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Parallel Frontier  作者: 双晴 捺鬼(ふたば なつき)
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第3章 深智の黒曜塔

港区・お台場エリアに到着したグループは、レインボーブリッジの近くから東京湾を見渡した。夜の海は静かに波打っているが、水平線の彼方に異様な影が浮かんでいた。黒く、光を一切反射しない巨大な塔。底は海面に沈み、頂上は雲を突き抜けている。塔の周囲には青白いバリアのような膜が張られ、飛行アイテムやボートはすべて弾かれる。マップに突然表示された名前は——深智の黒曜塔 (しんちのこくようとう / Abyss Obelisk of Profound Wisdom)50フロア構成の知力の塔。ゼロ・リセットのヒント通り、ここが最初の塔だった。兄鬼が静かに言った。「海の上か……どうやって近づく?」ルミナが穏やかに海を見つめながら答えた。「泳ぐのは無理ね。海洋モンスターがたくさん蠢いてるわ」海面下に、巨大な影がいくつも動き回っている。リヴァイアサン系 (Leviathan-kei / Leviathan series) の海洋変種、鋭い牙を持つシャーク型高速モンスター。近づけば塔に着く前に全滅だ。グループの生き残り十数人が途方に暮れる中、一人の女性アバターが前に出た。白銀のローブに氷の冠を模したヘッドピース、杖には巨大な青い宝石が輝く。アバター名はクローネ。二つ名は「氷の女王」——氷属性魔法のトップランカー。彼女は静かに杖を掲げ、海に向かって呪文を唱え始めた。「皆さん、少し下がってください」周囲の空気が急激に冷え込み、息が白くなる。「Absolute Zero Dominion — 『永劫氷獄の王座 (えいごうひょうごくのおうざ / Eternal Glacial Throne)』!!」杖の宝石が蒼白く爆発的に輝き、東京湾の海面に巨大な魔法陣が展開。波が一瞬で凍結し、塔の入口まで続く幅広い氷の道が形成された。海洋モンスターの何体かが凍りつき、動きを封じられる。「今です! 急いで渡って!」グループは氷の道を駆け、塔の黒い入口に到達した。門が自動で開き、内部へ。1フロア目——広大な円形の部屋。壁は黒曜石で覆われ、光を吸い込む。中央に黄金のスフィンクス型モンスターが鎮座していた。謎の守護スフィンクス (なぞのしゅごスフィンクス / Riddle Guardian Sphinx)知力の塔の象徴、伝説の謎かけモンスター。問題中は破壊不能オブジェクト扱い。スフィンクスが重々しい声で問いかけた。「朝は四本足で歩き、昼は二本足で歩き、夜は三本足で歩く生き物は何だ?」グループがざわつく。千歳が小声で兄鬼に囁いた。「……人間、だよね?」兄鬼が頷き、代表して答えた。「人間だ」スフィンクスが満足げに目を細めた。「正解」次の瞬間、体が実体化。破壊不能が解除され、HPゲージが表示される。咆哮を上げ、翼を広げ、砂嵐を巻き起こしながら襲いかかってきた。グループが散開。兄鬼が前衛に立ち、長い刀で爪を受け止める。捺鬼は横から二刀で翼を斬りつけ、ルミナは距離を取ってガンを構える。しかし、砂嵐で視界が悪く、攻撃が当たりにくい。スフィンクスの尾が薙ぎ払われ、グループの数人が吹き飛ばされる。クローネが杖を掲げた。「動きを止めます!」「Glacial Catastrophe — 『絶零冥華の葬列 (ぜつれいめいかのそうれつ / Absolute Zero Requiem Blossom)』!!」スフィンクスの周囲に無数の氷の花が咲き乱れ、巨大な氷柱が体を貫き、表面を厚く凍結させる。動きが極端に鈍くなり、砂嵐が弱まる。「今です!」兄鬼が凍った翼を一閃で斬り飛ばす。捺鬼が二刀で脚を深く切り裂き、ルミナが遠距離から支援射撃。スフィンクスのHPが急減。最後にクローネが追い打ちの呪文を準備。「これで終わりよ」「Cryo Annihilation — 『氷絶滅界の終焉 (ひょうぜつめつかいのおわり / Cryo Apocalypse End)』!!」スフィンクス全体が完全に凍結、青白い氷の結晶で覆われる。ルミナが静かにガンを構え、充電を開始。《Gravity Cannon Safety Release》《10%……60%……120%……150%! Over Reactor Flow!》重力砲弾が凍結したスフィンクスに直撃。氷の巨体が粉々に砕け散り、黄金の破片が部屋中に飛び散った。【謎の守護スフィンクス 討伐】部屋の奥に階段が現れる。2フロアへの道が開いた。グループは息を吐き、互いに頷き合った。兄鬼が言った。「1フロアクリアだ。残り49……長い戦いになるな」千歳は兄鬼を見て、小さく笑った。「でも、みんなでなら大丈夫だよ」クローネは静かに杖を下ろし、ルミナは満足げにガンをホルスターに戻した。深智の黒曜塔——知力の試練の始まり。謎解きと戦闘が交錯する50フロアの旅が、今、スタートした。



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