表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/38

第十話 『聞こえ続ける水音』




部屋の奥からは、水の滴る音が聞こえていた。



ピチャン…ピチャン…ピチャン…ピチャン…



一定のリズムを刻むように、その水音は聞こえ続ける。



「この音…水?」


「ちょっ…ちょっと待って…。水の音が聞こえるのはおかしくないか!?だって、ここのホテルが営業停止になってから大分時間が経ってるんだぞ!?電気も水もとっくに止まっているはず…!」



俺は窓から外を見る。


雨が降っている様子はないし、周りに川とかがある訳でもない。

そうなると、水の音が聞こえるのは不自然だ。



「…とりあえず奥に行ってみよう」


「え!?行くのか!?わざわざ音が聞こえる方に!?」


「はぁ?当たり前だろ。そうしないと音の原因も分からねぇじゃん」


「いやいやいやいや!幽霊がいたらどうするんだよ!」


「そうだよ!襲われたらどうすんだ!?それに、もし憑りつかれちまったらどうするつもりなんだよ!」



明らかに怯えている様子の2人に思わずため息が出てしまった。



「お前らな…?元々はお前らが行くって言って計画した事だろ?心霊スポットに行こうって言いだしたのも、ここの廃ホテルに行こうって言いだしたのも、全部昌と裕貴が決めた事だ。お前らが言い出してここまで来たのに、肝心の場所を見ないでどうするんだ。この部屋の奥に事件現場になった浴室があるんだろ?」


「う…それはそうだけど…。なぁ?」


「もし浴室を見に行って幽霊がいたらどうするんだよ!」


「幽霊なんて出る訳ない!って言いきっていたのは、どこのどいつだ?」


「「うっ…」」


2人が言葉に詰まる。

あれだけ、幽霊なんて出る訳ない!心霊スポットに行こうぜ!と人の事を散々誘っておいて、いざその場に来てみたらこの怖がり様かよ…。



「誰もいないこの場所で、聞こえるはずのない水の音の原因は何なのかを見に行くだけだ。行きたくないならそこで待ってろ。俺が行って確かめてくる」



俺は奥を照らしながら歩き始めた。



「あ!裕也!ちょっと待てって!」


「裕也ぁ!置いていくなってば~~!」



半泣き状態の2人が後ろから付いてくる。



全く…そこまで怖いなら待ってりゃいいのに…




最後まで読んでいただきありがとうございました!

次回更新まで暫くお待ちください。


「面白い!」「続きが気になる」と思っていただけたらブックマーク・評価・レビューなど

頂けたら作者の励みになります…!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ