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最後の始まりの始まり

布陣、圧倒的不利。

中心に、今まさに記憶術を発動し、宙に浮いたまま目を閉じ、意識を離しているリアシュルテ。

それを囲うように、俺たち四人が位置。

さらにそれを囲って10倍以上の数の死霊が位置。

いつのまにか現れた魔方陣はこれもまたいつのまにか消え、死霊の数はこれ以上増えない、はず。

しかし、それでも数は数。一つの魔方陣につき五匹の死霊が出現したと視認しており、それが十個。

少なくとも50体の死霊がいると思われる。

先のアンデットとなんら変わらない数。しかし、種として強さが確実に違う。

死霊一匹なら、アンデット20体を倒すのと同じくらいの手間がかかる。

つまり、これからアンデット1000体と相手をするようなもの。相手は確実に俺たちを殺りにきている。

しかし、俺たちはそう簡単には落ちない。

30秒で片付ける。これが約束。

守らなきゃ何かあるとかそういうんじゃないけど、言っちゃったものは守る。プライドが許さないから!

「エルルさんはリアシュルテの防衛を。サクラは結界で防衛しながらサブアタッカー。ウェルと俺で前衛、30秒で終わらせるぞ!!」

「「「おう!!」」」

呼応を合図に、各々の行動を始める。

「桜下残雪、隠れ雪」

サクラは結界を呼び出し、結界がリアシュルテを覆う。

隠れ雪は接触時に硬直化する。その点がエルルさん一人の護衛でもやりやすいからとサクラは汲んだのだろう。

エルルさんも、あの強さと結界の反応があれば余裕だろうし。

後ろは任せても良さそうだ。

さて、ぶっ潰すとしますか。

転職。次の瞬間には、俺の姿が魔導騎英へと変わって。

勢いよく地を蹴って、手っ取り早く一番近かったやつに斬りかかる。

そう、斬りかかったのだ。あれほど斬撃は無駄だと言われたにも関わらず、俺は斬りかかった。

俺は知っていたから。……転職した騎英。その腰に吊られた剣に。


相手は魂の残りカス。物理の通らぬそのボロ衣のような体に、俺の黒い刀が一閃を放つ。

黒い、刀が。


神というのは、世界の頂点に位置する者たちのことを指す。

スキルを産み出した者、職業を産み出した者、その全てが神である。

そして、現在進行形で起こる変化と創造、そして破壊と消滅。その全てが、神によって管理されている。

神には、世界の中枢もとい"システム"にある一定の干渉権を有している。

彼女のその干渉権は、神としての存在を追われてもなお残り続けていた。

彼女の干渉権によって引き起こされた、「代用」。

対象になったのは、本来の魔導騎英の初期装備、「聖鳴剣」という聖剣。

システム内にて、魔導騎英の初期装備情報が代用された。

「怒りの剣(仮)」

それが、初期装備の名前。



黒の一閃がただ無情に、死霊を切り裂いた。


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