2話 全ては唐突に
「なー勇気は××さんに告白しないの?」
「ちょ、テスト勉強中に勇也君は何を言い出すの!?」
「放課後に男2人で勉強とかつまらないから雑談でもと思って」
「それにしても話題のチョイスがおかしいよ!」
教室でテスト勉強をしていると集中力が切れたのだろう、勇也が雑談(?)を吹っかけてきた。ちなみに勇太は勉強しなくても良い点を取れるタイプなので勉強せずに寝ている。
「まあまあ、いいから告白はいつすんの?」
「んー オレはヘタレチキンだからなー告白しないかもー」
「自分の名前に反してるじゃねえか」
「うっさい。勉強の続きするぞ」
本当は告白しようと思っていた。でも××さんに恋愛相談され、好きな人を知ってしまった。流石に玉砕確定で告白する覚悟はないです。
その後も雑談をしつつテスト勉強をした。
今日もいつもと変わらない日のはずだったんだ。
この瞬間までは。
「結局テスト勉強できなかったじゃん」
「話振る度に反応するおまえの自業自得だろ」
「反応しなかったらますますうるさくなるくせに…」
「ふわぁあ…ちゃんと勉強しなよー」
勇也に文句を言っていると勇太が欠伸混じりにそんなことを言う。
「「おまえには言われたくねえ」」
2人でそうツッコミを入れつついつものように帰っていた。
「なあ、そういえば明日の数学ってさー」
と何気なく横を見るとは知らない誰かが立っていた。
「…は?勇太、勇也どこに行っ…!?」
勇太の方を見るとそこにも知らない誰かが立っていた。
(いや、そもそもここどこだよ!?帰り道ですらない!?)
勇也と勇太がいなくなっただけではなく、オレは見知らぬ場所にいた。