1、家族
唐突に連載始めました。
お付き合い頂けましたら幸いです。
よろしくお願いいたします
私の『家族』について話したいと思う。
何故、まず家族の事を話すのかと思った事だろう。
そう思ったことを責めるつもりはない。否定もしない。
私も初対面で話の冒頭そんな事を言われたらきっと反論するだろうから。「何故まず家族なの?普通は自分の事を話すものではないのか』ってね。
人は小さな傷やストレスほど気になるものだと誰かが言っていたので、そのストレスを軽減するために自己紹介といっておこうと思う。私の名前は山田真名。
自分で言うのもなんだけど、平々凡々。人並みでこれ以上ないほど普通の一般的な女子高生だ。
絶世の美女でもなければ、生まれてこの方17年ロマンスもなければ出会いもない。突然引き止められるような運命の出会いに憧れもする年ではあるが、それもまた凡俗でささやかなありふれた平均的な夢のようなものである。今しがた言ったように17歳。高校2年生。特別な才能も別にこれといって出現しなかった。私には何か特別な能力が開花するのでは!?
……なんてね。
成績は中の上。
運動は苦手。
美術センスもあるのかないのか極々平均。
朝はパン派、学校まで徒歩10分。
友人は数人。知人は多め。
誰もが想像するに容易い代表的なノーマルスタイル女子高生、それが私だ。
まぁ、しかし。どうやらそれは私以外は違うらしい。そう、私以外。
そう、何を隠そうこれこそ冒頭早々と話そうとした私の『家族』の事なのである。
私のお母さんは、転生者だ。
母はどうやら、前世は冒険者だったらしい。
幼少期、母を止める事は誰にもできなかった。
両親も、先生も、誰にもだ。
自分では制御できないほどの体力と行動力でお転婆を繰り広げ、崖から転落。転げ落ちた。
体力お化けで体が丈夫とはいえ、母はその時、子供だった。間違いなく幼い子供だった。
幸い、というか恐ろしいといえばいいのか。
怪我は全くなく、ここ重要なので二回言っておく。
怪我は全く、まっったくなく、無傷で助けられたものの、三日三晩眠り込み大熱を出した母は、次に目を覚ました時には、体力お化けは顕在であったものの性格や話し方は全くの別人のようになっていたらしい。
と言うか、別の国の人のようになっていた。
これはおばあちゃんとおじいちゃん曰く、だ。
岩山の隙間に入っては「こう言う場所にブブバッドの卵があったはずなのだが……」なんて言い出した時はすぐに病院へ連れて行ったらしい。何だブブバッド。ブブバッドの卵は銀や金でできているのだそうで。
いやしかし、そんなもんあったら密猟に次ぐ密猟で絶滅だよ。なんだそれ。珍味とかじゃなく直球のお宝やんか。
……頭がブタで体はコウモリ?
可愛いような、怖いような、カワ……いや、怖いわ。
そんなツッコミ待ち話多数。
しかしまぁ、私はこの生活、というか、この母を気に入っているのである。
たとえ表情筋のボキャブラリーが少ない表情筋未発達系で、言ってる事がデンジャラスかつ脳筋バキバキでも、だ。
母を、と言うと少し語弊がある。
例に出したのは母であるけれども、実のところ私をのぞいて家族全員転生者、だったりするのである。
父も兄もまぁ、言わずもがな。
似たり寄ったりの奇人変人枠である。
私にとっては日常なので、変人ジャッジはお任せしたい。
これは私と異世界家族の議事録なのである。
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