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幻想の現実≠東方空界霊  作者: 幻将 彼
第肆章「青年は死を目の当たりにし、彷徨った。」――死生異変.
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第弐拾肆話 通りゃんせ~Ver. to step Moriya shrine~

魂魄妖夢との約束を文字通り魂に刻んだ男、陽月さくら。

冥界を後にし、己の肉体へ戻るべく顕界に戻るが―――。


【寄道】


 ――好奇心。

 得たモノは、好奇心。

 猫をも殺す好奇心。

 死亡フラグですか? 残念死んでる正確には成仏フラグ。

 残念は正に成仏される事だが好奇心。

 幸い今は午後五時位に差し掛かる位の夕方、知らんけど、有無、未だ余裕だ。

 ちょっと観光がてらっつーか、新天地巡っても構わないよね?

 霊魂だのに戻ってから行けやとも突かれる話、されど其れでも行くこそ、嗚呼、好奇心。

 やったよ妖夢……俺も感情の一つを手に入れたらしい。

 扨てあの三姉妹らしき奴等から守矢神社とやらの方角を見聞した……あっちだ。

 何か霊魂の燃え盛る炎の部分で手を振って、其の儘去る。

「いや中々器用な霊魂だったね」

「やっぱり一家に一台欲しい霊魂だね」

「とっ捕まえる?」

 ヤバ、逃げよ――全速力でその場を去った。

「「「逃げ足も速いねぇ~」」」



【守矢】


 カハッ…霊力を犠牲に全力疾走する行いは、血を吐くように、いや実際に血は吐いた事ねぇから、良い例えならマラソン大会を走り切った後の喉の感覚……血みたいな、血だな。

 俺は空々の喉に鮪の刺身を食べたみたいな追討ち罰ゲーム感覚だと想って居る。

 想って? いや、知って居る? 果て、今日此の日迄疲弊の疲弊に達する程の激走を繰り広げた事が有るのか俺には……向こうの世界でだってそんな戦略的撤退的逃走劇を広げたのか? まぁ妄想なのだから思想家候補の俺は其れを否定で決定するとして。

 兎に角、霊力を消費する事含めて吐血しそうな空々の鮪刺身状態って言いたいのね。

 コミュ障は緊張で吃って喋れないタイプと何言って居るか理解されないタイプと、俺は後者だな。

 扨て、草臥れながらも、夕焼け空の中、妖怪の山の頂に聳え立つ、守矢神社へと空から参拝。

 俺は一応死んだ判定だから此れは喪中に成るのだろうか?

 まぁ時既に神の奇跡を超越する事を遣って来たので、みたいな事博麗神社前でも考えた気がするので、知らん、俺が神だ、言い過ぎだ、俺は紙だ、迫真だ。

 おや、参道に人影が……男好きでは無いけど神主さんで在ります様に、出仕でも可。

 男好きの疑惑を晴らす為に、俺の弟子がこんなに可愛いわけがない括弧尊いとか言っておく。

「ハァ~……恋がしたいなぁ~…」

 アンニュイなシーンに遭遇してしまった……ってか巫女さんだ。

「行けない行けない、風祝である私が恋愛など……でも偶に、男の人とお喋りでもしてみたいです」

 「してみたい」と望む、何か俺と同じ様な女難の相の境遇で暮らして居る女性が此処に、なんて俺じゃあ在るまいし。

 まぁ、俺男だから当然男に恋愛するとかマジ舌出し状態で唾吐き出す。

 え? 女版の俺が男に恋愛? 本体は俺だから女の俺は女の子といちゃついてください、TSFでなく完全な百合です。

 扨て、巫女とは見当違いの風祝さんである彼女の要望にはちと程遠いが、一方通行話し相手になるとしよう。

 基、ならないとしよう、俺は彼女に声を掛けれない。

『コニチワ』

「ワッ…! 霊魂が言葉を発した……コレが言霊ですか、こんにちは」

 うん、そうだよ~。

「霊魂さんが私に何の御用でしょう?」

『オハナシ』

 妄想の想で、話せない妄想を話せる現実にする、おまけにそんなに己のマナ的魔力でなく周囲の魔力を使うから負担などあんまりないマジ升。

 未だ妖夢との入れ替わり癖が残って居るなぁ~。

「お話ですか……若しかしてさっきの独り言聞かれてましたか?! は、恥ずかしいですから忘れてくたださい!」

『イヤムリ』

 霊魂の核みたいな処顔を両手で覆う様に触るな。

 それ多分体なら胸部に当る。

「ヒャッ、霊魂さんにしては大胆ですね……扨ては男でしょう?」

『ソウデス』

 いや御免。

 態とでは無いが霊魂ジェスチャーでついタッチングを計った、此れ此処だよ。

 済みません閻魔様ちょっと説教して頂けませんか?

「確かに男の人と話したいとは呟きましたが、物事にも順序と言う物が外界には有るんです、主客転倒です」

 向こうの知識を知ってそうな分、彼女も外界から幻想郷に移ったみたいな人種か。

『ゴメンネ。キミガネ。オレニネ。フレタノ。ムネナノ』

「あ、あ~、霊魂さんも身体感覚が有るんですね」

 四文字で片言なのは只の縛りです、四字言縛り。

 語尾に「~し」を付けて三、四文字しか喋れない珍生物を見掛けた事在るから其れに倣い。

「コレは私も段取り踏めず……」

 違う、そうじゃない。

「でも、霊魂さんの心って、暖かいですね」

 あ~らこっぱずかしい事口走っちゃってぇ、布団で蹲りたくなるよ。

『アリガト』

「ッ! シュゥ~……」

 あ、今、後悔し始めたわ、この子。

 ちゃんと顔は見えないけど、解る。

 処でこの子髪が緑だな……全体的に緑緑が緑で緑。

 風祝ってのは、風の神様を鎮める巫女さんの様で巫女さんで無い神職。

 言わば実巫女さんである博麗霊夢とは対になるとも言う理由で。

 だが色合わせが如何も兄弟感っぽさ否めなく。

 さっき触れちまったけど、うん、対だな霊夢とは。

 いや霊夢のを触った訳でも無いが、まぁアイツ腋を晒して更に晒だし、見えるっつーか、成程、アレが男の女に向けて無意識に行っちまう視認か。

 然し霊魂の視力乍らも解るこの大きさは、果物に等しいな。

「処で霊魂さん。お話するとは申されましたが、其れにしては守矢神社の参拝理由が乏しいのですが……若しかして、私に会いに?!」

「ダレデス?」

 再び顔を沸騰させる風祝さん。

「あ、あの済みません。調子に乗りました……」

 手で顔を伏せる。

 いや誰だよって、初見なんだよこの神社を俺は。

『ワタシガ。ジンジャニ。キタワケ。タンナル。キマグレ』

「そうですよね! 私もあなたの様な器用に話す霊魂は存じ上げませんでした! 気紛れですよねハイ済みません!」

 何かこの子……残念だなぁ~。



【恋話】


『オハナシ』

「はい…?」

『オハナシ。ツヅケヨ?』

「そうですね……では、あの、恋バナを」

 おっ、もう恋愛も子孫繁栄も出来なさそうな人魂にその話振りますか、ふぉい。

「霊魂さんは、どのような女性が好みなのでしょう?」

『優しくて素直で正直で何処か識が抜けて居るけど解ってくれれば真剣に愛してくれて共に肩を並べて寄り添って背中を預けてありとあらゆる困難に立ち向かい闘ってくれる黒いカチューシャが良く似合う御河童白髪の剣士の様な子ですかね』

「目茶苦茶喋るじゃないですか霊魂さん?!」

『いやはや騙して済まない、悪気は無いんだ。喋る人魂言ったらこんな片言かなって』

「霊魂さんと話せるなんてとても貴重でしたから別に気にして居ません。此れも又、幻想郷ならではの常識に囚われてはいけない事案ですね」

 明後日と言うか一昨日の方を向いて今夕日の如く沈む様な発言です。

『非常識が常識か、幻想が現実かの究明はこれからの課題にして、俺の名前はヒツキだ風祝さん。亡霊では有るが生霊に戻る為、現世に戻った』

「そうですか、ヒツキさんと言うんですね。私は“東風谷早苗”と申します。此処『守矢神社』で、仰る通り風祝を務めて居ます」

『ちょっと上、下、真っ直ぐって感じのイントネーションで名前紹介、後ろに『御座いまーす』とドンドンテンション高くなる様に言ってみて』

「え、えーっと……サナエで御御座いまーす!」

 鯰を銜えた火焔猫、追ーおっ、掛けーて。

 ………誰だ火焔猫って、何で鯰のチョイスだ、なにぬねの、下手か。

「あの、何か悟られたのでしょうか……この私の挨拶みたいなのから」

『有無、有りそうな謎の単語が生まれて来た。流石は風祝だとも』

「良く解りませんが、お役に立てて良かったです」

 此の純粋な感じ、悪くない。

 ちょっと俺の中で博麗と守矢と、神社への評価天秤が守矢に傾いた気がしたぜ。

「又肉体が戻ってからで良いのですが、是非、守矢神社を入信しませんか?」

 前言撤回、神社は神社だ、ざじずぜぞ、学ばない。

『通う程度なら、構わない』

 賽銭奉納が無理強いとして無いなら。


「少々話は戻しますが霊魂さん、基、ヒツキさん」

『はいなんでしょう』

「ヒツキさんが先程仰っていた女性の理想像は、実在されていらっしゃるのでは? と思った次第ですが。白玉楼に半霊の御仁が容姿に適当だとお聞きしまして」

 まぁ、有れだけ語れば、な。

 妖夢って井の中の蛙では在るまいし、俺じゃあ在るまいし、久方このフレーズ。

「差し出がましいのでしたらお応え頂かなくても大丈夫ですよ? 理想像として定着するだけなので」

 なんだぁ、含みの有る言い方。

 幻想郷民は深遠な物言い好きよね、皆が皆アリス脳らしい。

 あーそう言えば未だアリスに会わずに他界したぁ。

 生き返ったらアリス、本格的に探そ。

『俺を心底愛してくれた女だ』

「愛……」

 え、其処意識するトコですか?

「私も……一途に殿方を愛してみたいです」

 愛に恋して居る人って居るんだなぁ。

『早苗さんはどんな殿方が理想図なんだ?』

「さぁ、如何なんでしょう……貴方が私の独り言を聞いて居たのでしたら、男の人とは余り喋った事は有りません。でも強いて言えば、如何なる物事に付いて来いと引っ張ってくれる方でしょうか、落ち込んで居たら頭に手を置いてくれる優しい方でしょうか、希望は途絶えませんね」

『そりゃあな、女の子は欲張りな生き物だ』

「でも今は守矢神社の巫女として、信仰を増やしたい限りです」

『まぁ、頑張ってくれ。恋も仕事も』

「…………」

『? 如何した? 人魂の俺を睨み付ける様な顔をして』

「いえ……人魂と言った限りは業とにも聞こえますが、別に構いません」

「……あ~、何となく言いたい事は解るが、仮に俺がアンタに寄せて居たとしても、俺の顔を知らないアンタが気に入るとは到底……」

「恋愛は、顔だけでは無いと思います」

 グハッ、効いたぁ~。

 こんな絵に描いた様な純心事が言える女性が幻想郷に居たとは流石幻想郷。

 不細工だと罵しられる君も此れには号泣。

 でも確かに、一理は有る、魔理沙風に言うと全理か。

 妖夢は俺の心っつー記憶を知って、俺を守りたい一心に俺の隣に立ってくれた。

 あ何か御免惚気話みたいで、謝られても独身なら余計惨めだよね、御免、尚御免、煽りじゃないです御免。

 その心意気に俺は彼女に惚れたと、惚れて見せると………だが其れは本当に彼奴を好きだと想って居るのか?

 そう言うのじゃなしに、単純に、可愛いだとか、守ってやりてぇとか、いやきっと理屈とか要らないし、個人其々だろうし、だから惚れたと言えるんだろうが。

 俺の場合こうも想われる、好きになってくれたから好きになる。

 何だか仕方なくみたいに聞こえるし、俺個人の意思が全く取れない。

 だからこその俺が俺に課せた、妖夢と誓った修行の目標。

 でもやっぱり、何かが違うんだよな。

 だからこそ俺は俺に惚れる奴が若し居たのなら否定するんだろうし、彼奴を理由に言い訳するんだろうし。

「今、其の愛してくれた方の事を想い出して居ましたか」

『解るのか? 超能力者か東風谷さんは?』

「いえ、女の勘です。因みにそう言った能力の妖怪でしたら、幻想郷の地下、旧地獄に、地霊殿と言うお屋敷を構えて住んでいらっしゃいますよ」

 お、又新たな幻想郷の地理情報。

「後、名前で呼んで頂いて構いませんよヒツキさん」

 この件久しぶりだな。

 何かと名で呼んでを強請るよな、幻想郷少女衆。

「私は相手のお顔が自信に満たない容姿だろうと、人魂が相手だろうと、其の方と話して楽しいや一緒に居たいが芽生え、恋咲いたのなら、その方の全て得ようと努力します」

 はぁ~何処迄も純心が眩しい且つ、強欲な風祝さんだ。

「聞くにヒツキさん、未だ籍は入れてないみたいですし」

 今日知り合った人魂に其処まで求めますか、止めとけ止めとけ、人生の墓場行きだぜ?

「あ、でも、やっぱり、顔は次ですが、垢嘗めみたいな、豚の様に段々で肥えたお顔の方は流石に……と、思い……ますね」

 うわ酷っ、この掌返し、台風級。

 今陰キャでネガティブシンキング被害妄想系の自分其れに該当するんじゃね一日三食ピザ奴が机をガタンで主人公自分の屈辱的同人誌を創作し始めたよ。

 其れは其れで其奴は其奴でコワイ。

『僕豚顔で、首元鏡餅みたいにデブンデブンですブヒー』

「フフッ、冗談の面白い方も私の中では有り寄りの有りですよ?」

 彼女、何故俺が彼女の惚れたいリストに加わると、自信が湧き出てくるのだろうか。

 まぁ彼女もあの紅い巫女同様、腋は出して居るけど。

 でも少し、恋だの愛だの思考論で似たような部分が見られて、親近感沸く人物だと、俺の中では位置付けられたよ。

『俺も……アンタの事は嫌いじゃ……』



【キ跡】


 浮遊が出来なくなってきた。

 早苗さんの顔から遠退いて行く。

「だ、大丈夫ですか!? ヒツキさん!」

 落ち行く先に、両手で早苗さんに掬われる。

『どうやら、れいりょくのげんかいらしい……きせきてきにてれぱすできてたみたいだが、しょせんはまりょくがらみのげいとう……だいしょうはひつようか』

 か細く、又も死にそうな声で俺は早苗さんに伝える。

「大丈夫ですご安心を! 貴方が幸運なのも此処に居ますは何を隠そう奇跡を操る風祝! 私が神のご加護で貴方を導きましょう!」

『そうか…それがさなえさんのていどののうりょくか……すげぇな、きせきあやつるとか。みちびくっつーか、おれをはくれいじんじゃへのみちまではこんでほしいっつーたんじゅんなねがいだ』

 違う神社だが、対立社競争とか信仰心の事情とか、大丈夫かね?

「お安い御用です! 其方に貴方の肉体が在ると見ました! お連れしましょう、いざ博麗神社へ~!」

 案外如何でも良いらしい。



 空を飛ぶ。

 先迄飛んで居たが、俺は全く力を発揮せず、早苗さんの掌で意識が朦朧として草臥れている。

「飛行速度は問題有りませんか? 掌から零れ落ちそうでしたら速度を落としますが?」

『もんだいない、ぜんそくりょくでたのむ』

「はい、畏まりです!」

 本当に幸運だろう、向かい風に靡かれる俺を留めてくれるのは彼女の優しい手と温かい胸である。

 霊夢だったら絶対無理だった、おっと、悪寒が。

「処でヒツキさん、若し魔力の枯渇に繋がるのでしたらお答え頂かなくても良いんですが、有耶無耶にしました守矢神社に来た理由は結局何だったんですか?」

 答えない迄も無い。

 魔力の枯渇等恐れない、少なくとも理由は其れで此れなのだから。

『きまぐれだよ。げんせにもどってさっそくでくわしたへんなさんしまいに、じんじゃえのみちゆきをきいたらここもあてはまったからきた』

「肉体に戻ってから来てくだされば良かったのに……」

『ああ、まったくだ。まぁしゃべれることはとうじかいめいされていなかったから』

「でしたら何故魔力を浪費して迄お話を?」

 喋れると解明出来た当時も、まさか結局魔力を使って居たなんて想いもしなかった。

『……さぁな。かっこうつけるなら、ひとだまであれ、やろうとはなしたいあんたのがんぼうをかなえたかったってところかね」

「ヒツキさんは愚かしく、そして優しいですね」

 賛否両論頂きました。

『そりゃどうも。そういういみでわ、たしかにあんたにあいにきたのかもな』

「わ、忘れてくださいその過去の過剰台詞っ!」

 楽しく騒ぐ人と魂、その時はもう夜の出来事へと変貌して居た。



【生還】


 木々に囲まれた鳥居を見付け、飛び越して境内へ着陸する。

「さぁ着きました、博麗神社です」

『ありがとうさなえさん。いまからなにかおれいがしたいんだが、なにがいい?』

「いえいえそんな、私は別に~……!」

 縁側に迄辿り着くと、早苗さんは良くある感じに台詞を止める。

『? さなえさん、どうした? なんかきせきてきなめいあんでもおもいついたか?』

「いえ、ご期待には沿えない案ですが、又、守矢神社にいらしてくれれば……」

『わかった、またあしをはこぶよ。せんどうありがとうさなえさん、おやすみ』

「えぇ、お休みなさい、ヒツキさん」

 ゆっくり丁寧に板の上に乗せ、駆け足で少し進み、其の勢いで飛び去った。


 扨て、じゃあ俺は空っぽの肉体へ魂を戻すとしますか。

 見やる俺の肉体らしき影は何か網の様なモノで囲まれて居たが、現状幽霊の存在なんでね、透き通ってやったぜ。

 おぉ、此れ男の浪漫の一つが叶えれそうだが、視界が悪いもんじゃ、浪漫もへったくれも無いね。





 目を開ける。

 とても良好な視界、視力。

 見える木製の天井、知って居るか知って居ないかは今如何でも良いとして、緑色の網模様が遮る。

 此れは、蚊帳だ。

 映画で見た事在る位の蚊帳だ。

 あなたはだぁれ、灰被り姫?

 良く蚊帳の外にしたりされたりするが、本当に俺が蚊帳の中に入っているとはな。

 畳を見やれば、月光で灯すは大きな円を描いた、何かの液体の跡。

 恐らく死体が腐らない様に盥に入った板氷が詰められて居たんだろう。

 其れも映画で見た事在る。

 案外映画鑑賞をする無情人間でした。

 そして反対に頭を寝返らせると………!

「霊夢…………………………さん?」

 何故敬語、早苗さんの口語がうつったか?

 直ぐ人の癖を真似るよな。

 又も出落ちも良い処、俺が寝ている隣で、博麗霊夢は眠って居た―――。


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