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潜入・1

「潜入は明日。それまでにやるべきことを終えておく。相手は百年前の怨念、もしくはそれに準ずる何か。決心がつかないのなら来るな。いいな」

「「「わかった」」―――のじゃ」

リアシュルテの締めくくりでそこは一旦解散となった。エルルさんはヨヅキの家に残ると言ったが、きっとヨヅキはまだそうできる勇気はないだろうとリアシュルテに諭されて結局帰路についた。代わりにウェルを護衛役に就かせる、といったことも大きな要因だ。

ウェルであれば変身して影から見守れるという利点で最適だし、まあ朝あんなことがあったし、ウェルを俺から離したいんだろうし。抜擢されるのは必然だな。

そう言うわけでウェルを置いて三人、宿まで歩く。会話が無いのは珍しい。どこかで切り出さなければ。

「な、なあ……」

「ん?」

食いついた!サクラは聞き返してくれたしリアシュルテをこっちを見てる。この空気感を変えるチャンス!

「ヨヅキって、ニズリス・ブール……連れてく?」

「馬鹿か、死ぬぞ?」

速答。

更に空気が気まずいんですが、リアシュルテさんどうしてくれるんです?

「本当はエルルすら連れていきたくもないんじゃがな……」

サクラ、そっちに加担したなお前。

「でも、多分ヨヅキは何か、何か必要なんじゃないかって思う」

言葉で言いにくい、表し方のわからないヨヅキの重要性。なんだろう、キーパーソンって感じか。

「それは我も同じ考え。ヨヅキは何か大事なものを知っている気がするのじゃが―――――」

そこで少し口を唸らせ、溜め息をひとつ。

「―――だからと言って死地に連れ行く程我も馬鹿ではないし、連れたとて守りきれる自信は何一つない」

糾弾、というか正論を億単位で食らったのでメンタルに修復不能ダメージが入りました。

というかそもそも何で俺こんなヨヅキに固執してんだろ。冷静によくよく考えたら、別に連れていかなくてよくね?

「そうだよな、ごめん」


っと、突然リアシュルテが久々に声を出す。

「いや、キョウヤ。それにババァも。あながちお前らは間違っていない」

「ば、ババ……」

「あの少年、確かに何かを知っている。さっき、寝かせながら記憶を読み取っていた。エルルのついでのつもりだったが、どうやらこっちのほうがヤバかった」

そうか、記憶に何かが映っていれば分かるんだ、それがあったと、分かったと。

にしてもリアシュルテって時々無言で怖いことしてるよな。むっつりスケベってやつか?

「記憶がとある場所、つまりメルナとの件があったと思われる箇所からところどころ、病んだようにバグが起きている。しかも、それどころじゃない。当のメルナとの件の記憶事態がまるまるゴソッと、映されなかった」


まだその意味は、知る由もなし。

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