第三話 『守護霊と呼ばれる存在』
「え!?そんなに強い幽霊が憑いているのか!?」
「……はぁ、仕方ないから最後にもう一つだけ教える。お前の後ろに憑いている人は、かなり強い霊力で裕也を護っている守護霊の様な存在だ」
「守護霊?」
「あぁ。そもそも守護霊とは、1人1人の人間に必ず憑いていて、その人間の傍でいつも護ってくれる存在の事だ。基本的には災難や危険から護ってくれるのだが、必ずしも災難から逃れられる訳ではないし、ただ護ってくれるだけじゃない。その人間の魂を成長させるために、必要なメッセージやアドバイスを送って、正しい方向に導いてくれる。護ってくれると言っても、全ての物事を順調にさせてくれる訳じゃない。魂の成長の過程で、あえて訓練を与えてくる時もある。この訓練というのが、その人間にとって辛くて苦しいものだったり、人生のどん底に落とされるような訓練の時もある。その辛い訓練という名の経験を乗り越えられた時に、人間の魂は成長する事が出来るんだ」
「へぇ。守護霊ってそんな事をしてくれるのか…」
「その時が来れば見る事は出来ると言っているから、気長に待ってみたらどうだ?」
「気長にって…俺、その後ろにいる人が守護霊?っていう情報を聞くまでに、数年待っているんだけど。一体あとどれだけ待てば誰が憑いているのかを知る事が出来んだよ…」
「…まぁ、見ない方がいいと思うぞ?色んな意味でな」
悪戯っぽく笑みを浮かべる慎吾に、イラっとした。
「そういう言い方をするから気になるんじゃねぇか!!」