表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

聞き逃すなよ

作者: 守川圭一郎

人を避け一人で行動してばかりの同級生はボロボロになりながら伊藤華を守っていたが、自身の限界を悟りせめて華自身で身を守れるよう、オーラについて指南している場面。


「いいか?よく聞け。少し難しい話になる。聞き逃すなよ。」

「わかった。」

「まず、この世にあるものは全て電気だと思え。」

「電気?」

「そうだ。お前もこの石もそこの家もこのアスファルトも全部電気だ。私たちがこの石に触れられるのはお互いに反発しあうからだ。とても複雑にな。」

「お前、陽子と電子を知っているか?あの球の周りを小さな球が回っている図だ。知らないか?理科の授業で習うやつだ」

「知ってる。陽子と電子でしょ」

「そうか。物体ってのはそれがいくつも折り重なってプラスとマイナスが0になるようにできてるんだ。だから電気的に中性なもの同士が触れ合おうとすると必ず反発するところが現れる。だから物をつかむことが出来るんだ。みんな力を加えて物に触れられたと思っているが本当はこの電子と陽子が反発したり引き寄せあったりする電磁気力が作用してるに過ぎないんだ」

「ちょっと待って。…。えっと、この世のものが全部電気で触れられるのは電磁気力のおかげってこと?」

「そうだ。あともうひとつ、目で見られるのは光だけだ。しかもごく一部の幅の限定的な範囲だけだ」

「光が粒子と波動の性質を併せ持つことは知っているか。」

「粒子と波動?ごめん知らない」

「そうか。知らないか。光は光子と呼ばれる光の粒であるのと同時に海で見られるような波の性質を併せ持つんだ。」

同級生は空中に指で丸を書き、そのまま続けてうねうねとした波を描く。その動きは華にオタマジャクシを連想させた。

「この波の幅が人が感知できる幅だと色としてみることが出来る。」

「へぇそうなんだ」

「もちろん、赤から紫の外側の波の大きさも存在するが認識することはできない。」

「あの紫外線や赤外線とかいうやつだ」

「いいか、つまりお前が見ている世界は光のほんの少しの挙動で、触れているものはただの電気に過ぎないってことだ。」


その後、伊藤華はオーラが光子に干渉するイメージを理解し、オーラを操ることで何とかピンチを脱出した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ