手紙
拝啓 この手紙を読んでいるあなたへ。
今、何をしていますか。
毎日笑って過ごしているでしょうか。
あなたは昔から泣き虫だから、少し心配です。
初めてあった時も、あなたは泣いていましたね。
あの頃のあなたは私よりも背が小さくて、可愛らしかった。
そんなあなたを見上げるようになったのはずいぶん前。
あなたの勝ち誇ったような笑顔は、いつまでたっても忘れられません。
今ふと外を見ると、窓から見える木の枝に小さな鳥が止まっていました。
鳥は自由に空を飛べていいねと言うと、あなたはいつも不思議そうな顔をしていました。
だって、あなたも大概自由な人だものね。
今はバスケに夢中ですが、まだ続けていますか?
それとも、違う何かを見つけているのでしょうか。
あなたは飽き性だからほとんど続かないだろうけど、ハマれば一生続ける人だから、何か自分の生きがいを見つけていることだろうと思います。
今のあなたが何に夢中なのか、私が知ることはできないのがちょっと悔しいな。
それと、いい人には出会えましたか?
あなたのことだから、ずいぶんと落ち込んで周りにいっぱい迷惑もかけたでしょう。
いい人と言うのは、意外と近くにいるものですよ。
もし気づいていないのなら少し周りをみてください。
いつもあなたのことを支えてくれた人がいるはずです。
気づいていたならおめでとう。
私は心から祝福します。
…ごめんなさい、嘘をつきました。
やっぱり、心から祝福はできません。
この世であなたのことを1番愛しているのは私だと言う自信があるから。
本当はあなたにもそうであって欲しい。
けれど、それは私のわがままだと分かっています。
だからせめて、どうか私の笑顔を忘れないでください。
心の隅でいいから、私がこの世界に存在していたことを覚えていてください。
私はいつでもあなたの幸せを誰よりも願っています。