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出会い頭

 


 職員室を出たところで、”ちょろ崎さん”と、ばったり出くわした。


 いや、”高崎さん”と言うべきであった。失敬。



 俺がペコリと首だけの簡易なお辞儀をしてみる。

 すると、高崎さんはそれに対して腰を折り、綺麗で丁寧なお辞儀を返してくれた。


 これだけで、彼女が大変育ちがいいことが伺える。



 出会い頭だったので、思わず ”ペコリ” としてしまった。

 しかし、お互いが顔見知りでも無いのに、変だったのでは? と後悔。



 因みに、日本人に多い【とりあえず出会った人にペコリと頭を下げる】という行為だが、外国では失礼に当たることが多い。外国に行った際は注意するとよいだろう。



 彼女は少し俺の顔を見つめた後、何かに気付いた素振りを見せた。




「もしかして、さっき教室の前で、屋島くんと話してた人ですか?」




 正しくその通りである。


 顔の印象が薄いことで有名な俺なのだ。

 そんな俺を、あの一瞬の出会いから10分近くも脳内に記憶してくれているとは。

 感謝の意を示したい。




 ―ああ、そうだよ。覚えてていただけてるとは光栄だ




「もしかして、”谷やん さん”ですか?」




 ―ん……そうだな。屋島からはそう呼ばれているが




「あ、やっぱりそうなんですね。偶に屋島くんが ”谷やんさん”のお話をしてくれるので、そのイメージにピッタリだなって思ったんです」




 ……何だか嫌な予感がする。


 どうせ屋島のことだから、素直に俺の情報を彼女に伝えているとは思えない。



 南極でペンギンを5匹飼っているとかうそぶく男である。

 変に伝わってしまっているなら、是非とも訂正しておきたい。




 ―そうでしたか……因みに屋島からは俺のことを何て聞いてます?”




「えーっと、 ”谷やんは俺を守ってくれるSPの1人なんだ。ホントは20歳を越えてるオジサンなんだけど、この学校に潜入して、任務に当たってくれている”って言ってました」




 想像以上の話だった。


 丸っきりの嘘である。


 どのくらい嘘かと言うと、【このメールが届いた人だけに、現金1000万円をお譲りいたします】とかいう、巷に蔓延する詐欺メールの内容くらい嘘である。



 絶対にリンクをクリックしてはいけない。



 俺は友人としっかりと、また、じっくりと話し合う必要があるな、と思った。




「やっぱり屋島くんはお父さんが総理大臣ということもあって、命を狙われる危険があるんですね……SPのお仕事というのは結構大変なものなのですか?」



 高崎さんは心配そうに俺を見ている。




(ここは、しっかりと訂正させてもらうとしよう)




 俺は、コホンと咳払いを一つした。























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