第拾陸話 豚の乙女は暁に舞う風の如く、中毒的な音を涼しく創る~clear~
魔は縛られど、魔性は狂気にて、剰え侵入者も狂気に塗りたくり兼ねない屋敷で、命辛々、出口と想われる最上階へと、魔性共々辿り着いた霊夢と魔理沙。
阻まれた道に、彼女たちは謎の声を掛けられる。
【蒼鬼】
寝室を出て左の、魔理沙が当初向かおうとしていた出口の部屋へ向かう。
扉は吹き飛ばされ、それは部屋奥の壁を貫通して、ドアの隣には、剥き出しで外景が見えた、出口が見えた、脱出口が見えた。
然し安堵や油断は出来ない。
部屋の右端で、蒼鬼は壁に凭れて、手も顔も脱力させて座り込んで居るが、不意を打って襲って来るかも、言わば無神経の態勢。
「ミガマ”エルナ……取って喰ったりはしない。リセイと、ヒトと喋る舌はある」
蒼鬼は、ゆっくりと顔を上げて、三人を見る。
「そのオトゴ……シんでいル”のか……」
「……えぇ」
死んでいるのは事実だ、世界線三回位変更しての飛び飛びだが、魔理沙とはついさっきその事で揉めて居たので、口紡ぎたくも答える。
「ソウか……遂にワタシもヒトを殺めてしまったんだな……すまナかった」
罪に手を染めた鬼の顔は、微笑みの中、目が涙汲んで居た。
「……知らないわよ。アンタが吠えたからか、館に閉じ込められたからか。でもそれだけで、人は死ぬなんて可笑しいでしょ」
「此奴は魔力で生きて居たんだよ」
此の鬼に同情はしない。
だが勘違いで此れからを過ごされるのも後味が悪い、また暴走されても困る。
「お前たちにとって、そのオトコは大切か……?」
突然何を問い掛けるかこの鬼は……丸で――
「友達だからね、大切よ」
「守りたいくらい大切だよ」
「そうか……」
少しばかり、この鬼が寂しそうだが、微笑んでいる様にも見えた。
「出口はそのトビラから出て行け。絶対に、壊れた方から出ルナ。屋敷の呪いに呑み込まれるぞ」
霊夢は、鬼の指す出口に目を向けたが、直ぐに鬼の顔に方向を戻し、
「アンタ、もう襲わないのよね?」
「襲うモノか……否、襲えるモノか。それがアカオニとのヤクソクだ」
二人は、お互い顔を合わせて、微笑と身体を鬼に向けて座り込む。
「何して居る……早く出て行け。そのオトコは死んでいるのだろう……なら早く弔うが良い」
「そう簡単にくたばらねぇよ、此奴は」
「えぇ。この男は只寝ているだけで、また起きそうな気がするわ。だから大丈夫よ」
何を根拠に言えたのかは二人とも解らなかったけど、そう信じていた。
「可笑しなムスメたちだ……狂気に侵されたオニと、何を語ろうとする……?」
「そりゃあ、この屋敷についてとか、アンタの過去についてとか」
「屋敷については二重で解るが、ワタシの過去なんぞ聞いても面白みが無いぞ」
魔理沙は、卑下する蒼鬼の言葉を笑みを以て否定する。
「いやぁ、案外面白そうだ。女子会ってやつ、出来そうじゃん?」
「紅鬼について、話してよ。消えた蒼鬼さん?」
蒼鬼は心底驚いた顔で、魔法使いと巫女を見詰める。
「……フッ、この化け物染みた姿に迄変貌し、何百年もの時を生きる鬼と女子会だと? 本当に可笑しな奴等だ……」
鬼が微笑むと、少しばかり、若返ったように見えた。
「何百年なんて単位は、この幻想郷じゃ普通だよ」
「平気で何百年生きている妖怪は、この幻想郷じゃあ其処等中に居るわよ」
少女たちは、鬼のした事に於いて許容も、動機についての同情も一切しない。
だが、受け入れる事にした、新たに加わる幻想郷の一住民として。
「そうか、此処は幻想郷と言うのか。奇怪な世界に飛ばされたと想ったが、妖怪が集うのか……。ワタシと同じ種族はいるか?」
内心如何でも良い質問だったが、いや寂しかったのか、正直こんがらがっている。
でも久し振りに同族に会いたいと期待を胸に宿した。
「ええ居るわ」
「四天王でな」
鬼はとても微笑んだ、とても若々しい、それこそ、少女の姿で。
「それは良い。興が乗った、語ろうじゃないか、郷の娘よ」
魔理沙は姿変わろうが構わず、御猪口を手に持つジェスチャーを手振る。
「お酒が有れば良かったのにな」
「ホントにね」
霊夢は徳利を持つ手振りをする。
「おぉ、酒か。アレも又百年振りに呑みたいものだな」
酒豪である鬼は、瓢箪を手提げる想像をし、又何時か酒が飲める機会を窺った。
「娘よ。時に『泣いたアカオニ』と言う童話は~……まぁ、ワタシをアカオニの言霊で惑わせたのだから、存じては居るか」
「幻想郷の外に住んでいた此奴が知って居たのよ」
因みに、私たちは外の世界って呼んで居るけどね、と、魔理沙の膝で永眠するヒツキの額から熱を測るかの様に霊夢は前髪を退かせた。
「そのオトコはワタシと同じ世界を生きて居た現代のヒトの子か……。ワタシはニンゲンとトモダチになりたいと言う紅鬼と同じ気持ちでは無いが、此処に辿り着いた者通し故、そして死の運命に導かれた哀れな者故、気の毒だと思う」
その言い分の詰まりは、この鬼と屋敷は何の関係も無い……?
「アンタの鳴き声には、魔力や霊力を遮る能力とか有るのかしら?」
「主らは最初申して居たな。屋敷の幽閉や咆哮なんぞで魔力が切れると。だがワタシはオニとしての力を揮うだけで、魔力等と言った西洋に似つかわしき術の根源は点で知らぬ」
「そうなのね」
然し、狂騒して居た記憶が泥酔の如く全く記憶に無いとも告げる。
黙って居れば済んだ者、これでは疑惑は拭えぬモノだ。
と疑わせたかった理由ではなく、若しかしたら自分が妖術に掛かって操られて居たのかもと言う予想らしい、紛らわしい。
「この屋敷は、元々この森に無かった。ここいら湖を領域で水を水分に、食料はキノコや、後は少々控え目な妖精と、小生意気な氷の妖精が、ワタシに取り分を分けてくれた」
あぁ、アイツか……と霊夢は水色の自称最強氷精を頭に浮かばせる。
此奴が狂って居たのって、キノコが原因なんじゃ……と、然し障る鬼に狂い咲き、即ち御気の毒、と言う事で、心に伏せて於いた。
同情……ではなく、飽く迄、気の毒と。
「そして成るべく人との接触を避けようと、森に隠れて生活して居たが、突然、光が地面から漏れ出したと想えば屋敷が現れ周囲は塀に囲まれ、ワタシはこの屋敷に、恐る恐る身を潜めた」
実の処出口が有るにも拘らず、まぁ、薄暗いのが森であり、其の儘入らざるを得ないと言う感じ、仕方ないと言うか、だが恐る恐ると鬼が物言う点、容姿が美化変貌した事も有り、同性とは言え少しばかり可愛いなとも思えたり。
「それから三日程此処に棲み付いた辺りから、気分は一変した。アカオニと別れた事を極度に想い出す様になり、悲しみとなり、怒りとなり、憎しみとなり、恨みとなり、狂気に成って、ワタシは何時の間にか自我を失って居た」
魔理沙は恐る恐る――
「あのさぁ、その原因って、キノコを食べた所為だとかは……」
白と黒の魔術師が茸について心配するのは当然だと鬼は自覚していた。
「茸については悪運が幸運、金色髪の赤い髪飾りを付けた人形師のムスメが、ワタシにキノコの調理法を教えてくれた」
ああ、アリスね。
ああ、アリスか。
互いにやっぱり気の毒程度で良かったと胸を撫で下ろしていた。
そしてヒツキは会えずに仏に成ったのだから、本当に気の毒と言うかご愁傷さまでした。
――鬼の言う事を整理すると、屋敷が魔力遮断を行って居た事になる。
おまけにこの鬼の過去を負の感情と共に蘇らせる屋敷。
幻想入りした蒼鬼の後に、眼前で人工的に建造されたとも話す。
屋敷・館として同じ系統に紅魔館が在り、居住者も存在する。
然しこの鬼が『遂に人を殺めた』と聞くには、元々人は住んで居なかった。
狂っていたや操られていたと聞く限り、信憑性は薄いのだが……狂う三日前ならば確かに人に在って居ても可笑しくは無いが、この鬼が秘匿して居るのか、本当に無人だったのか。
忘れ去られた幽霊屋敷とでも言えば簡単だが、なら何故造られたのだろう、建築家の意図が読めない。
そして建築家は何故魔力や霊力を封じる力を屋内に飾ったのだろうか。
何故鬼をも狂わしそう森の瘴気との様な暴走が、逆に働く環境にしたのか。
「何にせよ、あの発狂は罰だったのだろう……。もう何百年も経った今になって、罪を償わなければ行けなくなったのだな……」
彼女の遠く見る目は、紅鬼を眺めて居たのか……もう叶わぬと目を瞑る。
「話を最初に戻そう。あの伝記の元となったのは何百年前の日本のとある村での出来事だ。ワタシは大切なトモの為、ヒトのトモが出来る様にとジブンを犠牲にしたが、今となっては後悔ばかりだ。だけどトモのシアワセ思えば、案外ジブンを騙すのも出来たモノだ……いや。騙すジブンですら騙していた。だから見えなかったんだ。でもお陰で本心に気付けた……」
その鬼は、この中で誰よりも可憐で、誰よりも乙女だった。
「ワタシは、アカオニをアイしていた」
【完了】
そして、誰よりも初心で、誰よりも紅い、きっと紅鬼も驚愕の紅さを誇る少女たちだった。
「ワタシの話がそんなに赤面に満たす程、羞恥な語りだったか?」
「あ、いや、その……」
言葉濁らせ、巫女、歪む笑みを見せる。
「振って於いて何だけど……私たち、れ、れれ、れンあ……こういう話っ、あんましないから、慣れて居ないって言うか……」
片や魔女、何とか語るがある一ワードに、舌がたじろぐ。
蒼鬼は、この語り一に笑った。
「フッハハハハハ……良いな! 高が『愛』と言う言葉を耳にしただけで耳諸共赤くなる娘共とは、青い! おや、どっちだ? 赤いのか青いのか、ムッハハハハハハ!」
少女たち、ぐうの音も出ない。
「時に外界では二十歳の齢に到る迄は、酒は飲めないのが法と聞く。ムスメらが二十歳を超えとるか否かはさて置き、愛だの恋だのは、見た目通りの少女じゃな! クッハハハハハ!!!」
堪え切れなかったのか、何処からか巫女がお祓い棒を取り出す。
「コイツ仲良くなったら良い気になりやがって! 一度退治してやるああああ……!!!!」
「おい寄せ霊夢! 返り討ちに会うだけだって!」
魔理沙は胡坐崩れかけ状態で怒りで進行する霊夢を必死に足を止める。
「そうだとも博麗の。ぬしらがワタシに向けて石だの火だのとぶつけたらしいが、理性取り戻したとて痒みも感じぬわ! ヌッハハハハハハ………」
う段から始まる笑い声に、拳を震えさせて握る霊夢。
火力主義である彼女も内心沸騰しかけていたが、己共に何とか宥める魔理沙。
それを見やる蒼い鬼娘。
「それにな、ぬしらは何度も体験したじゃろ? ワレの身体に触れれば、此処での遣り繰りして来た物事が振り出しに戻されると……ワレも俄に覚えて居る。此れも屋敷に来ての呪いじゃ、だから早く出て行けと申したのだが……」
いきなり一人称が吾とか言い出しやがったぞこの鬼。
「出て行けと申したが、うむ、ヒトだろうとオニだろうと久方振りの語り、実に良い時を過ごした。アカオニがヒトと仲良くしようとしたのも、この様な気楽さを堪能したかったのだな。巫女のがワレと仲良くなったと申したが、悪くない」
欲を言えば、本当に酒が欲しかったモノだ。
彼女はそう呟く。
その一言に感化された訳でも無いのだが霊夢・魔理沙。
「又此処に来るわよ。酒を持って来てね」
「ありったけの、星の数、天の川の様な量でな!」
と、だが、欲を言うのは叶わぬと知って居ての呟き。
「ヌシ等は良いヤツ等じゃ。此処を出れば、記憶諸共、振り出しより前、此処に入る前に時は戻される」
電子遊戯で言う処の、保存無しの遊戯攻略完了じゃな。
「ワレも再び狂気の渦に飲まれると云う訳だ。この結末より見えた暁は、一時の夢物語。人の夢と書き儚いとは、鬼では在るが、実に趣きなモノよ」
儚い通りに寂しく虚しい一言だが、蒼鬼の表情は満足そうだった。
「ヒツキは? そのリセットで生き返らねぇか?」
淡い期待をする魔理沙、答えは当然……
「残念だが、そのヒトノコは戻っても生き還りはせぬ。死とは一度なれば二度と生には戻れぬ生物に於いて最大、そして最後の呪いじゃ」
舞台は朝焼けの昇る、だが気は夜になりそうな雰囲気だ。
「何を俯くのだムスメ等。死は最大の呪いとは申したが、絶対とは言って居らん。ヌシラの信じる気持ちが有るのなら、このニンゲンもヌシ等の言った通り何時の日かけろりと起き上がるじゃろて。聞く限りでは冥界が有るのじゃろ? 霊魂であるキャツがその冥界の番人に頭下げて現界に還してくれれば問題は解決じゃ。今は静かに見守ってやろうぞ」
オナゴたる者、夕食作ってオノコの帰りを信じて待つべからず。
「その形式聞こえるに、別に夫婦じゃないし、忘れる話よね……」
「ぬしら次第じゃ。ヌシラの不確かな信頼を芯に刻むその志の様に、一応念押しで申しておく。最初に申した通り、その男を大切にせい。ワレが出来んかった事を、ヒトであるヌシ等が成せ」
偉そうだが、鬼の居る地獄の様な道を鬼が通ったのだ、説得力はある。
「解ったわよ。解らなくなるけど」
如何したって忘れる運命だが。
「此奴は守る。こんな死体状態にして置いて『何言ってんだか』って話だけどな、死んでも約束と此奴は守る。若しかしたらお前の待って信じろっっつー事は守れないけどな」
時間が飛び、記憶が飛び、知らぬ何時の間にか青年が打っ飛んで居たのなら、其のの儘真っ直ぐ、冥界へ向かうと言うケースが強いだろう。
「それで良い。いかなる時にも傍に居てやれ。守ってやれ。救ってやれ」
「アンタも」
「?」
霊夢は何故に何を鬼にも同じ事を任せるのかと思ったが。
「何時か救ってあげるわよ。此奴が起き上がったら又この屋敷に。屋敷諸共退治してやるわ」
今迄の後悔である物事が払拭されるなんて事は無い。
過去は生を謳歌する限り、死と巡り合う迄続く。
だけど現在、今、この瞬間は如何だ?
根拠も証拠も無いけど、そう言うのだから、絶望的な脚力と、触れるモノを原型無く破壊する怪力を持つ鬼の棲む屋敷を攻略した巫女と魔法使いなのだから、彼女たちは、きっと自分のした事はどんな理由で在れ許す事は無いだろうけど、だから寧ろ後ろ向きに考えそうな事だけど、嘘偽りの最後の皮肉にも聞こえる筈なのだけれど、其処に佇み、声を掛け、話を親身に聞いてくれるのだから、信頼出来るんだろうと、心の底から、救われたかの様に、彼女たちに微笑んで居た。
その微笑を確認して去る二人は、蒼鬼のしたことに於いては許さないし、理由を聞いたからって同情はしない。
同情はしないが、気の毒に思ったり、彼の鬼が悲観する事に対してフォローを入れたのは、きっと似ていたかも知れない。
当然青肌で無ければ怪力自慢でも無く、驚異的な酒豪でも無い。
じゃあ何が似ているのかな? もう、出口を渡り切る所だ、何だったか、話が楽し過ぎて、時間は経つのが早過ぎて、木漏れ日より出でる光が眩し過ぎて――
ドアの向こうは何も無く、何も無いと言う事は歩く地面が無い。
歩く地面が無いと言う事は、顔が九十度地面と垂直に下向いて、直向いて、足が空を切って落下する手前と言うか足なのだが、出たと思われた頃には、屋敷の門前に立って居た、オズの魔法使いが全ての魔女を倒し切って、妖精の報せで歩き三歩で家に辿り着いて帰って居たかの様に……。
基、只し、然し――屋敷を探索する前に戻っていた、朝に成る前の夜中に戻っていた。
真夜中になって居た、何時だかの永遠の夜みたく時間が止まって居たかの様で、五里霧中になって居た、記憶が曖昧に成って居た。
「あれ? 私たち、何して居たんだっけ? と言うか何して居るんだっけ?」
「そうだな。こんな古屋敷の門前で……!!」
「そうだわ! 鬼退治よ! 何で忘れて居たのかしら―――」
「ヒツキ様、しっかりするのだヒツキ様!」
闇妖怪の謎の敬称を読み上げる悲鳴で、息をしない青年を見やる。
「! ヒツキ!」
魔理沙も心配で傍に寄る、突然こんな処で倒れて居るのだから。
霊夢は屋敷より早くも悟るが、然し何故? さっき迄……さっき迄? 確か此奴は此奴等と一緒に御飯事をしていた筈なのに急に倒れるなんて。
「鬼退治は後にして、今は此奴を医者ン所に連れて行くわよ!」
「! …ああ!」
霊夢はヒツキを背負い込み、魔理沙は箒に跨ってその後ろにルーミアが乗り、空を飛んで、木よりも高く上に、月の光を頼りに、南東へと、超特急で、森を突破した。
【他界】
――俺は死んだ、火を見るよりも明らかだ。
死んだ瞬間を確と、目を閉じて開けるまで一瞬の出来事、瞬きと同じ速さだろう乾燥させまいと息をする要領で目に動作を掛けて辺りを見渡せば其処は死後の世界でした。
処で、火を見るより明らかなのは解るが、先ず俺自身火葬用の火を見て居なければ見れる理由も無いし、乃至何故火なのだろうか。
グレード上げて炎でも、何なら太陽でも良いと思うよ。
火が燃えているからって言っても時と場合、炎も含め危険そうだ。
それに変わり太陽はデカいが危険性はまぁ無い。
基本僕らの傍に居るのだから……うわぁ、子供向けの歌に出てきそうなフレーズで世界中の子供たちが一緒に公園に行きませたがる……。
属性変更で地球の大半は海なのだから海でも良いし、水でも良い。
あ、いや、駄目だ、無しだ、却下だ、アウトだ。
木にしようか。
木を見るより明らか……緑少ねぇな、地球を大切にしろよ人類。
じゃあ金、金を見るよりで如何だ?
金は金でも御が付く金の金だ。
属類の金はお目に掛かるのが中々無い、金箔なんぞ偽物だと疑わしい。
そして金は何かこうリアリティ有って、且つ胡散臭い事とか此れぞ正に人間ぞ、みたいな適した諺が生まれそう、と言うか生まれる、生まれた。
だが、事人間の本心を謳った諺なんて使いたくは無いよな。
じゃあ最終的に土だな。
土とは言っても大地と言う意味の土だ、人が歩く地面と言う意味の土。
日常的で実感沸く、三歩進んで二歩下がる人生に於いて歩み続ける為の大地、俺が死んでしまったのは、土を見るより明らかだ。
然し栽培民にとっては、若しかしたら土が風化若しくは腐植してしまった時とかと同様の、詰まりは此奴ラリった事に成っちまった、繰り返して俺が死んでしまった事は土を見るより明らかだ、専門的視感から土はその通り田畑耕す栽培用の土と言う見方が有るのでは無いか?
そんな話は如何でも良い。
いやまぁ火を見るより明らかだと変更に変更を重ねて行ったのも、俺が死んで居るから視力的に火葬的に火が見えねぇけどって話がしたかっただけで、正確には魂とか生命を火に例えて、消える火を見るより明らかだ、と言う方が正しいかな、ぼっ(没)。
それにしても、曰く付きの廃墟を其れも夜中に行ったのは結構、然し魔力遮断が働いて、俺の様な魔力リソース生業フェイクヒューマン殺すマン(ション)(家繋がりだけに)(アメリカンジョーク)って、どんな肝試しだよ。
肝どころか心臓試されたわ、結果即死だわ。
即死な上に何か括弧文が寒いのと、実感無いけど霊体だから…………寒いわ(迫真)。
まぁと言った処で――俺は物語上欠席は前回位か。
いや、小話っつーか視点変更、回想編の一方その頃、何点伍話を数えれば二回か。
実質姿は出して居なければ、事お話にする予定は無かった。
物語は構成されればされる程変に頭が働くモノだ。
『まぁと言った処で』は此処に繋がり、今のは何時もの長い前置き――短かっただろういや短い、同人誌も呆れ果てる程の第三章は此れにて終わりじゃ。
次章、陽月さくらは死んだから彼奴と出会う。
次回『三途は続くよ何処までも~Reaper~』
絶対に読んでくれよな。
……とか予告っぽい事妄想して於いて、俺は兎に角、周囲一帯が灰色に包まれた空間を、嫌気も活気も出す理由で無く、溶け込む様に、一瞬の転倒感覚夜だからも含め、埋め合わすように、生物当然の本能を働かせるかの様に、一夜漬けの労働者には申し訳ないが俺は労働者では無いが死んだ身として過労死なんて現代社会に現れし変死の類に結びつかない様祈ったり願わなかったりを思考して志向せず、再び眠りに施行した。
『第参章「青年は住人と共に、謎の屋敷を探索した」――廃地異変』――完。
本章はあらゆる知識から得た言葉や作品を尊重して出来上がった回でした。
とあるフリーホラー脱出ゲーム、とある二次創作許容ゲーム(本小説作品大元)を尊敬する方々のサークル名、それらを捩って且つ、アレンジを加えて出来たモノです。
其れ等は尊敬に絶えない意思であり、大元も勿論崇拝に至る程、ヤバい奴か。
そんな想いを馳せつつ、扨て語れた処で、お開きに致します。
第四章ストックは完結に迄至る程度残ってますが、気分次第で登校する身故、此処迄読み切った勇者よ、暫し待たれよ。では、おさらば。




