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幻想の現実≠東方空界霊  作者: 幻将 彼
第伍章「青年は起き上がり、住人の目の変わり様を察した。」――有無異変.
49/62

番外編其の弐 リグルの光~Night of naidesu is lights.

―――この物語は、その日その年の夏に、幻想郷に異世界転移転生を果たした青年の、起こる事象が真偽不明の幻想空想譚である。

【迷子】


 こんばんは、”番外編 下の下での前夜祭~RYG signal~”以内、否、以降のヒツキです。

 そうなると本編にもなるか。じゃあ番外編と第五章の間のヒツキです。

 アレのオチは“『忍法』最後に訪れた村或いは登録した座標に瞬間移動して戻るの術”で、寝床に帰れた。で、終結しましたが、で、人生そんなに甘くは無い、で、座標が曖昧な為、で、利用不可、で、した。

 一寸先は闇です後付け設定とか言うな。

 夜がとっくにとっぷり現在時刻。

 途方にも何時も暮れて居る何時も馬鹿何時も一人。

 今更白玉楼に戻って休ませて貰うのも恰好が付かないし、もう寝付いて居るだろうし、幽々子御姉さん提案の川の字並びで布団敷いて眠るは理想的だろうけど嗚呼もうラッキー助平な展開妄想しちゃっているぅっ。

 脇腹に妖夢が蹲って居て幽々子御姉さんに抱き枕にされて顔面お胸とまぁ、うん、はい。

 期待も興奮はして居ないです、反省はします。

 然し、如何やって帰った者か。

 星や月を灯りに頼っても、見えるのは森だけだ。空中の見得ない空間からお布団一式を探し出すのは、雲を掴むより困難だろう。

 母国も此れ位自然に恵まれて居たらなぁ―――……だが結局は自分が可愛いのだから、環境破壊は気持ち良いんだろうな。

 ………おや、最早忘れても良い街灯と煙、草木も夢見る丑三つ刻。

 一つの灯り、先の屋台とは如何せん小さいが、然し月明りと星明りだけでは如何にも成らないんで、縋ってみる。



【夜虫】


「――――――」

 人が光っていた。

 そして周りには蛍やら蛾やら蜘蛛やら百足やら―――………。

 大丈夫です、俺はラノベ主人公系主人公。

 無感情故に夜行の虫とかは、足元に寄り付いても精神大の丈夫。

「そうなんだ。確かに可愛いもんねあの子。きっとハンサムな君なら彼女と繁殖出来るって」

 何かメルヘンチックな、ではない光景とは裏腹にディープなリアルトークを繰り広げて居るよ、重いわぁ。


 俺の会う奴は変な奴、基、人間だった奴は半分でも四点五人だったか、性格的に変な奴には変わりなかったが。

 他は大体、物の怪の類だったか、矢張り性格的に変な奴。類友と言う奴か。

 其れにしては皆美少女ビジュアルだったが、この点は類違いだ。

 ……ベルサイユ宮殿が薔薇に包まれ過ぎて入門不可って感じだな、幻想郷ってそう言うものか、自己納得。

 何で俺入れて居るんだろうね、薔薇園を燃やしたか? 結局現代の日本人だが、より遣る事は原始的と言う野蛮その者だな。

 ―――じゃなくてだな。

 変な奴と野蛮な奴を天秤に掛ければヤバいと言う意味で重いのは野蛮な奴でそれは罪の重さで地獄を潜れる深さでも有るが、此の現状繁殖と言う色々重い話を軽く談笑しちゃっている此の子は妖怪で間違い無く、虫と話して触覚が生えているのが見得るのを確認出来れば、此奴は虫の妖怪だと推測するが―――……。

 毎度毎度、然し会う奴が偏り過ぎて、嫌な癖が付いちゃったよな、だからこそ今回の衣装的には此奴は漸く男だと期待して居るんだが……。

 パキッ、と枝を踏み折り、良く在る『此れで気付かれる音』が、虫の知らせと共に響く。

 妖怪に飛び交う辺りの虫は此方に身体を向かせ、同時に虫の妖怪も此方を背向横目で凝視する。

「おや、こんな所に人間、然も外の世界からが―――……皆のご飯になりに来たのかな?」

 なんて狂気染みた台詞だ。

 動物の食事に殺害概念が有る訳では無いが、この妖怪は人以上に思考と其の伝達能力が有る分、人間の生活とか倫理観ってのが一応知識に入って居る筈だが、同族の繁栄と、生命存続を重視するって思考の、しっかり妖怪だし動物だなぁこりゃあ。

 羽音が近くなる、いや、多くなる、八方塞がりだと肌で伝わる、悪寒じゃなければ怖いんじゃあない。

 だが不味いな、嗚呼不味い、非常に不味い。

 俺と言う存在をご飯対象にするだなんて、此奴等の五分の魂に支障を来たして終うと言う二つの意味を込めてウェル不味い。

「火力究極増幅~桜桃ノ新開花(Hi(ハーイ), NO(ノー) mt(モート))~」

 空に掲げる左手から出て来るのは火炎の玉。

 樹木の枝を一本余す事無く包み込んで燃やす事造作も無く、葉っぱ一枚も灰と化す。

 森火事も容易い膨大な人工太陽。

 『火力』と言う言葉を使い乍ら、実際は「超能力」に寄る熱エネルギーと電力を酸素と融合する事に寄って―――………あ~雑把な事を申したわ、結論パイロキネシスです、はい。

 力の操作の根幹は大抵「超能力」でアレコレ応用が利くと言う理由で、はい。

 俺TUEEE系に科学的理屈とか要らないんだわ、ステータスよステータス。

「―――飛んで火に入る夏の虫はどいつだ?」

 虫共は此の巨大な火球にたじろぐ。

 当然だ。

 俺が放たない限り、枝には当たっても発火はしないが、太陽の範囲内に入った、基後退し切れなかった虫共は漏れなく火葬だ、慈悲は無い。

 こちとら晩御飯に成ると言う生命の危機に瀕しているのだ。

 生命に縋りつく意地は、此方も張らせて貰おう。

 指令元なのか妖怪も、同族の危機と気温の熱さに汗を掻く。

 この場合、断然奴等のテリトリーに入った俺こそが先の台詞に該当するが、我乍ら上手い事を云った。

 此れは迷言。

「済みませんでしたぁー…っ!」

 妖怪は即座に土下座をする。

 周りの虫たちも妖怪に続いて、周りに並んで地に伏せる。

 無視は抑々匍匐前進歩行みたいな節足動物だから、謝って居るか如何か良く解らんが。

 嗚呼嫌、動物って腹見せるのが降参の印だと、アニメで見たな。

 この場合人間に例えるなら仰向けか。

「詫びるなら腹を見せて降伏を示せ」

「はヒーッ…!」

 と、白いシャツを上にずらす。

 ―――……いやお前は~……嗚呼、言葉足らずだったな、失敬失敬。

 まぁ、綺麗な腹筋を見れたと言う事で、柔らかそうだ、腹筋降伏に眼福、フクしか合って無いしょうもない掛詞だな。

『お前本当鬼畜だな』

 何だか呆け顔で放つ金色い魔法使いの言葉が頭を過った気がしたが、はい虫除けスプレーで駆除。

「良し許そう」

 火球を縮小させる。

 正直に言うと、こんな大技脅しとしても使うのは良いが、後が無かった。

 ブレスレットの力は申し訳程度にしか回復していない。

 織姫と彦星に少しばかり残業を敷いてしまった。

 ゆっくり休むと良い、と、ポケットの中で腕輪を外す。

「次の奇襲を掛ければ、自然にも慈悲は無いぞ」

「は、はいーっ!」

 と一目散に逃げだそうとする妖怪。

「待て」

「はひぃっ!」

 驚きに驚きが重なり、短命になりそうだ。

「お前に聞きたい事がある」

「な、何でしょう……」

 されど威風を崩す気はない。

 又捕食対象とされては面倒だ。

 堂々と、毅然として妖怪に尋ねる。

「……お前は男か?」

 妖怪は目が点になり、瞬時に顔は引き攣って、顔真っ赤にして此方に猛ダッシュで近付く。

「女だよっ! ほら、胸有るでしょ胸?!」

 と、自慢気に成長段階中のお山を下から、服の上から寄せ上げる。

「……フッ」

「あ~、今鼻で笑ったでしょ!」

「別に、其れも又魅力だとは思うぞ」

「じゃあ笑いの理由は?!」

「只の絶句だ。ま~た女に出会った。何だ此の遭遇率、空想科学読本が出来上がるぞ」

「何、惚気?」

「嫌気だよ。己の運命にな」

 幸福過ぎる……ってのは、冴えない男が女ばかりと出会してしまう事を題材に、付け加えに個人の捉え方として定義し、逆に言うと不幸の身が解り辛いとも言う、他人の疝気を頭痛に病む自分が悩ましい。

 某神社で人の願い事叶える姿勢も頷けると言う者だ、過去の自分よ。

 そう言う話だっけ?

「へぇ~、モテモテなんだ……」

「俺は何も出会った女皆に好かれる様な振舞いはしてねぇよ」

「其れって逆に構って欲しさを照れ隠しで容喙する男児の悪戯では?」

「ンナ馬鹿な。っと、本当に戯れが過ぎたな……」

「何ぃ? 私も容喙するんじゃないのぉ、魅力が有るとか言って嘘な理由ぇ?」

「俺は一夫多妻に興味は無い事は無い」

「有るんだ」

「今は如何でも良い」

「在るんだ」

「虫女、俺は陽月さくらと言うヒツキだ。お前も名を名乗れ」

「虫女の名前はリグル・ナイトバグと言うリグルだよ」

 夜、瑕疵(かし)って何だ、名前か?

 いや、名前と言う疑問は「本当に」ではなく偽名的な意味でだな。

 まぁ幻想郷に死報帳が入ってくる理由は無いだろうし。

「良しリグル。虫ってのは何処迄飛ぶのか知らないが、今晩何か違和感有る場所に立ち寄った事はないか?」

「私は此処いらで話してたくらいだけど、他の子たちにも聞いてあげようか?」

「そうだな。先の繁殖期お盛んなハンサムとか知ってそうだよな」

「なっ、貴方って倫理観とか無いのかなぁ……」

 番い事を堂々と話す奴が悪い、動物だから仕方ないけども。

 ……って言うか区別着かねぇよ、何虫と話してた所からな。

「あっ、丁度この子知ってるそうだって。特に意味も無いのに迂回した気がするってさ」

 ビンゴだ、カブトムシ、カブトムシだったか。

 ぽいなぁこの時季には、何とは言わんが。

 何、言ったって? そげなバカな。

 ………いや待て、色が何か緑身を帯びて居るし、カブトムシにしては角が多い且つ長いな。

 ! ……虹色麒麟亜鋸鍬形(にじいろじらふぁのこぎりくわがた)為らぬ、虹色貴婦人栄光甲虫(にじいろへらくれすかぶとむし)、其りゃあハンサムだわな、紛う事無い。

 そして科目が幻想郷だな、だども外来種じゃねーか。

 外来種なのか? 聞いた事無いな。


 俺の寝床用結界は『避け除け』盛り沢山で構成されて居るからな。

 見得ない壁と言うより、無意識に其の場から立ち去ると言う思想家候補ならではのやり方だ。

 って誰が思想家候補だ、断じて世界均衡と言う宗教勧誘に興味は無い。

「良し、其処に案内してくれないか?」

「…………」

 リグルはハンサ虫と共に此方を睨む。

「―――……案内してくれませんか?」

「先の火球弾幕の巻き添えに、彼のフィアンセが居たんだって……」

 嗚呼~……そう言う、俺の太陽は弾幕扱いなのね。

 じゃなくて案内する奴にご不満満々なのね。

「彼との子供を作りたい虫、リグルの周りに飛ーばれ!」

 四、五、六……玉虫で兜虫の王者の割に、雌が思いの外集まった、良い虫が付いた事って。

 こりゃあ徳川だ。

「……モテるって大変だな」

「君が言うかモテ男」

「俺はモテてねぇよ」

「太鼓持ちはしたね」

 こりゃあ一本取られたわとでも言うと思ったか。

「まぁ其方が仕掛けたとは言え、恋敵の手助けなんてのは虫唾が走る、虫の良過ぎる話ってな」

「そりゃあ獅子、身中の虫ともね」

 鳴く虫は捕らえられるかもね。



【虫息】


 果て扨て、虫の頭もどの程度回り、基、記憶容量が有るのか知らないが、此の虫の良い話に、鬼が出るか蛇が出るか。

 この際だから鬼蜘蛛が出るか蛇が出るか。

 虫扁だから間違いない。

 然しまぁ、飛行でカブトムシと指揮官の蛍に連れられるってのも、何だか斬新な光景だ。

 抑々人間が竹蜻蛉螺旋翼を使わず空を飛ぶ時点で猫型機械も吃驚仰天なんだが、しかも自分が、の話だ。

 蛍の光か……本は図書委員の所で読んだ以来か。

 あれからあっという間に経ってしまったな。

 と言っても一日寝込んで夜なんだが、一昨日昨日とは言え大分深夜より濃い二日だったなぁ。

 丸で夢の様な―――…………夢、だったのかなぁ。

 夜は人をネガティブにさせ易い。

 肉体的から寝起きだったが、その後飲んで食って話して、何だかとても充実してた。

 凄く眠気を感じるよ。

 そしてとても憂鬱と不安が内心を煽ぐよ、あの飲み会ですらも夢だと―――。

 俺は只、理想とか願望に夢で描いていただけなのでは……?

 俺がモテる、俺が妖怪だらけの世界で生き延びている??

 何処迄ご都合や悪運が働くのだ。

 ブレスレットも過重労働災害保険精神困困憊憊だぞ。

 憊憊ってエロいな。

 憊憊ってエロいなっっっっ!!!!

 はぁ、もう今すぐ寝床に付きたいな。

 数時間もすれば、陽が又昇るだろうけど、そんなの関係なくあの空中寝殿では遮ってくれる。

 明日は惰眠を貪ろう―――……。

 と思いたかったがいけない、紅魔館での勤務が有るんだ。

 昨日無断欠勤しちまったけど、お嬢許してくれるかなぁ……。

 あんな豪語立てちまった分際で、本当物理雑巾になりそうだ。

 いや、若しくは部位破壊ゲームの始まりか?

 第二お嬢は好みそうだな。

 だが残念、俺は無様に悲鳴をあげないぜ。

「着いたって。此処等辺らしいよ」

「応」

 虫でも向かってくるものだ、マジ物理的に、な。

 別に物理学が好きじゃないけど物理的な事象は悉く起きるモノだ。

 いや紅魔館での事象は未だ仮定の過程で課程死ね。

「助かった。ハンサ虫君に蜜をやろう」

 瓶詰めの蜂蜜を見せる。

「何処で盗ったのさ……」

「扨ぁて、何処の屋敷だったか」

 お茶の仲間に打って付けだったな、あのパンケーキ……。

 大丈夫です、メイド長から許可と共に取りました。

 虫を手に乗せる気は無いんで、リグルに渡す。

 怖いんじゃあない、火を出す人間の手等、其れこそ逆に怖いものだろぅおっ……

「何故魔除けだけじゃなく避ける秤の結界に意味が御用なのか疑問に思ってねぇ~?」

 蜂蜜瓶を掴んだと思いきや手放し、瞬間、両腕を掴み取られる。

 しまった、腕輪を付けていない。

「此処、少々盛り過ぎだよ。盛り過ぎな分、高々一寸の虫にも五分の魂が燃え滾る程に、仕掛けが露なんだよ。夏の虫、氷を笑うとは良く言ったものだ。君は氷を先の火炎で融かして終って居る様な事態に陥って居るのにも気付かず、文字通り君と言う大の虫が己を生かして私の仲間である少の虫を殺してしまった代償が、私の様な氷笑う蛍に貴方が作った結界だと教え込んでしまった、本当お笑い物だ。大方私の所に来たのには結界から逸れて迷子だった所に、見えた蛍の光に縋り付いた蛾の様な考えだろうけど、だからこそ最終的に飛んで火に入ったのは君だったって事だね。アッハッハ!」

 めっちゃ喋るな此奴。

 じゃなくてだな―――此奴見た目に反してめっちゃ怪力じゃねーか。

 チルノやルーミアと並ぶ小児体型の可愛い振りしてしっかり妖怪だぜ。

 確かに一寸の虫にも五分の魂、苦虫を噛み潰したような最悪の状況だコリャ。

 俺TUEEE系は蓼を喰らい続けて蓼で死ぬってそんな蚤みたいな思考だ能力だに酔いしれてるからして、本当虫が良いし好かないなぁ。

「其れに今君は能力を解除して居るみたいだね。衣嚢(ポケット)に武器をしまっているんだよね。触覚で解ったよ」

 凄いなそのグルグル触覚。

「でも安心して、何匹か殺したとしても、怨みは無い。君は先のハンサム君にちゃんと借りは返した事だし、無防備な君を別に食べる気も無いよ?」

「そうか、此の結界には寝床が有るんだ、早く寝かせてくれないか」

 何だろう、この光景デジャブだな。

「いいや、今夜は寝かせない。貴方………私と繁殖活動しなぁい?」

 再び周囲に虫が囲む、ブンブンブンブン。

 顔の周りを蝶々が飛び回り、舞う鱗粉が空気と共に吸い取り……デジャブにしては悍ま、し、過ぎ、だ………。



「!」

 …………………………………………………。

 目が覚めた、目だけが覚めた、身体は起こさず、そう、身体は仰向けて寝転んでいた、寝ていた、布団の中で寝て居た。

 夢だった、嗚呼夢だった、良かった、何だあの夢、虫女と家庭を築くとか―――面食いとしては有りかも面食いじゃねーよ言ってみただけだよ面食い、そんな事よりお饂飩食べたい。

 全くバグった夢だったが良かった、俺はちゃんと結界の中に居たんだな。

 決して眠れなくて一寸居酒屋寄って弟子を送り返して己の帰りに迷って変な虫に絡まれた理由では無かったんだな、嗚呼本当良かった良カッ……。

 ―――布団の中で蠢く物を確認する。

 捲ると其処には例の虫女、俺の胴を敷布団にして眠るリグル・ナイトバグの姿が有った。

 幸いにも服は着ていたが、何故同衾―――?

「ムフ~。貴方の……あったか~い」

 考えるのは良いか……此の微笑み、とても幸せな夢を見て居る様だ。

 そして発言……有無、彼女を起こさない様そっと起き、正座をして、本を開き筆を持ち文を連ね紙を一枚破り取り、A4用紙を正方形状に切り、折り、折り、折り、折り、折り、紙飛行機が出来上がり、文章が書かれている余分な用紙を飛行機の隙間に挟み込み、人一人乗せれる程大きくなり、自我を以て空を浮かび、俺はリグルのマントで彼女を縛りそして抱え、飛行機に乗せて、紙飛行機の持ち手を掴み、後ろに振り翳す。

「帰れぇー…ッ!」

 投げる。

「…ックシュン、ふぇっ……あれ、えっ、えっ、え、ニャアァー…ッ!」

「ノシっ」

 寝惚けてると、飛べる事も忘れんだなぁ。

 いやまぁ凝って飛ばしたのも、俺也の道徳と言う物だ。

 最初は蹴飛ばそうと想ったが、矢張り男が女を蹴るのは其れはもう人間と言うか生物として最低だから、最低だからマジで、マジでゴキブリ以下。

 え、縛って投げ飛ばすのも最低? 知るか、俺は俺で虫に薄い本にされた疑惑だ。

 悪夢と相まって酷い夢現との葛藤だ。

 万に一誰かが描いても其れは俺じゃないから、イフストーリーだから、畏怖と書いてイフだから、世界線は此処だから、運命石の扉は此処に開かれるから、はい、寝る。

 本当にバグバグな夢だったよ……ハァ~……てか、俺は如何やって戻って来たっけ…………。

 まぁ良いや、考え事の連鎖は眠る時のどうしようもない俺の悪癖。

 何も考えず、眠るとしよう。

 ―――はぁ、出来る事なら妖夢と…………だから何も考えるなと!



【早朝】


「フワァ~……」

 と、一欠伸。

「ン~…」

 と、一伸び。

 空中で朝の一動を済ませる烏天狗、射命丸文。

 朝から何か特ダネが無いかと、準備運動を済ませ、飛び回る。

 早朝からネタを見つけようとする烏天狗の起床は早く、そして、移送速度も速い。

 頭の回転も速い、森の木々を巻き上げる風速の竜巻の様に。

 だから気付くのも速かった。

 何の辺鄙も無い空を飛行中、急に曲折する自分の行動に、違和感を覚えた。

 何故此処で旋回を図ろうとしたのか、コレは私の意思ではなく、外部からの影響。

 この場所に何か有る、只曲がるだけの絡繰りが敷かれた此の空間は、妖除けの結界?

 成程、誰かが自分のテリトリーに入ることを恐れて、こんな大雑把に膨大な結界を張ったのだろう。

 だが、他者を除けさせるだけの結界等、編み目の粗い穴だらけの笊に似た蚊帳の様な物。

 最速且つ、風を操る烏天狗にとっては、除ける事を避けるなんて朝飯前の事。

 尚、朝食は済ませました模様。

 どれ、運動がてら、この笊結界を突破してみせるとしますか。


 ―――そうして、射命丸文は、レーザーセンサーにも似たような空間の防犯を難無く掻い潜り、地上で見つける場合が多いだろう結界の張本人は、運良く空で御眠りしていた。

 此れは、厄も積もれば妖怪の山となる特ダネの予感………!

 『清く正しい射命丸』は、睡眠中の者へ颯爽と傍へ近寄り、写真一枚撮影。

 起きる事今か今かと、カメラを胸に構え、待ち望んだ。


そう言うルートも有るかも知れない、私は作りませんが。

文字通り、寄生という既成事実は有りません。事象真偽不明ですから。

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