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救世ベビー  作者: とうさん
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5話 [女神の加護を受けし子]

俺、これからどうなっちゃうんだろ・・・。


ディガライさんに ゛ステータス恵贈地 ゛ まで連行されたんだが・・・とにかく不気味! なんだよここ! なんで骸骨とかゴロゴロ落ちているんだ! しかもよく見たらちょっと動いてるんですけど!


古代文字がそこかしこに彫られているうえに、赤黒い何かが壁にこびり付いているわ、ヒカリゴケと蜘蛛の巣だらけだわでいかにも出そうな場所だ。


何が出そうなのかって? お化けだよ!


俺のお化け嫌いは祖母に太鼓判を押された程のものだ。


5歳の頃怖いと有名なお化け屋敷で迷子になった挙句、泣きわめいているところをお化け役のお兄さんが出口まで案内してくれた黒歴史があったり、修学旅行のイベントで肝試しをすると聞いて寝込んだりと・・・思い出したら切りが無い。


閑話休題。とりあえず俺はここから一刻も早く帰りたい! 帰る場所? ああ、なかったな! 畜生!!



『なにを怯えている。己がいるのだ。貴様は何も恐れる必要はないだろう?』



自信満々に俺をあやしてくるこの獣、もしかして貴方がパパか!? ・・・やめておこう、自分で言ってなんだが鳥肌が立った。


馬鹿なことを考えている内に、ディガライさんは祭壇っぽい場所に俺を下ろした。石造りとは思えない柔らかい感覚に驚く。しかもなんだか暖かいぞ!



これから何をするんだ?


「これからないをするんら?」



『ふむ。なに、すぐ終わる。』



いや、それ答えになってないって!


────キィイイイイッ


急に不協和音が鳴り響くと同時に、俺は暗闇に囚われた。


またディガライさんが何かしたんだろう。もう驚かないぞ。



「あら、久しぶりのお客様ね。」



声のした方を向くと、そこには半透明のお姉さんがいた。ブロンドの髪をたなびかせているその女性は、まるで女神のようだった。



「こんにちは。1万4千113回目のお客様。私は慈悲の女神メルフォンヌよ。」



本物の女神様だった! おっと、こちらもちゃんと自己紹介をしないとな。



こちらこそこんにちは。俺の名前はユアドです。


「こちらこそこんいちは。おえのなまえはユアドです。」



返事をすると、女神様は目を見開いた。そんなに目を開いているとカピカピになっちゃいますよ。



「ふ、ふふ。女神に自己紹介とは・・・面白いのは魂だけじゃないようね。」



「おもしろい??」



「ふふふ。気にしないで。さて、貴方はこれに耐えられるかしらね? 今までの子は全員耐えきれなかったけれど・・・」



女神様がブツブツと何かを呟いた瞬間、彼女の腕が光の粒子となった。そしてその一部が俺の胸辺りに吸い込まれていった。


一瞬全身をぶん殴られた衝撃に襲われたが、なんとか耐えた。おいこれ下手したら死ぬって!



「まあ! やっぱり受け入れきれた! ふ、ふふ。女神の加護があらんことを─────」



女神様は慈悲深く微笑み、消えた。展開が早すぎて何が何だか理解できていないうちに、だんだんと視界がクリアになっていく。



『起きたようだな。それより、どうやら成功のようだ。っハッハ。やはり己の目に狂いはなかったな。』



いや、何この獣。人こどだと思って!



『ステータス確認をしてみるがいい。』



「すてーたすかくにん?」



オウム返しをしただけなのに、ポウンと気の抜けた音が聞こえ、目の前に文字が浮かび上がる。





ユアド (女神の加護)


性別:♂

年齢:不明 (女神の加護)

種族:不明 (女神の加護)

属性:不明 (女神の加護)


HP:105 / 500

MP:305 / 1500


Rスキル:分解、蓄積


Sスキル:なし


Aスキル:なし


Bスキル:なし


Cスキル:身体強化、身体硬化、鑑定(微)





俺、女神様に呪われてないか? なんで年齢、種族、属性が不明なんだよ! (女神の加護) って何だよ!?



『ふむ。貴様かなり女神に気に入られたな。』



ディガライさんもステータスが見れるんだ! 凄っ!


「ディガライさんもすてーたすがみえるんあ! すごっ!」



『・・・む。幻魔だからな。』



ちょっと照れているなこりゃ。褒められ弱いのか。ふむふむ、いいこと知ったぞ。



『そんなことより、貴様のRスキル ゛ 分解 ゛ ゛ 蓄積 ゛ が気になるな。・・・まあ、そのことは今はいい。とりあえず己の家に案内するのが先だ。』



え、ディガライさんの家って一体・・・洞窟か? 檻の中か? もしかして崖の下とか?


俺が質問するより先に、ひょいっと俺を背中に乗せて走り出した。


家に向かう途中、色々と話しかけたが全部スルーされたので鬣の数を数えることにした。


1957本数えた時、魔物の呻き声が後ろから聞こえてきた。



「ヴァ・・・ウグォッ」



カタツムリの殻を後ろにつけた二足歩行のグミっぽい奴が、奇妙な鳴き声で追いかけてくる。つぶらな瞳がチャーミングだ。



「ヴォッ!?」



あ、転んだ。



「ヴァッヴァッ!!」



おう、起き上がった。泣きべそかきながら迫ってくる姿がなんとも言えない気分にさせる。



・・・なんだあいつ


「・・・なんああいつ」



『む? ああ、あいつか。あいつは魔物に近い険魔だな。何故かいつも己を追ってくる。無視が一番いいだろう。』



とは言われたものの、気になるので観察兼応援していたが、5分ほどでまた転んだ。今度は起き上がらず、うつ伏せのまま捨てられた子犬のような目でこちらを見ていたが、スルーすることにした。


なんだか悪い事をした気分になった。


・・・俺、悪くないよな?

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