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コウコウノキミ   作者: T.N
2/7

1話 出会い

受験というものが

どういうものか知らず

遊び倒した結果

志望校にギリギリで入ることになった。


ギリギリでも入れたことで、

そこで出会った友人と今でも仲良く出来ている。


この高校は学年ごとに色分けされていて、

赤と青と緑の3色を使っている。

僕は緑の学年である。


しがらみの多い中学生を卒業して、

待ちに待った高校生。

当時の私にとって、

高校生は自由なものだと思っていた。


そんな期待も入学式で打ち砕かれた。

校則、校則、校則、

何もかもがルールのもとに成り立っている。

憧れていた屋上もなく、

生徒会も学生主体というわけでもなく、

携帯電話を携帯することですら禁止となっていた。

4月の8日に砕かれた夢を拾いつつ僕の高校生活が始まる。


そんなスタートを切った高校生活だが、

4月の1ヶ月は特に地獄だった。

人見知りの僕はクラスに馴染めなかった。

自己紹介でも緊張して、言いたいことの半分も言えず、

目が悪かったせいで目を細める癖がついていた。


後日、友人に聞いたらかなり怖い存在になっていたらしい。


休み時間は2つ隣のクラスに行き、

中学の友人と話していた。


この事が余計に僕を馴染めなくさせていた。


面白い授業など1つもなく、

僕は授業中に思わず机に伏してしまった。

先生は大きな声で僕を起こた。

笑いなど起きず。

クラスの空気は雪が降る程凍ってしまった。

反対に僕の体は恥ずかしさで真夏日となった。

僕は学校を辞めたいとまで思っていた。

しかし、入学して1週間程で

1人だけ友達が出来た。


「シゲ」という男だ。

シゲも僕と同じで友達を作るのが遅い奴だった。

シゲが居たから学校も辞めず、

そしてクラスに馴染めた。


五月の連休-ゴールデンウィーク-の1日目に

僕のクラスで懇親会をしようと

学級委員長が提案したらしい。


「らしい」というのは、

僕に直接話が来たからではなかったからだ。

僕はシゲからその話を聞いた。

シゲは同じ中学だった奴から来たらしい。


直接誘われた訳ではないが、

僕とシゲは意を決し、

クラス会へ向かうのであった。


意外にもクラスの皆は歓迎してくれた。

シゲと同じ中学の「コージ」が根回ししてくれていた。


自分で言うのも恥ずかしいが、

シゲも僕も話すとユニークな人間であること。

シゲに関しては顔も割りと整っていること。

だからこそ僕達二人に皆は興味を持ってくれていたのだ。

4月の終わりに何とかクラスに馴染みはじめた。


家族での用事もあったため、

僕は早めに帰ることにした。


嬉しさで小躍りしたい気持ちを抑えながら歩いていた。


周りが少しだけキラキラしている。


クラスの子と話しながら駅まで歩いていると、

女の子の1人「ごっちん」が声をかけられていた。

ごっちんの身長が160センチ位で

それより少し小さめでマスクをしている女の子。

その子をジッと見ていたら目が合ってしまい、

思わず僕は目を逸らした。

ドキっとしたということもあるが、

目つきが悪いと言われたばっかりだったということから僕は逸らしたのだ。

4月終わりのマスクということは

風邪か花粉症だろうなんて思いながら、

ごっちんを置いて、

他の皆とともに僕は駅まで歩いて行くことにした。


思い返した今、

初恋の始まりはここだったのかもしれない。


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