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NO FILE   作者: ほくろ
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はじめまして。

私個人、あまり文章力がないもので、非常に読みづらいものになると思いますが、ぜひ、読んでいただけると幸いです

“名前”

それは人間が目にするもの全てにおいて付けられた呼称である。

あって当たり前、なくてはならないものだ。

名前という名前は誰がつけたのかという話になれば最初に「な」と音を発した人が最も偉大といえるのだろうか。

僕たちは“名前”という言葉に囲まれ、依存し、そしてお互いに存在を確認しあっているのだ。

しかし、そんな当たり前なものはいつ崩れてもおかしくない事で、誰の記憶からも消去されてしまう可能性はいつだってある。だからこそ、今一度、自分のそれに込められた意味を考え直してみてほしい。

言葉の意味を理解することで、授かったものに誇りを持ち、しっかりと大切にすることが出来るようになるだろう。誰かに名前呼ばれるというのはとてつもなく素晴らしいことなのである。


◇◇◇◇


やあ、こんにちは。

キミは運良く。いや、運悪く、見事当選したんだよ。

まぁ、当選おめでとう。


何が起きているかわからないって顔をしているね。大丈夫さ、取って喰いやしないよ。


──いや、場合によっては喰うとも言うのかな?

おっと、そんな目で見ないでおくれ。ワタシは繊細なんだ。 半導体の塊みたいにね。

あ、また顔が変わったね。

やっぱりヒトっていうのはほかの動物と違ってたくさんの表情を見せてくれるからね。面白いよ。


表情といえば、馬ってたまに笑うだろ。あれ、実はフレーメン反応っていって臭いにおいをたくさん取り込むための生理現象らしいね。まったく物好きだよ。キミもそう思わないかい?


…………ふむ……ふむ……やれやれ、質問の多い子だ。

……仕方がないから1つだけ答えてあげようじゃないか。

さてどれにしようかな。


──じゃあ、この場所についてだけだ。


何と言っていいか……まぁ、言うならばキミの土地ってところかな。私有地であり、キミがキミであるために必要なものだ。

わけがわからないって?ワタシは答えるとはいったけど、キミが理解できるかどうかまでは知らないよ。


ふふ、まぁそこまで意地悪はしないであげようかな。

ここは、キミの中、“影の中”だよ。


ほらね?私有地だろう?

んー?

まだわからないって言うのかい?

まぁ、確かに影の中なんてキミ達からしたら馴染みの深いような言葉ではないだろうからね。

そうは言っても影の中は影の中なんだからほかに説明のしようがないかな。ここからは自分で考えてくれるかい。


……だいぶ落ち着いたみたいだね。

さて、本題に入ろうか。


キミは今、人生が楽しいかい?自分の事を気に入っているかい?そして、価値はあると思うかい?


……うん、NOと返答してもらうのが正しいよ。だからワタシはキミを当選させた────

────もとい選出したんだからね。


じゃあキミは生きている必要があるのか?

それじゃあ生きながらにして死んでいるのと同じなんじゃないかい?

なんだったら今ここでワタシが殺してあげるよ。


……苦しいかい?


そうか、じゃあ放してあげよう。

呼吸をそんなにたくさんするっていうことは生きる意志はあるっていうことなんだね。

悪かったよ、今のは冗談みたいなものだ。ここでキミが死んでしまったら意味がないからね。

そんなキミにワタシからちょっとした人生の“生きがい”をプレゼントだ。

いやぁ良かったねぇ。とても良かった。

そして、ちょっとコイツをみてくれるかい?

ワタシの隣にいるコイツさ。

キミにそっくりだろう?いや、そっくりというかそのものなんだけどね。

コイツには君の存在が意味を成さなくなると同時に君の魂を“喰って”もらうように設定してあるんだ。


……つまり、コイツがキミの代わりになるって事さ。

これをを受け取ってからならまぁ……持って一年半ってところだね。

それくらいの時間、ワタシからしたらカップラーメンを待つ時間とそう変わるもんじゃないんだけど、キミからしたらどうだろうね。長いのかな?短いのかな?


余談だけど、ニュースのインタビューとかでよく「こんなことをする人じゃなかった」だとか「人が変わったようだ」だとか言うけど、そういうのは実はワタシが魂を喰わせたコイツ達なんだ。そもそも人間なんて善人の方が多いんだから。

キミ達が何を基準に“善”としているかは知らないけどね。


青ざめてるね。今日一番いい顔だよ。

これも世界の均衡を保つためなんだ。分かってくれよ。世界と言ってもワタシが管理しているのはここと、いくつかの県だけなんだけどね。

プレゼントを破棄だって?そんなこと出来るわけないだろう。私が許さないぞ。

でも……ワタシは“生きがい”と言ったからね。うまく活用することができればそれは本当のプレゼントになるだろうね。


勿論、ワタシがプレゼントをした人が全員喰われるって訳じゃないんだよ。

そういう人はどうにかしてこれを本物に変えることができた人……だね。

まぁ、ワタシだってさすがに無闇やたらと人格を入れ替えるわけにはいかないからね。

この作業だって結構大変なんだよ?

キミがどんな価値観を持ってるかは知らないけど、これはありがたく受け取ってくれ。

せいぜい必死に生きることだね。


説明はこれで終わりだ。

貴重な時間を割いてもらってありがとう。

それじゃあ──────


「──健闘を祈るよ」



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