

「魔理沙の家に泊まるのかー、ヒツキ様?」

何処からともなく……弾幕が当たらない様ずっと遠方待機させていたルーミアが顔を出した。

弾幕ごっこの余談として、発動しているスペルカードの弾幕はそこら中に散弾するが、範囲が有るらしく……

手を叩いたら、終わったので戻って来いという合図だったが、弾幕ごっこの終わり方が曖昧だった為、アクトするタイミングを逃していた……悪く言うなら、忘れていた。

賢い話だが、勝手に戻って来てくれて……ホントゴメンルーミア、心から謝る。

「なら仕方ないな。私は人間と暮らすのはごめんだし、今日はこれでお別れなのだー」

心から謝って号令のことについて頭を下げたつもりが、別の解釈を生んだようで、逆にゴメン被られてしまった……言ってないからね、まぁ。

「ではヒツキ様、おやすみなさい……また明日……」

「おう」

「明日が来る前に浮気していたら許さないぞ」

「明日が来るまでに何が有ったんだ、俺には」

背くに浮気も別の気も無いだろうが俺には。

微笑む聖者は十字架に張り付けられたように、腕を広げて闇夜に消えた。


その闇夜からか巫女さんの事を……

夜に恐怖を感じる臆病者のように、〈設定〉で繋がれた〈約束〉に心をしずめる動作が有った気がして……

きっと博麗神社が在ろう方角を、闇の掛かった木の下から…ただ見詰めていた。


  

人食い妖怪と別れて、魔理沙と俺も歩を進めた。

森の夜道だが、生きる髪の毛〈守髪神〉さまは、夜になると発光する……

客観的には[俺の髪の毛が光りだす]。誤解と失笑しか無いが、それでも…辺りを照らしてくれて、道は難なく通れた。

「前々から気になっていたが…その妖怪と疑うしかない異形な髪は、どうしてそんな形で、それでいて今光っているんだ?」

遂に質問してくれる奴がいたか……待っていなかったけど待っていました。

「俺の髪には神様が宿っているんだ」

「え? 何言ってんだ……」

夏だからってそんな涼しくもならない…逆に森だから迷走しそうだなって方向性のギャグは要らないぜ……?

と、物凄く冗談に聞き取られました……orz(終わるぜ)。



会話として……個人的に賛否両論喜怒哀楽のどれかになるが、職業的には如何程かと言える[魔女の暮らし]について尋ねてみた。

「魔理沙の家って、悪業魔術薬を調合制作する大鍋とか有るのか?」

「は? ねぇよそんなの……」

真顔の返答、カーン…

「ま、まぁ料理用の鍋は一応有るけどさ……無情に聞くのは変だけど…好きなのか? 鍋料理?」

「先ず食べたこと無いな……無情なだけに……」

「おま…ヒツキって普段何食っ…食べて生きているの?」

 ? 言い直す処でも無かっ…まあいいか。

「み…とリンゴ」

「み? 木の実か? なの?」

「一般的な喉の渇きを潤す液体」

「水だろ…水じゃない? 何でそれくらい言わないんd…の?」

「理論的に言いたくない」

「そ、そーなのかー…」

 小声でそーなのかー。

「どうした魔理沙? さっきから言葉に不安定さが見られるが……いつも通りで喋ってくれていいんだぞ? 今日会ったばかりだが……その今日付き合った感じな喋り方で」

「え? …いいのか?」

「何をお悩みだったかは知らないし聞いても力に成れないと想うので聞かないが、魔理沙の場合いつも通りで良いんじゃないか? それ以前に個人のアイデンティティとかって大切だろうし?」

「そ、そうか……そうだよな!」

 ホントナンカシランガ戻ったな、あ~良かった、良かった~…。


「ところでその食生活って大分貧困じゃないか? 無情でも空腹はあるだろ? 感じなくても」

「お味や栄養が色とりどりなリンゴでな……神掛かった料理人がいてさぁ知り合いに。いや…片知りだったかな? 兎に角毎日俺の居所に届けてくれてよ」

「へぇ~凄いな~その知り合い……そいつと仲いいのか?」

「さ~…人との距離感なんて計る性質(たち)じゃないからな~」

「……そうだよな、そうだろうな。ハア…」

なんだ? そうかそうだと言って、遂には溜息ついて……

溜息を付くと幸福が逃げるらしいが、アレって寧ろ現在進行形で不幸な現状が起こっているから溜息付いているとしか想わないんだよね~…その不幸を息で吹き返して出すってみたいな?

「確かに幸せ中の不幸では有るよな~…不憫とも申すか…」

魔理沙は、俺が言えた身分では無いが、独り言を呟きだした。

然も俺が考えていたことを返答しているような独り言を……こいつやはり魔女だな。


「さ、着いたぜ。ここが私の家だ」

「魔法店? 魔法のアイテムを売りながら自宅っつー個人営業か……『何でもします』」

 『霧雨魔法店』と大きな看板を寄越して健在するその建物は、湿った森と同化して薄暗い見栄えで建っていた。

記載された店名の端には、小さく仕事内容が大雑把に書かれていた。

「アイテムは売っていないが、物探しから異変解決までなんでもござれ!」

 〈異変〉……巫女さんも同じくそれを解決する業を担っていたな……

 人妖に寄る〈異変〉は『弾幕ごっこ』で。

 自然に寄る〈異変〉は元凶を探し当てると……向こうの世界で言う処の〈(げん)(しょう)〉みたいなのと同じなのかな?

 ま、幻想郷だけに同じとか疑似とかナイナイ。

「おいヒツキ……黙るなよ」

 あれ? 黙り込む程考えていたか?

 そいつは失敬御免遊ばせ。

「『なんでも』って、本当に『何でも』なのかってさ~…」

「なんでもに反応する………ハッ! さては空雛の時見たく、私に鬼のような注文をしてくるのか!?」

「シナイシナイゼエッタイ無イ…」

両腕で自分の身を守護しおって。

空雛の時は彼女自身が誤ったその業である。

それを他人の所為にするのは、そいつとしては教育とか、これから生きていく人生とかに……支障を来たすだろ?

という思考から、空雛には少々バツを与えたと言うか反省しろと喝を入れたようで入れて無かったというか……魔理沙? 何でそう茫然としているのですか?

「……お前って、案外考えているんだな……ちょっと見直した」

「あれ? 言葉に出ていた? あっれ~…?」

「気が付かなかったのか? 弾幕ごっこが終わってからはずっとそんな調子だぞ? きっと腹が減っている証拠だな! 無情なりの空腹サインってことで! 今日は残念ながら店の方じゃなく家の方だからな…ゆっくりしていってくれ!」

「残った念は無いが…もし…」

「『もし』……何だ?」

「もし俺でも太刀打ち出来ないことが有ったら……助けてくれるか?」

「……私、お前より遥かに弱いぜ?」

「お前は強いよ……只あれは油断していたことって位、知力が上がる前の見た目通りの幼怪にだって解るよ……」


――――同時刻、

「ソナノカッ!((くしゃみ)) …魔法の森に長居し過ぎたかー?」


「――――悪かった魔理沙。無情にだって時々オフザケが過ぎることはちょくちょく有るんだよ……そういう意味では確かに俺には心が有るのかもな」

「なんだよ急に……やっぱ腹減ってんのか?」

「それも有るが、多分無情にして公平(フェアー)主義ってヤツだよ…」

「多分って、自分の事だろ?」

「自分のことを解っている奴なんて居ない。生きていく限りでは……実力でも進化でも夢でも、自分は未知数だ」

「…はは、そうだな、その通りだぜ。よし解った! 引き受けてやる! 私はお前でも勝てない相手が来た場合の……えーっと~…」

「守護者、でどうだ?」

「よしそれだ! 守護者!! 守護者になってお前を助けるぜ! 勇者ヒツキ!」

「勇者でもねぇだろーが、取り敢えず交渉成立だ…お代を出さないとな」

「お代は助太刀を達成した時でいいぜ」

「随分良心的だな。だがこれは前払いだ。義理ってのは早目に取っておくべきだろ? その前に死に目を見るかも知れないからな…」

「それはやっぱり私が弱いと言っ…テャ?!」

義理。

そうか、俺は今まで義理を通したかったんだ。

成程~…だから巫女さんの宴会の約束を守れたのかもしれない、守れていないが……

自分とは本当に未知だが…だがその未知なる道を見つけるのは自分自身だ。

よく解ったね、今回は……大丈夫、ちゃんと心で語っております。

口に出すヘマはもうしません。

「ふ…不意打ち過ぎだけどあ、ありがとぅ……ちゃんと……守るぜ…」

前払いは何だったか、君たちのご想像にお任せするZE★

……俺、何やっているんだろうか……厭らしくも無いが接触は十分戒めるべき、然も見た目少女の…………兎に角、そう易々と女性に触れた、この悪い左手をデフォルト睨みつきヒツキ、その様に眺めていた。

「げ、玄関先で長居し過ぎたな……夏の夜は暑そうだから、熱を出すかもしれない…早く家に入ろう……」

夜は寒くて風邪を引く…じゃないのだろうか……ああ、砂漠じゃなかったな。

え、砂漠じゃなくても…?

「りょ~かい」


【手紙】


[拝啓、夏は鬱陶しいです。博麗の巫(前略)……陽月さくらだ。野暮用が出来て、今日は其方に行けそうにない事を、文通での形だが深く詫びることをお伝え申す。別件としては生存報告も一つとして……

今回宴に行けなかったこと、大変申し訳ないと思っている…… 

追伸:使い方は声・筆・指で表したい言葉を紙に書いて、送信と書かれた部分を押せば此方に届く手筈になっている。無闇に言葉を連ねて送信しないように…]


と、まぁこんな筆記でいいだろうかな?

巫女さんに義理を通せなかった俺は、霧雨邸の食事台を借りて本日宴会を欠席というかサボタージュというか謝罪の手紙を書き、それを現代に在るショートメールサービス形式で会話するという。

俺が書いた内容は、これから巫女さん側が見ることになる用紙に反映される。

して[送信方法]即ち、[用紙の送り方]とは……


「折り鶴」

「ん? 何だ? 折り鶴でも折るのか?」

「折り方が解らない……折れるか?」

「任せておけ! 折り畳んでやるぜ!」

「鶴だから巨体且立体的にな~」

二分後…

少々悩む折箇所が有ったが、折り鶴は完成された。

完璧には至らない、()()()()()()な出来栄えだが……

「どうだ? よく出来たもんだろ?」

自信に満ちた表情で魔理沙は折り鶴を片手で前に突きつける。

「おお、いいじゃねーか? 折れないものには、尊敬さえ覚える程だ」

「無情の癖に褒め上手だなぁ~…ほれ?」

「……掘れ? 床板をか?」

「掘るじゃない、撫・で・るだ! お前でも勝てない相手から助けてやった! その報酬に、ほれ?」

「あ~…ゴメン。頼み方が省略し過ぎたな……ゴホン、『折り方が解らない…けど解るようにする方法は解る。でも一々そんなことで魔力とかを消費したくない思考的に~なので……折れるか?』」

「ただ面倒だっただけじゃねーかよ!」

「面倒なんてものは無情にはワカラナ~イ」

「もう知るか! 助けてやんねぇ!!」

「そう拗ねるなって……次に機会が訪れた時に利子をつけて払うからよ」

「……本当か? ならいいんだけどよ…」

疑問詞を出された時に事実本当である過去から談を持ち込もうと想ったけどこれまた安々と信用為されましたこの魔女さん。

「それで? その折り鶴どうするんだ?」

「巫女さんの居る神社に飛ばす。この折り鶴には巫女さんへの謝罪文が書かれてある…魔理沙はああは言ったが……念と後に来る保険の為に、な…」

「…ふ~ん、そうか。折り鶴で郵便ねぇ~…中々ロマンチストだな、ヒツキ」

「ファンタジスタだ、っつーの」

「言って認めるんだ?」

「ハイ認めますよ。早く渡さないと五分の確率で巫女さんは痺れを切らす」

「どうして痺れを切らしているって言い切れるんだ?」

「…………」

黙っておいた。

きっと他人の善良的感情論の答えが妄りにも浮かび上がっていたからだ。所謂悲観的でしょうか? 無い。

兎にも角にも、俺は左手に鶴を乗せて飛ばした……そう、



――――瞬間で。



「……音も無く見えない速度で飛んで行ったようだが……鶴を折った意味無いだろ?」

「マチガイ無いな。別に鶴じゃなくて『やっこさん』でもよかった…序に『はかま』も履かせてな」

「『やっこ』じゃあ飛ばずに歩くだろ? それはそれで見物だけど……ハァ、飛んだ禄でも無いことに突き合わされた。料理に戻る……」

戻るって、料理中にこっちに来ていたのか? 大丈夫? 何かグツグツ聞こえてはいたけど……火の元って離れたら駄目なんじゃね? 火事の元じゃね?


 光か音か風か瞬きか……どの速度で言ったかは不毛にして置き、[博麗霊夢さんがログインしました]との通達と、俺の持つ用紙側にはメッセージの横に『既読』が付いた……二つの意味で上手いこと、二つの意味で伝わったようだ。

それからの事…きっと使い方とか『何ゆえこの場に折り鶴が?』と戸惑っておられるご様子で返信に間合いが見られますが……

と、ローディングのグルグルを通して返信が来た。

[私は博麗霊夢です]

  急に名乗ってきた……試し送りだろうか? 俺も返信する……と同時に巫女さんからもメッセージが届いた。

[バカ!]

[ご紹介に預かり光栄です(棒)]

  物凄いタイミングでのダブルレスポンス……。

  巫女さんも何やら返信に困っているご様子……一応彼女が短絡的且、表示(小)にも恐らく莫大で偉大な威圧を込めて[バカ]と返信してきたことについて尋ねてみる。

[それは『博麗の巫(前略)……』と名前をしっかり言わなかったことについてですか? それとも宴会をすっぽかした事についてですか?]

因みにしっかり(前略)を文字に入れたメッセージである。

[両方よ、バカ!! このヒツギ願望!!]

  ヒツギって、俺が頼んで呼ばせた仇名か? ただの誤字か? それとも俺が『そいつ(俺)は死にたいんだろーよ』って言い分からの〈棺〉って言う当て付けか? それとも両方の意味合わせなのか?


……なんて疑問ラッシュしていても仕方ない。

69彼女は俺が神社に来たら宴会を始めるつもりだったんだ……俺はそれを軽くドッキリだの何だのと早とちりして蹴って終った………

SMSだけに返す言葉がなかったが、もう一度軽薄に見受けられる謝罪の一句を送信する。

[ごめんなさい]

 全然反省の色が見られないな……まぁ当人が無情の廃人なだけに?

[別件だけど……生きていて良かったわね。]

あ…………どうも。

[明日はちゃんと! 日暮れには神社に来るのよ! 参拝するなら何時でも構わないけど……て言うか…うわあああああああ居たの!? アンt…]

 取り込み中だったが、向こうが取り込みになったようで……って事が解る様に、巫女さんは〈音声〉でメッセ送信していたようだ。

そして不覚にも送信ボタンを押した……フフフ、バカめ。

これだから現代異物に疎い異世界人は困るのう……ってどこかの異世界コンプリーターが言っていた気がする。

[今絶対バカにしたでしょ?!]

巫女さんぇ。

[どうやって文字を消すのよコレ~…(怒) はぁ? 怒りって何よ? ワケ解んないわよ、この紙!]

バカにされる元締めとなるメッセージを送って尚、彼女は〈音声〉で文字を打っているらしい…て言うか送っている、て言うか(怒)に怒る人初めて見た、て言うか言ったこと全部何で送っているの? この巫女さん……

[〈送信〉の隣に〈消去〉って有るだろ? 消したい文字が有るなら左から消してくれるから。文字の横にある点滅している縦線を消したい文字に…指で触れたら線が移動してその場所から消してくれるようになるから]

[ああ、コレ…指でも操作できるんだ……。凄っ! 指でも文字が書ける……一見ガキの玩具みたいな物かと思ったら仕組みが深いわね~このアイテム]

またガキとか言うか己。

異世界に咲かせSMSブームでしょ? 直接会話率下がって悪気有るブームかも知れないけど……ってオイ今更指で書けるって気が付いたのか?

[指で書けるとは最初の追伸にて言っただろ……一言一句ちゃんと読んでくれよ巫女さん……]

今度の返信は早かった。

[悪かったわね。お詫びとしては何だけど、霊夢って…名前で呼んで。巫女さんなんて在り来り過ぎるわ]

またか、またなのか、また名前で呼ぶ奴か…

『巫女さん』と呼ぶのは『魔女さん』と同様、就けれる職に対する敬称、蔑称が込められただけ…それと呼び易いって言う一論。

後はたった半時間程お茶を飲んだ仲だっつーのに、もう名前呼びなんて、魔理沙の時もそうだがフレンドリーにしてはちょっと先を行き過ぎじゃないかね? 

もはや最先端技術を持って出来た友情の進行具合かと想われますよ、小生?

[それお詫び? 寧ろさりげなく俺の罪を掘り返してません?]

[掘り返されてる自覚が有るなら名前で呼んで]

[          ]

[何か言いなさいよ…]

解った、解ってた。

どうせ言い包められることくらい……

きっとこれが〈苦手〉ってヤツなんですよ……

『『なにか』…はい言わせて頂きましたよ……霊夢』

苦手な奴には精々この手しか使えないんですよ……

盆踊りの振り付けを知らなくて取り敢えず見様見真似でする様な手しか…ね。

[今どうやって声を発したの? あ、コレね]

標識的なボタンで録音機能を表示させていたが……外来品の機能を勘で当てるとは……流石巫…霊夢。

感情なんて一切見えない会話をし、感情なんて解らない挨拶の後霊夢は、就寝という名のログアウトを果たした……ようです。


『お休みなさい、ヒツキ。明日も気を付けて参拝して来てね?』

本来は第伍話と接続されて居たのですが、編集上とても頁が多い為、即興のストーリーです。

ので、英文は有りません。うぇ。

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