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世の受験生に捧ぐ SS

作者: 戸荻 春樹

 カリカリと紙に文字を書く音。トントンと消しゴムを使う音。

そして、耳に残るペーパーノイズ……。

「ふぅー……」

 ボクは、肺に溜まった緊張感で腐敗した空気を薄く吐き出した。

ここは、とある高校の受験会場…… 

それまで、全速力で走らせていた鉛筆の走りをとめる。いつもは、シャープペン派なので必要以上に肩が凝って仕方がない。

ふと気になって試験問題に落としていた目を、前の黒板の上辺りにある壁時計に跳ね上げる。

「…… あと、15分か」

と口の中で、言葉を転がしながら解いてしまった試験問題にまた目を向けようとした。

 しかし、そのときに教室の黒板側の入り口にほど近い席。そこに座っている知り合いの後ろ姿に、目がいった。

なぜなら、その席に座っている女子中学生…… 首が無いのだ。

ホラーとかではなくただ単に…… 寝ているだけなのだが……。

「あの、ばか……」

そうつぶやいてボクは、毟った消しゴムのカスを試験官に気付かれないように飛ばす。

2、3回で反応があり、ポニーテールの頭を乱暴にガシガシかく。

そして、ボクに見えるようにクルンとペン回しをして見せたのを確認して、ボクも試験問題に戻った。

 緊張感は消えていて、弾んだ気持ちで残りの15分で試験の見直しを出来た。


 それから、一週間後……。

ボクは、その高校の掲示板…… 受験の合格者が書かれた紙を見上げている。

すると、後ろからがっちりと首をホールドされた。

ボクは、呆れながらその人物に問う。

「結果は?」

そいつは、明るい声で答える。

「おかげさまでっ!」

ボクは、それを聞いてほっと一息ついて後ろの誰かさんを思い浮かべる。

 今も、人懐っこい明るい笑顔で髪の毛はポニーテール何だろう……。

首に巻き付いている、そいつの腕に手をあててボクは肺に輝ているような新鮮な空気を溜め込む。

そして、口を開いて言葉を紡ぐ。ちゃんとあの消しゴムみたいに、届くように願いながら……。

「あのさ!聞いてほしい事があるんだ……」

後ろを振り向くと、思い浮かべたような輝いている笑顔があった。

受験シーズンも終わったのでとりあえず…… 時事ネタ的なやつですねー 感想おねがいしますよー

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― 新着の感想 ―
[一言] mixiから来ました! 以後よろしくお願いします。 素敵な詩ですね! 青春を感じました^^
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