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第五話 『夏休みの心霊スポット②』



「ちぇー!大丈夫だってぇー!幽霊なんてどうせ出る訳ないし!」


「そうだよ!心霊番組で映っている幽霊とか、あんなの偽物だから!作り物作り物!」


「…あのな?お前達にも前に言ったはずだ。俺は霊の姿がはっきりと視えるって。ぼんやりと視えるとか、黒いモヤで視えるとか、体の一部分だけが視えるとかそう言う次元じゃない。頭から足の先まで、はっきりと普通の人間の様に視えるんだ」


慎吾の真剣な表情に、昌も裕貴も黙ってしまった。


「心霊スポットには色んな霊がいる。成仏できなくて彷徨っている霊や、人間に危害を加える悪霊だっているんだ。そんな危ない場所に自分から行ったら、どうなるかなんて行かなくても予想がつく。絶対に良い事なんてない」


「えー…仕方ねぇなぁ…そこまで言うなら分かったよ…」


「慎吾を連れて行くのは諦めるかぁ」


漸く諦めたか。と思った矢先、2人の矛先は俺に向いたようだった。


「裕也!お前は俺達と一緒に心霊スポットに行くよな!?」


「え゛!?」


なんでそうなる。


キラキラした表情の昌と裕貴が、期待に満ち溢れた顔で詰め寄ってきた。



「行くよな!?」


「いや……あ゛―…まぁ、どっちでも…」


「よっしゃあ!じゃあ決まりだな!」


「慎吾が一緒に行けないのは残念だけど、俺達だけで行こうぜ!まぁ単なる噂だし、幽霊なんてどうせ出てきやしねーって!」


本音を言えば、1回は行ってみたいという気持ちは心の奥底にあったが、そこまで行きたいという訳でもなかった。

まぁ付き合いで一緒に行ってやるかーという軽い気持ちだ。


俺は今まで、心霊スポットには一度も行った事はない。


行くタイミングがなかったと言えばそうだが、行こうと思えば行く事は出来た。

それなのに今まで行かなかったのは、もしかしたら無意識に行かないようにしていたのかもしれない。


…なんでかは自分でも分からねぇけど…。




「ん?どうした慎吾」


心霊スポット雑誌を見ながら盛り上がる昌と裕貴をよそに、背後から視線を感じて見て見れば、慎吾が何やら神妙な顔で俺を見ていた。




「…裕也。お前は行かない方がいい」



「え?」


慎吾のやつ、いきなりどうしたんだ?


「いや、俺だって別にそこまで行きたいって訳じゃ…」


「…家の手伝いをしなきゃいけないから、俺は帰る」


「へ?あ、おい!慎吾!」



教室を出て行く慎吾に声をかけるも、慎吾は振り返る事無く帰ってしまった。




「慎吾のやつ、一体どうしたんだ?それにあの言葉…」



“…裕也。お前は行かない方がいい”




慎吾の放った言葉に、どんな意味があるのか…俺はこの時、まだ何も分かっていなかった。


そしてこの心霊スポットに行った事で、俺の人生が変わるなんて…





この時は想像もしていなかった。






最後まで読んでいただきありがとうございました!

次回更新まで暫くお待ちください。


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