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進み行く、深きへ

結局、手を離されて強制床落下。

床に水溜まりがあったので、服が濡れて気持ち悪いです。

やれやれと立ち上がって、ウェルの隣に立つ。いつのまにか姿は幼女形態に戻ってしまっている。

「なんで戻ったんだよォ……折角めちゃくちゃ良かったのにぃ……」

その俺の発言にふんす、と鼻をならして答えるウェル。

「この体が一番しっくり来るから。それと、主が変な気起こさないためにも」

「俺はロリコンじゃないとは言ってないぞ……」

「あ、主の変態!!」

「何でだ……ってそれより、調査だろ。調査するぞ」

そもそもの目的を見失ってはいけない。俺たちはここの安全確認と行き先を調べに来たんだ。決して暗がりで二人きりイチャつきに来たわけじゃない。

とりあえず、辺りを見渡して。

とはいってもこのクソ狭い空間、見渡すほどの距離もないんだけども。

と、殊更に言えば、凄い見えるんだよな……先に続いてそうな横穴……

この円形空間の表面およそ四割を占領するほどに大きく開いたその入り口。中の道すら、およそその辺の国道と同じくらいの横幅かつおよそその辺の電車内と同じくらいの高さ。

この内部で戦闘が起きた場合でも、十分に対処できるほどの広さはある。ただ、分散しなければギリギリ……と言ったところか。

直感が「この先には何かがある」と言っている。「進むべきだ」と囁いてくる。

「進むぞ……」

「了解」

その見えない敷居に、足がまたがって。

踏み越えた。

何か来ると警戒していたが、何もないのは割と想定外。

しかし誤るな。2歩目がそうでないと言い切れるか?

ひねくれた考えならばありえ……

すんなり二歩目は踏まれた。

なにぃい?

ほんとにいいの?なんにもないの?

ほんとにこの洞窟、ほんとになんにもないの?

3、四、Ⅴと進むけれど、まったくもって動きがないため、歩調を早めていく。

何処に向かっているのかさっぱり不明。けれど、直感が言うからこそ、俺はそれに従うのだ。

と、長らく歩いていれば。

「主、アレ」

ウェルが、何かを見つけたようで足を止める。

「え……?」

暗視下においてもその光は強く、むしろ肉眼の時よりはっきりと見えるその光。

おそらく太陽の光。それが、先に見えた。

「太陽……」

「あっ、おい待て!!」

その太陽を目にし、我に返った途端。彼女は警戒0で大ダッシュ。我に返ったっていうの撤回する。間違ってる。

慌てて俺も跡を追って、

「建物内では走らないでくださーい」

といいつつダッシュする裏切り。



光。大きくなる、大きくなる、大きくなる。

強くなる、強くなる、強くなる。

走り続け、まもなくおそらくの出口へと到着予定。

風は伝わる。どうやら出口なのは間違いない。しかし、それも……つかねばわからん。

もう暗視を切ってもよさそうだ。一旦ヘッドライトの右上のカチッ、を閉めた。

それと同時に、光へと到達。目が眩しさに襲われながら、光を駆け抜けた。

「うわあああ……!」

ウェルの息を飲む声。何かと慣れだした目を上げてみれば。

今いるのは、崖っぷち。谷を大体円形に囲う形で形成された、まさに山脈と森の中の隠れ谷。

その中心に構えられているものこそ。

無機質な城壁を誇る、霊渦巻く城だったからだ。

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