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幻想の現実≠東方空界霊  作者: 幻将 彼
第弐章「青年は近所を回って、色んな住人に挨拶を試みた。」――色彩異変
20/62

第拾弐話 真紅(いろ)鮮やかに~allochroism~

スカーレットとして新たに姓を手に入れ迎えられたヒツキは、レミリアの突拍子な企画で、儀式の様なものに、付き合わされるのだった……。



【待機】


 頭にエジソンが付いたエジミaゲフンゲフン、エミリアは……あれ? レミリアだっけか? 兎に角、お嬢様、メイドを連れて。

 七色魔女をセットに設置に、テラスに置いてけぼり対象、俺。

 彼女は本を読んでいるだけでも過ごせそうだが、だから話す事は無かった。

 いや、有った。

「何でチクらなかったんだぜ? 俺の素性を」

「素性? 何か悪い素性でも?」

「有……ったと思うが?」

 悪いかと言われれば、五分五分の処。

「例えば?」

「白黒の繋がりとか?」

 敢えて霧さ……ッヘッヘーイと、伏せて置いて。

「脅威に値しないわ」

 値、て。

「でも取られてんだよね?」

 値だ。

「私じゃなくて、レミィの方よ」

 嗚呼、そっち。

「パチェでもレミィだとしても、友人の物が取られて黙った処じゃないだろ?」

 俺も反発してメイドさんと討った理由だし。

「あの子は、唯、暇だから動くのが流儀よ」

 哀しむ様子は無く、性格を説明しながら、本を熱読する。

「そりゃあ良き友人だこって……」

「えぇ、自分で蒔いた種は自分で育てるって事よ」

 小学生でも納得。

中庭の何処かに並べて植木鉢を個人で立てて育てて観察するが、有無、他人のを水与えたり日記書いたり、又は土をばら撒くイジメ騒動は……まぁ、うん、無いんだろうなぁ~……(フェードアウト)。

「取り敢えずアナタは、レミィの気紛れで考えた『暇潰し』に懸念して居なさい」

懸念させる程潰しに掛かるの? おっとまぁ~。

流石、富豪で吸血鬼のお嬢とは、事暇を潰すだけに、規模がデカいもんだぜ。

―――曰く、紅鶴で針鼠は打つデポルターレが、女王統べる何処ぞの赤い国には在るらしいが、貴族王族の位とは言え、交流深めた方が良いんじゃないかな。

遊戯の有情滑稽さから、きっと仲良くなれる。

抑々お嬢と女王だからな、態度故、何か語呂の良さ故、気の合う事に於いては恐らく青い夜を赤く染める程の

「そこまでよ」

 お、おぉっと何だ、いきなり。

「いえ失礼。この杖の色がね、桃色に光っていたものだから……」

 未だ持っていたのか、いや持って来て居たのか、このお茶会に。

「どうやら思考を色で判断出来るみたいね、太陽を魂と類似しているのかしらね、このロッドは」

「何だ。杖の対象者が桃の色に光ったってのは妄想しているっつーこって、嫌に脳内暴走する俺を止めたのか?」

「ええ、そうよ」

 まだ何か言いたそうに、目より下を本で隠して、見える目、右往左往。

「……何を考えていたの?」

「図書委員が思っている程、毛色は乱れてねーよ。愉快過ぎて兎が時計を持って走るくらいには、な。お前はお前で官能小説読み過ぎじゃねーの?」

「バッ…読んでいないわヨッ! ……コホッ、コホッ……」

 一応有るには有るんだな。


 館内から騒音が近付いて聞こえる、序に振動も見える。

「主の体調に異変感じて即参上! しがない小悪魔『こぁちゃん』です!」

 しがなくも、主人の微々たる状態異常に気付く察知は賢い、されどドタバタ走ってドアも強引に開けての演出は総合的に(かしがま)しい。

姉さん移ったか? 捨てたもんな、触れていたもんな、熱中症ならんようお大事に。

「ヒツキさーん? 余り私のご主人虐めないでください。パチュリー様又寝込んでしまうでしょ~?」

 何だこの煽り百パーの赤髪OLは?

有無、薄い本の餌食になって貰うよう後で此奴の主と相談しよう。

「寝込むというより、寝込みを襲うジャンルが性癖のような彼女の素性を暴きたくてね」

 小悪魔は下唇に人差し指を付ける。

「うー…ん、良く解りませんが、パチュリー様は寝込んで居らっしゃる時、或る日は本気でぐったり、或る日は全体を布団で包まれていらっしゃいますねぇ~。―――」

 “烏賊河椎菜さん”熱読確定の状態じゃないか……

 え、何こぁちゃん? 後者のパターンが来た際にこぁーっと上から乗り掛かりたい? 無邪気で結構、後でご主人がアブナイモノ召喚して君が襲われる破目になるからな。

 図書委員、この題材で漫画は如何?

「ウッ、ウンン!」

 おっさんみてぇな咳払いではなく確と女の子やぞ、咲夜さんの御出座しだ。

「お客様、お嬢様がお呼びです。席をお立ちになってご同行願います」

 花を咲かせた会話を摘んだや否や、何だ突然恭しく。

「聞きましたか、こぁちゃんさん。恐らくヒツキ何某の事でしょうが『お客様』と申されましてよ」

「えぇ聞きましたわ、ヒツキ様ちゃんさん」

 あ、何か負けた。

「ヒツキ様はヒツキ様であると言うのにお客様呼ばわりなんて……」

「ヒ、ツ、キ、サ、マ! 主がお呼びよ、直ちに此処から動きなさい!」

「イエス、マム」

 多分此処で働かせて貰うのだから、先輩である彼女に対して、そう返事し、席を立つ。

「それと小悪魔、あなたの激走通過した廊下が埃塗れになって居たわ。後で掃除して措きなさい」

 静かにも怒りに満ちた目。

「あ……はい」

 落着と恐怖と絶望に満ちた目。

 まぁこれには俺も、囂しいと感じただけは在るので、自業自得、左手で幸を祈った。



【儀式】



 咲夜さん改め、咲夜先輩に着いて行く。

 これから此処で働くからには、ちゃんと先輩付けをせねばな。

「で、咲夜先輩。一体俺は何処に連れ去られると云うんです?」

 一瞬身震いをしたかと思えば、足を止めて困ったかのように此方を睨み付け、再び前を向き、歩を進めた。

「人聞きの悪いことを言わないで。連れ去ったとしても連れ去られた場所でこっちが襲われそうよ」

 それこそ人聞きの悪いし、乃至襲わねーし、乃至。

「ヒツキ君には、少しばかり儀式に付き合って貰うわ。レミリアお嬢様が即興で想い付いた儀式をね」

 一瞬身震いをしたかと思えば、足を止めて咲夜先輩を真っ直ぐ見つめる。

足が止まる事に気付いた先輩は、気遣ったのか空気を読んだのか足を止める。

――そんな大層なモノではない、不安を和らげるかのように咲夜先輩は語る。

 いや儀式の話ではなく、急に『くん』付けされたので、体制が無かった、それだけだ。

 それに不安を和らげる必要性も無い、無情だからな、久方ぶりだ、このフレーズ。

されど、して儀式、儀式と来たか……高が雇用の採用一つで「儀式」なんて涅槃引っ繰り返す言語が出るよ。

 新人歓迎会で一体どんな契約を交わされるよ。

 契約は悪魔の特権だが、彼女は吸血鬼、少女の見た目、幼女の見た目に相反して吸血鬼。

自分の血を吸わせて眷属にするとかか? 俺を自分のモノにすると言った手前、“スカーレット”の姓を与えると申した手前、成程、俺は吸血鬼になるのか。

さて、これを当人の前で言うとまた狂って笑われそうだ、いや充分に有り得るだろう儀式の規模、だがさて、成り行きに任すとしよう。


そして場は、一つのドアの前に当たる。


アレ? 確かこの場所ヒツキとかいう馬鹿がコーマとかベイベとか法螺話にも成らん噂を鵜呑みにしていた際に物色していた部屋じゃないか? とか言って見たのは扉開けて顔だけ部屋に入れて辺り見回しただけだし、今何処に居るかマッピングなんか出来てねぇし、て言うか抑々コーマって何? そんな紅い悪魔を駒と間違える何処ぞのヒツキさんなんて居ますか? 普通。

本当親の顔が見てみたいわ。

……俺に両親って居るのだろうか……シーズン2。


そんな深刻な考えを無表情で行っている最中、咲夜先輩がドアをノックする。

「お嬢様、連れて参りました」

「えぇ、お入り」

 と、今正にこの瞬間来る事が解っていて、且つ、ドア越しで話しているかの様な声で、部屋への入室を許可した。

 何だか面接でもするみたいだ、でもさっきやったよな……二次面接か? 社長に続いて又社長ってか?

 そんな幻想郷で馬鹿げた方針性、考えたくは無かったよ。

「失礼する」

 一応挨拶は必要かと、メイドさんが態々ドアを開ける務めを為してくれた処、語先後礼を以て入室を果たした。

「…………夜?」

 夕方には差し掛かりそうの境、具合だった筈な陽の明暗。

 再確認しようにも、既に扉は閉鎖されて居り……閉鎖とは言う者の。

 軟禁迄して儀式を取り繕おうと云う訳でも有るまいに。

『失礼する』の語彙力と同等、不作法では有るが、無言で扉を開けてみる。


 A☆KA☆NA☆I


 所、既にラスボスの領域……広大さ、壮大さ、暗く、そして、寄って、紅い、その部屋は、最終戦と呼ぶに相応しい。

 入る前にセーブデータを記録して居れば良かったぜ。

「あら、此処まで来て背を向けるなんて、怖気付いて居るかしら、お客様?」

 声が部屋全体に響く。

 主は、部屋の奥に設置された玉座より、遥か頭上の円形ステンドグラスから、翼を生やして待機しており、台詞を吐き捨てた途端、目紛しくも……目紛しいで済んでいるので、飛行の軌道が見えて居るとして……部屋全体を縦横無尽に飛び回り、暫くしてから玉座にゆっくりと座る。

「まぁ当然、部屋の荘厳さに圧倒されたのねぇ……フフ♪」

 8割程は仰る通り、御仁は狙い通りと言わんばかりにご機嫌そうで何よりで。

「そうだな、夜の圧で倒れそうだから寝るわ俺。子供は寝る時間だお休みぃ~…」

「おいおい急に呆け伽羅噛ますんじゃないよ……布団なんてどっから持って来たんだい?」

 俺も解らん、解らんから、トリゴマ図書委員から失敬したって事で良いんじゃない? 俺はどうやらあの白黒魔法使いの蒐集癖が写ったらしい。

「取り敢えずぶっ飛んだ演出拝観させて頂きまして、一体全体『儀式』とやらの要点・詳細は何なんです、お嬢?」

「そう急かすんじゃないよ。それにこの『儀式』、急が歩けば棒に落ちるわよ?」

 何か色々混じっています、お嬢。

「アンタがこれから私を交えて行う儀式は……」

 ドゥルルルルルルルルル……

「(ヒツキ)眷顧隷属の繁殖ぅ」

「そう、私はアンタに高潔である吸血鬼の血を与えて同族として迎えないわよ与えないわよ!」

 無言で拍手を送った。

 そして理解、吸血鬼の血は細胞・筋力・能力・生活習慣の変化を起こします、瓜。

「コホン……脱線したわね。アンタには私と『弾幕勝負』をして貰うわよ」



【主従】



 (お布団に入って仰向けで)イヤァァァァァァァァァァァァ、ノォァァァァァァァァァァァァァァァァ、ギャアアアアアアアアアアアア、ウワァァァァァァァァァァァァ。

アアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアァァァ

「小声で叫んでんじゃないよ……何だい? そんなに『弾幕ごっこ』に良い思い出が無いのかい?」

「良い思い出と言うと結果が結果、客観的には良いでしょうが個人的にワアアアアアアアアアアアアアアア……」

「OK、OK、カームダン、カムダン」

 はい、お休みなさい。

「寝るな起きなさい……ハァ。何が有ったかは知らないけど、恐らくアンタが思う様な『運命』にはならないよ、多分」

 運命の奏者が言うならそれは信頼に値する。

 今一度、俺は布団から体を出して、畳み、燃やし、消し、祈る。

 補足説明をすると、パイロキネシスで布団を燃やして、サイコキネシスで布団を浮かし、火が辺りに燃え移るのを防いで、炭になった処をテレポーテーションでどっかにやった。

「アンタ急に何でも有りな“水差し籠りのお願い精霊”になっているね」

 テレポートは塵のポイ捨てみたいで無責任っぽいだろうが、大丈夫、門番さんの隣に置いといた。


――同時刻。

「………………………スヤァ」

 守塩ならぬ守灰だ。


「ご主人様、願い事を3つ、何なりとお申しつけ下さい」

 彼女の目が嫌に光る。

「ん? 何なりと?」

「但し願い事を増やす願い事は出来ませんので」

 即座に保険を取る。

「詰まんないの」

 まんま子供みたく駄々を捏ねないの、お嬢。

 母上みたいになったな、自分。

「ああいえ失礼。知っているとも、アラビアン・ナイトの一説に登場する魔人だろう?」

 俺もそう思っていたが、実際は”千一夜物語(アラビアン・ナイト)”ではなく、”孤児説話(オルフェン・テール)”。

 まぁ過去の伝記や物語はみな名作だから、似たようなモンだろ。

「そうだな」

 それに上司の顔は立てて於いた方が良いかもな、なんて点数稼ぎ不快だわ。

 よって彼女の誤報は、頭の片隅に擱いて置くとして。

「それじゃあアニ、第一の願いは”この私と弾幕勝負”だ!」

 手を大きく広げる“レミリア・スカーレット”。こんなにも構えられて断るのも癪だわな。

「イエス、ユア・レディ」

 左手を平たく胸に右手を握って腰に、お辞儀を取る。

 これは言わば、威厳だろう、上に立つ者の。

 だが”弾幕ごっこ(これ)”を以てしてでは、下剋上も在り得るのでは?

 誰かが言っていたな、確か”マリー・サンドリズット”とか言う魔女が同じ遊びを行った際に、語っていた。



――――――。



「元々、弾幕ごっこは『決闘では有るけど殺し合いではない遊び』なんだよ。人間は妖怪や神様には、身体的に、能力的に、一般的に、劣っている、劣り過ぎている。だが『劣る』を脅かせば、最終的に妖怪は力を失い、神様は信仰を失う。だから、誰でも平等に『勝てる』様にしたのが“弾幕ごっこ”だ。美しさ、精神、思念を全て、スペルカードに込めて、己の為に決闘をする。美しさ、なんてかったるい前書きは有るけど、私は断然”火力”だな、弾幕は」



―――――――。



 ってな感じだったかな……最後のは「いやいや聞いてない」って話。

「じゃあ、先手を決めさせてもらうわよ」

 お嬢が『カード宣言』を発動する。

 紅府「スカーレットシュート」。

 当事者の口述からは、らしいです。

 巨大な弾幕を先頭に、無数の紅い小弾幕が、言葉通り弾き出されるは正にシュートの勢。

 何であれ弾幕ごっこの開幕だ。

 俺は取り敢えず避ける。

 バックステップを踏むかの様に弾幕にギリ当たらないポジへと壱、弐歩。

 扨て、我が主を退屈させぬ様にと、俺も攻撃手段を準備しよう。

 ラヴ・アウト、書きは「消すもの」。

 それの汎用性を無限に至るまで増幅し、増産し、然し根元である“消去能力”は打ち消して擱くとしよう。

 よってコレは、この左右隣に浮くオプションは、唯の発砲ゴム弾っつーこって、普通の消しゴムの5倍にも至る物質量なのだから、まぁ先ず痛いだろう、うん。

 じゃあ、反撃開始だ。

 スペルカードの発動中は、結界みたいなのが張っていて、それを壊せば攻略完了で、スペルカード頂けちゃうとか何とか。

 まぁ俺余り深く考えると頭痛が痛いから、単純思考で物事考えるけどなっ。

 左手を振り払い、同時にゴム弾を放つ。

 左手は勿論、速力とかのバフ作用。


―――。


 嘘だ、然し目の当たりにした事は真。

 ゴム弾一発、レミお嬢のスペカ結界にぶつければ、硝子の様に砕き割れた、と同時に辺りの弾幕がさらに粒子状態にまで蒸発し、俺の基に集まった。

 お嬢が可視不可視だったかは別として、ワンショットでスペル披露を攻略するなら、この幻想郷の遊びは簡単過ぎる。

 “達磨さんが転んだ”や”かごめかごめ”の方が未だ難しい。

 寄って、此方の不手際を考察対象に、消しゴムの効果を思い出す。

 ―――若しや消しゴムの根元『消す能力』は消えていない?

 抑々、俺の持つ文房具は付喪神類と、売れなかった作家たちの怨恨、改造で物の原型消したとしても『消したい』怨念は消えないか……。

 難しいな、人の心は。

だから消したんだけどな、俺は、お前は。

「すごい力ね、アニ。一発当てただけで私のスペルカードを撃破するかい?」

 俺は右手で消しゴムの塊を撫でる。

「済まないお嬢、弾幕ごっこは生涯で2回目の独学で、今一加減が解らなんだ」

「いや、良いさね。そう言う奇想天外な展開が一番興が乗る。私も此処からは、打っ飛んだ弾幕ごっこを噛まして行くよ!」

 あの速さが此処に来るか? 噛ますなら、俺は構える。

 顎に手を付けて、天高く馬肥える秋……いや今季は、なんて考えている暇も余裕は有るけど、何考えているんだ俺、彼女の余裕綽々高飛車の姿、その場の残像を見せ―――


何かが後ろから俺の脇腹に突き刺さる。


 突き刺さる? 俺が?

 カミの加護を以てしても防げない鋭利な武器とは……


 形状は槍、色相は紅、吸血鬼の幼女に此れは半側空間無視、じゃなく反則の器。

「神槍「スピア・ザ・グングニル」さ」

 そりゃあ強いわ、“揺れ動くもの(グングニール)”、意味や伝承が如何であれ、言葉と認識は乗算して立証する。

 質が神、念は人ならば、スペルカードと言うお絵描きでさえ、別の点では接点に至り、原点に近付く。

 詰まりは異郷に現れた一人の異世界人。

 魔が有れ、霊が有れ、だからこそ根は同じだと思っていたが、この攻撃を受けて、受けれて理解した。

 寧ろ日本文明に幻の枠として築き上げて行ったのだから、気付かない方がおかしいというか、然し似つる処有り過ぎて比べ付かないというか。

 其処まで解を求めれて満足であり、ネタバレ注意タグだろうが。


 単純な話は、カミ様の護符が付いた代物を突破するには、神様の槍で突くしかないと言った処さ。

 守髪神は神獣候補の獣たちの罰。

 神の域には至らず、寄って、傑作の神槍-メイク・グングニル-だろうと、贋作の神槍-フェイク・グングニル-だろうと、効果は神槍そのもの。

 と言った処だ。

 何故世界観の違いにまで、かく示出来たのだろうか。

 まぁいいや。

 『どうでも』なんて心理が籠った発言、『まぁ』を据えて。

 高級レストランの料理名には今一だな。


 あ、想えば俺は魔女とこれに似つる遊びで戯れた際、守りとか関係なしに触れたらダメージを負ったわな、ハハハ、またマチガえたか……。

 まぁ、俺はマチガエだらけだよ、思考も、存在も。


【決闘】


「咲夜から聞くに投擲は効かなかったと有ったけど」

 お嬢の神槍ご紹介から情報の不手際疑惑までの台詞間僅か0.54。

 本当に自分とは頭脳から人間味が無い。

 まぁ、昨日と今日に始まった事じゃないな。

 上半身の力量を無くし、狂気に満ちたキャラクターの不気味な立ち振る舞いでゆらゆらと揺らめき、一気に気合を腕に込め、拳に込め、クラッキング姿勢を取る。

 括弧鳴らさない。

「弾幕は投擲じゃあないからな。すっげぇ効いたぜ、服を破く程には、な」

 ヒツキの服が揺らぎ、髪が舞う。

 あ、ヒツキは俺だ、っと。

 ちょっと一瞬、モノ語りがマジに本格化された瞬間だったな、アブナイアブナイ。

「だがもう効かない。向かう弾幕全て振り払って、お嬢の傍に迄辿り着き、この手この指で一発、デコピンを決めてやる」

 ヘヴィメタロッカーみたく、コルナの指を顔の横に構える。

 後ろから見ると、こんな感じ(影絵の狐)

「生意気な餓鬼だね。鬼は吸血鬼(わたし)だけで十分さ!」

 次に繰り出すスペルカードは、天罰「スターオブダビデ」。

 お嬢の元へと何か気が溜まる様な、なんて油断をすれば、忽ち辺り一面に巨大な弾幕と。

「だけど若し、アンタのその宣言、見事達成出来たら私の負けにしようじゃないか。これだけの弾幕の嵐、高々デコピン一発撃たれようじゃ、吸血鬼も名折れるってもんさね。だがアンタが膝を付いた時、アンタは負けを認めなさい」

巨大な弾幕から光線が放たれ、更には巨大な弾幕より中くらいの弾幕が、ひ、ふ、み、よ、いつ、撒き散らされる。

 有無、近付かなければ如何と言う事は無い、だが俺は近付く。

 お嬢にデコピンをホームラン宣言したんだからな。

 歩く。

「断る……あいや失敬お嬢。然しだ、俺が膝を付くなんて事は、前進した時点で既にない」

「ホントに生意気だね。ほら、目の前に弾幕が来るよ!」

 ご親切にどうも。

 俺は両手を出して―――


 光線弾幕を、発車仕立ての路面電車にでも乗るかの様に、掴んで飛び乗り、弾幕の上を移動した。

「嘘でしょ……」

 文字通り手慣れた動作を光景に、流石のお嬢も声を零した。

「嘘は無い、俺はあらゆる力を増減する力を持っているからな。人間の限界値を凌駕した腕力に脚力、又は、『質量』だって変幻自在だ」

 そして今回は、自身の硬度を、弾幕と同等にしたってだけの至って簡単な力学変換。

 ホント俺TUEEE。

「寂しいこと言うなよな、お嬢。幻想(うそ)が真の幻想郷だろうに」

 だがきっとそれでも嘘だと言葉に迄出して想いたくなるのは、前例が無かったって処遇だろう、その前例を引き出してしまった俺TUEEE。

「んじゃとっとと、決着(ケリ)を付けるか」

タイトル考案表が有るのですが、前回と言い、割と違う様に出来ている。

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