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どうやら私は悪役令嬢に転生したようです。破滅したくないだけなのに、なぜか婚約者が溺愛してくるのですが?  作者: 藍川みいな


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ミスコンが始まった



ミスコンに出る為に、準備室へと移動した。喫茶店はまだ開店中だけど、ミスコンを見物する為か、午前中の忙しさが嘘のようにガラガラになっている。


「ミシェル様、本当にお綺麗です」


セシリーが、準備を手伝う為に学園まで来てくれていた。

勝負服は、ウィルソン様がこの日の為に用意してくださった真っ白なドレスだ。アクセサリーも、昔、ウィルソン様から頂いたもの。


「ありがとう、セシリー」


「旦那様も奥様もデイビス様も、会場で応援していると仰っていました」


「みんなが来ているの!?」


家族は、招待していない。負けてしまう確率が高いから、ガッカリさせたくなかった。


「ミシェル様が、おひとりで何かを抱え込んでいらっしゃることは、気付いておりました。お力になることが出来ない私を、お許しください」


大切な親友に、心配をかけてしまった。きっと、お父様もお母様も、デイビスにも同じ思いをさせていたんだと思う。誰かに頼ることが出来ない、意地っ張りな私を許して。


「セシリーは、いつも私のそばに居てくれた。どんな時も、私の味方で居てくれた。それがどんなに、私の力になってくれたことか……

だから、そんな顔をしないで。優勝、してくるね!」


絶対に、このミスコンに優勝してみせる。だって私には、沢山の味方がいるんだから!


気合いを入れて、ステージへと歩き出す。


ミスコンの参加者は、書類審査を通過した8人。


「さあ、始まりました~! 学園祭名物の、ミスコン! 学園に通う令嬢の、美しさを競うコンテストです! もちろん、審査されるのは外見の美しさだけではありません! 外見、内面、気品など、全てを持つ令嬢が、このコンテストで選ばれます! 果たして、優勝するのはどの令嬢でしょうか!?」


司会の言葉で、会場中が盛り上がる。私達参加者は、ステージ上に横一列に並んでいる。

毎年運営を任されている生徒会が、コンテストを仕切る。司会をしているのは、副会長のハルク・ベンジャミン様。ベンジャミン公爵家の次男だ。


「では、参加者をご紹介致します! エントリーナンバー1番、オリヴィエ・マウリ嬢。ふわふわな栗色の髪に焦げ茶色の大きな瞳が、なんとも可愛らしい! 特技は、刺繍だそうです! 」


名前を呼ばれたら、ステージの前に行きアピールをする。持ち時間は、一人15分。その持ち時間内に、会場に居る人達の心を掴まなければならない。


「ありがとうございました~! とても可愛らしかったですね!

続きまして、エントリーナンバー2番、マリアン・ゴードン嬢。燃えるような赤い髪に、漆黒の瞳がとても美しい! 好きなことは、読書だそうです!」


二人目のアピールタイムが始まった。

みんな、凄い。こんなに大勢の人の前で、堂々と自分の魅力をアピール出来ている。


三人目、四人目、五人目と、出場者達のアピールタイムが終わって行く。私は、七番目。そして、最後がローリーだ。


「続きまして、エントリーナンバー6番、ナンシー・ハーモン嬢。金色の長い髪がとても綺麗で、藍色の瞳に吸い込まれてしまいそうですね! 特技は、バイオリンだそうです!」


ナンシー・ハーモン様は、アーサー様の婚約者だ。ナンシー様は、ステージの前に出て、持っていたバイオリンを弾き始めた。

こんなに可愛い婚約者が居るのに、アーサー様は大バカだ。彼はただ、前世で私を傷付けた負い目を感じているだけで、私のことを好きなわけじゃないと思う。それに、前世でのことを反省しているなら、ナンシー様のことを考えるべきだ。


アーサー様のせいで、心の準備が出来ないまま出番が来てしまった。居なくても迷惑な人だ。


「続きまして、エントリーナンバー7番、ミシェル・バークリー嬢。青みがかった銀色の髪に、真っ赤な瞳が神秘的ですね! 特技は、ピアノだそうです!」


ステージの前に出て一礼をし、用意されていたピアノの前に座る。演奏する曲は、私の大好きな曲。ピアノを弾きながら、心が穏やかになって行く。この曲は、ウィルソン様に初めて会った日に私が弾いた曲だ。その時の感情が蘇り、彼に恋をした瞬間を思い出す。彼の存在が、私に力をくれる。最後まで、心を込めてピアノを弾くことが出来た。


ピアノを弾き終わると、会場が盛大な歓声と拍手に包まれていた。



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