3話 何を言ってるかわからねえと思うが
あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!親友2人と一緒に帰っていたはずが気がついたら見知らぬ2人と一緒に!しかも見知らぬ場所にいるというダブルコンボ。何を言っているかわからねえと思うが…………っていうかマジで意味わからんのですけど!?頑張って冷静風を装ってみたけど無理やって。ととととととりあえずこういう時は素数を数えなきゃ…!って右隣の人がすでに素数を数えてらっしゃる!じゃあ、オレは一体何を数えればいいんだ?…ってちっがーう!今オレがすべきことは…………何をすればいいんでしょう?よし、まずは深呼吸しよう。
………ふぅ。ちょっとは落ち着けたかな?
………ごめんなさい、嘘です。心臓バックバックです。
「少しヨロシイデスカ?」
「は、はいぃ、たぶん大丈夫っす…?」
片言の日本語が聞こえた方を向くとそこには重そうな服を着ているおじいちゃんがいた。というよりも周りにたくさん人がいて囲まれていた。
「マダ…エーコンランしてるトオモイますが、ナマエをナノリマス。ワタシは」
「悪はどこですか!?さあ、僕達勇者が倒してあげましょう!」
片言のおじいちゃんが状況説明をしてくれそうな感じだったのに左隣の人が意味不明なことを言い出した。
「君達!いつまでもボーッとしてないで早く!」
「ちょ、ちょっと待て!どこの誰だか知らないけど、何を言ってるの…?」
「君こそ何を言ってるんだ!僕達は異世界に転移したんだよ?ならするべきことは一つ!この世界を救うのさ!」
(うわー…何こいつ…世界を救うとかうわー…つうか歯をキラッってさせるやついるんだ。しかも会話のキャッチボールが全然できない…)
オレの沈黙を肯定と捉えたのか片言じいちゃんとやりとりしている。
「えー…てかあいつのせいで余計意味わからなくなったんだけど…異世界ってなんなんだよ。はぁ…今んとこ会話成立しないやつと片言じいちゃんとしか話せてないけど、これからどうなるんです?」