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幻想の現実≠東方空界霊  作者: 幻将 彼
第壱章「青年は座って、夏を考えた。」――白昼夢異変
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第参話 夏を妄想(おも)う~gray-colored party spark~[前編]

粗筋:妖怪の森にて闇の妖怪"ルーミア"と遭遇したヒツキ。

報復と言う名の襲撃を受けつつも、何とか友好以上の仲を維持出来る事に成功し、ヒツキ達は、森の中を進んで行く。

【現状】


新たな仲間(嫁(妖怪(幼女)))〈かっこ、よめ、かっこ、ようかい、かっこ、ようじょ、かっこ、とじ、とじ、とじ〉をチームにすらなっていなかったチームに加えた俺は、魔法使いを訪ねて三千世界、共に森の中を突き進む。


して人間の嫁となった彼女は、知り合いの仲で約2名の魔法使いが、この森に棲んでいる事を存じ上げた。

何ともウルトラレアモンスターに出会う確率の様な数値である。

出会って得られるものは、友情か? 勝利か? 衣嚢怪獣シリーズのメインに至る伝説衣獣に当て嵌まるのも良い処だ。

いやここは、地方を駆け巡り、出会い頭戦闘を繰り広げたらすぐに逃げ出す幻衣獣と言ったところか……幻と伝説の違いって何だろうか…? そして魔法使いとはそんなに崇め奉るような存在なのだろうか…? 我ながらこの微妙な棚上げ論は正しいのか、何時ものように悩んでいるようで悩んでいない悩みに入り込むのであった―――なんて「正にラノベのモノローグ」って思考に更けている最中、重要とも思わない重要事を思い出したので、対象の嫁である人食い妖怪に尋ねてみた。

「そう言えば嬢ちゃん…名前は何て言うんだ?」

「今なのか?! 今聞くのかそれ??! …まぁ、実にだんな様らしいその鈍さも愛おしいんだけど(照)」

彼女、妖怪にして人間の夫にデレデレである…

ただ俺の左手に宿る、増幅の力、〈与願印の左手〉で[好感度]を上げただけなのに…夏かよ、どう言う意味だよ。

「それに、例え妖術的何かで上げられた愛情だとしても、別に悪い気はしないし」

薄々勘付かれていた…流石[知力]も上げられただけ有る。

「私は『ルーミア』って言います、だんな様。是非愛情込めて“るみゃ”とか“ルーちゃん”とお呼びください♡」

是非って……呼んで欲しい愛称みたいなの持つ奴いるんだな。

して君の頭の中で何がどうなって、丸で豪邸居住の貴族とその館の専業メイドさんみたいな関係性を持ちたくべく「旦那様」と呼ぶことにしたのだ。

言葉もガチで敬語入り捲りだし…そしてもしこの例えが外れていたらアレだな……『妄想乙』。

「“嬢ちゃん”にしとくよ。その方が初めて会った時の事を思い出せる」

「まぁ、だんな様ったら(照)」

指で太腿(ふともも)を突っつかれる……

彼女は良しとして、我ながら臭い芝居である。

だが、芝居を打っておかないと喰われ逝く(・・・・・)のは確たる運命(さだめ)

『偽りの愛』とは儚く酷なものだが、“無情”である俺にとっては、考えるに値しない不要のアクセサリーだ。

売るも捨てるも俺次第…だが、その『アクセサリー』=『彼女』に見立てるとなると…本当に残酷非道な事ですね、反省致しません。

妖怪とはいえ、少子高齢化のこのご時世で自殺に追い込むようなことに仕向けては駄目ですよね。

それにの話、彼女の持つ“闇を操る程度の能力”に少しヒかれた部分は有ったり無かったりだ。

闇と言う不確定要素を程度で括れるってのも、中々趣がある……他人の思考上での話な。

離婚を喚く、若しくは偽愛についての裁判沙汰になったとしても…その闇への愛嬌を以て反論したら………結果俺が罰せられる…そして刑は“食人の刑”。

元気出せって――――元気だが。

刑死の間際には、夏を引き立てて懺悔すればいいことだ。

「聞き返させて頂きましてだんな様? だんな様のお名前は?」

「“(ひの)(づき)さくら”ってのが名前だよ、嬢ちゃん。呼び方については“旦那様”じゃなくて“ひつき”って呼んでくれ、誤解を招くからな」

「誤解って…何のことですか?」

妖怪であるからして、幼女体型とか気にされないのだろうか。

年増とか? わお…

「誤解については理解し兼ねますが、お名前で読んで欲しいのならば、何故“さくら”に致さないのですか? そちらの方がアナタらしいのに…」

 『俺らしい』とは何だ? 俺はそれを理解し兼ねる…

呼び方の誤解に誤解(・・)した彼女だが

「でも貴方がそう呼んでほしいなら呼ばせて頂きます、ひつき様」

と“様”を忘れず、ロリコン一同吐血するような、真っ直ぐした笑顔を向けて素直に了承してくれた。

この呼び方、これはこれでまた危ない気がする…気は気だけにしてほしいものだ…………。


【森中】


歩く。

してから何分くらいが経っただろうか…時計はお持ちでないので、無意味な思考錯誤だが。

神社からここまでの通過距離(トータル)もかなりの数値だろう…それよりもこの森の中も大分歩いたと思う……と、言うのもなんだ。


これは遭難じゃないかな? フーン、そうなん(・・・・)だ……ハイハイ、そこは『そーなのかー』(バッ)


「…何腕を広げているのですか? ひつき様?」

この上なくマントルに達しそうな程の地獄級クダラナ駄洒落(だじゃれ)だったが、この駄洒落で無機物有機物問わずに心底幻滅するなら、さあさあ魔女の居場所へと誘導して頂きたいこの木々達。

しかし現実は、そのような駄洒落で涼しくして下さるならどうぞお構いなくこの森を堪能して言って下さいと言わんばかりに連なる木の並び具合……地球はデカイヨ…デモココ幻想郷。

森も暑イヨ、デモ俺無情…ア、キイテイナイ。

「進展感が無いなって。魔法使いは足跡、影の形すら見当たらないな…」

「足跡? 魔女は飛ぶ者じゃないのかー?」

彼女と話すに連れて『のかー』『なのかー』のパターンが増えて来た事……増えてるの?  または『そこだけは敬語じゃないのかよ』とツッコむ路線なのだが、ここは

「確かに」

と頷き、

「嬢ちゃんは賢いな。俺がバカ過ぎなのもあるが」

と謎の他者賞賛、そして自虐。

「単純なだけなのですよヒツキ様。もしお頭が足りてないおバカな方でもヒツキ様はやはり愛おs」このまま、歩く。

していても仕方ないし、歩く。

ことに疲れは感じない〈無心の(インプテンス・)歩行者(ウォーカー)〉だが、体は負担掛けっ放しだと想う。

知らぬ間に、動かなくなるかも知れない事、無情人間の弱点として多々有るので、木の傍で空を見上げながら、その場に魔法使いが横切る奇跡をそれと無く夢見て、少し休もう……。

「あれ? 休むのですか~ひつき様?」

『のかー』は丁寧語に変化。

「ああ、休む」

「具合が悪いのですか?」

「大事無い。それよか嬢ちゃん、嬢ちゃんの方が大丈夫か?」

「何が?」

「この森は人間にも妖怪にも好ましくない『気』が溢れているらしいが……」

「そうなんですが~、不思議と当たる感じがしない」

「何故そう思えるんだ?」

「解らない…でもきっとひつき様が傍に居てくれているからかもしれませんね…ワハ~☆」

『ワハ~★』じゃないよ新たな性格(キャラ)を増やすなよ…それとも元から持っていた性格? 名残は有るモノだ…バカっぽい事に変わりはないが……

それと、その思考もバカの類だろうて。

何だその『愛は最強なり』説……胡散臭くて気に咎める動作も考えたくないわ…

「あ、今私をバカにしましたね……」

くそっ…勘が良いというか頭の良い奴め。

して怒る彼女は、すぐに和らいだ表情に変わり

「大丈夫ですよきっと…だってひつき様は妖怪を従えて終った、私の旦那様なのだから…」

信頼ある敬意の言葉が返され、こちらに寄り付き腰を下ろした。

出会いも新婚生活も間もないのに……その信頼には、彼女の心を変えて終った結果が有り、『この上なくマチガエタ』と脳裏を過ぎって成らなかった。

 

長くこの森に滞在はしているが、今のところ――なんて、時間の経過でもない休憩の至りだけど、幻覚とか瘴気とかの影響は感じられない。

“愛”どうこうで何とかなる、と、ほざいてしまう様になったルーミアの嬢ちゃんには、念のため瘴気とやらに当らない様、“守髪神(もりがみ)”の一部を分けつつ、左手を頭に乗せて、免疫力上昇とかの、予防してはいるが、幻が付く不明な気体には、既に感染していて手遅れなのかもしれないネ。

そして彼女には、只の『頭ナーデナデ』にしか思わない事ネ…。

凄くご機嫌良さそうな顔だネ。

しかし病気ってのは『前触れなく、いつの間にか』って類は少なくないことは無いネ。

こうも笑顔垂れてはいるけど、痩せ我慢だとか気付いていない平和ボケだとかネ。

気付いていないと言えば『馬鹿は風邪ひかない論』は『只気付いてない論』だとかあるネ。

(何だネさっきから現れているこのチャイニー)

普段の状態の俺なら、黴菌だろうが黴菌マンだろうが、軽く寄せ付けないコレガイオンブロック(ニドトコナイデ)、なのだが、現状の〈守り〉が不安定だから、彼女に俺の髪の毛の束を渡したとて、効果が覿面(てきめん)かは


“幻想郷と言う未知の世界”


その規模の時点で不明である。

先ほど“守髪神”を渡したとは言ったが、この“髪神(かみ)さま”の毛は、相手にも渡せば、髪の量に寄り効果の大小は変わりつつも、結果守りの対象になる。

しかしこれも先程言ったが…

ここ、

未知なので、

効力、

解らない。

片言説明アンダースタンド?

「魔法使い……会えるといいなぁ……ひつき、さ……」

寝ぼけ眼でふらふら、朦朧(もうろう)として喋った後、“るみゃ”はこちらの肩……と言っても幼女の座高なので上腕ら辺なのだが…に寄り付き、眠りに着いた。


ある時期の学校機関には、座高測定が身体測定と共にあったらしいが、あれは何の意味があったのだろうか……と、雰囲気ガチブレイキン。

「ああ、そうだな……」

心元想ってもいない台詞を純粋っぽい感じで返答し、“るみゃ”の昼寝が『森の影響』の前兆でない事を願い願わず、空が見える木陰の下で魔法使いが通り行くのを待った…………。









【※※】


――――見覚え有る光景を、目の当たりにした……。


あれは確か…ここ最近経験した光景だ……経験?

見た光景(もの)なのに経験なのか? …まあいい。

この感じを…本能的な感じで表すなら……“夏”だ。

また“夏”だ、どれだけ“夏”が来れば気が済むのだろうか…まぁ“夏”だから?

最近で“夏”という感覚を本能で知ったとすれば、あの神社だったな“博麗神社”。

だけど今回は別だ。

神社境内ではあるが、何かが違う…チュガウ……

ココは……俺が住んでいた神社、“桜桃(おうとう)神社”の境内、その本殿より奥にある小屋、または家屋。

そこで俺は…“夏”を見た……と思う。

元より静かな境内で暮らしていると言うのに……結界が緩んでいたのだろうか…

だから暑さを感じる?

清水が流れる音以外に、蝉の音が鳴り響き、微々たる熱が籠った風が吹くのか? 鳥の歌も蝉以外の虫の騒めきも…木々が風に当てられ葉の一つ一つがぶつかり合う音…………。


『夏らしい』


“夏”と言うのは……何て言うかその…“夏”とは、大まかに現すと、

暑苦しい? 鬱陶しい? 騒がしい? 嫌い? どれも俺には無いモノだから解り切ったモノじゃない……そう思ったら余計に暑さが増した……と想う。

やはり理解は出来そうになかった。

それに耐えれそうに無かった……無情なのに。

だからきっと俺は…………僕は…………ぼ……く………? すると不思議な事か、


「それでもあなたは――――」


“夏”から言葉が発せられ、音に成って伝わったと思ったら、以前にも見た事ある黒い景色が、俺を囲い包み、呑み込んだ…………


まさか粗初めから間違って居たとは……第参話未投稿。

割り込み聞くから良いけどpixivはそうもいかんなぁ……消そ。

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