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貴族なんて知らん 俺は俺のやりたいようにやる  作者: たまごかけごはん
一章 幼少期
2/3

01,転生

正真正銘、文字通りの初作品です!

誤字等あるかも知れませんが、よろしくお願いします!

  目を開けるとそこは知らない天井だった。

 上手く体が動かないし、思考が纏まらない。


  そんなことを考えていると―――


「メルナよく頑張ったな!」


「はい、あなた――元気な子が産まれましたよ」


  そうして泣いて喜んでいる女性をわしは下から眺めていた。

  いや、わしという一人称は駄目か。

 この年なのだから僕とか俺にしていこう。


「それにしてもメルナ、この子は泣かないな」


「そうですね、本当に泣かないですね」


  俺の両親だと思われる2人は、大勢の使用人のような人達に囲まれる中、心配そうにしていた。


  そんな風に心配されても、中身は年の行き過ぎた爺である。

  いくら赤子だとはいえ、わざと泣くような真似は恥ずかしいと思ってしまう。


  流石に心配されているのを無視は出来ない。


「んあ〜んんあ〜んあぁ」


  泣くのは流石に恥ずかしいが、喋ろうとして赤子の言葉になるのは許容できた。


「あ、カイル、話しましたよ!」


「あぁ、取り敢えずは大丈夫だな」


  二人とも緊張の糸が切れたように息を吐いた。


「カイル、この子の名前は決まりましたか?」


  あぁ、そういえば俺の今世の名前は何になるのだろうか。

  いや、申し訳ないがここは操らせてもらおう。

 本来魔法には詠唱が必要だが、俺は長ったらしいのが嫌いだから破棄をする練習をした。

  詠唱破棄が完成したことでその魔法の名前すら言う必要が無くなったが、前世は気分で口にしていた。その方が魔法を使ったという気分が味わえたからだ。

  敢えて使っていたのだから、魔法名を口にしなくても本当は使えるという事だ。

  だからこの状況でも俺は魔法が使える。


「操作魔法 思考操作」


 と、心の中で念じて父、カイルに魔法をかけた。

  かけた内容は俺の名前をレイスにするというもの。


「そうだな、レイスにしよう」


「レイス、いい名前です」


「あぁ、レイス・アルディオール、次期公爵家当主だ」



  どうやら俺の家の名前はアルディオールらしい。

  両親の雰囲気や天井の高さから、貴族っぽいとは思っていたが、まさか公爵家とは。

  公爵家のアルディオール、次期当主のレイス。

  前世は平民の出で、幸いに能力には恵まれ、努力し、そこからのし上がって権力を手にはしたが。

  まさか、公爵家とは。

 正直驚きが隠せず、まだ自在に動かせない表情筋が少しぴくついた。

 


「お、レイスが笑ったぞ!泣きはしないが、よか

  った、しっかりとした子だ」


「カイル、私たちの子は可愛いですね」


「あぁ、この子の為にもこの領地を繁栄させねば

  な」


  私は前世で正直、両親の愛を知らない。

 故に誰かに甘えるということも、友という存在も知らなかった。

 だが、この両親を見て思う。

  あぁ、こういうことなのか。

 愛というのはこんなにも温かいのか。

  生まれて5分くらいにして、前世でのどんな喜びよりも、どんな快楽よりも心が満たされた。


  父と母を見て、愛というものを知り、心からの喜びを学んだレイスは、人として大きく成長したのであった。

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