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俺、詰み?

「なあサクラ、なんでペンタブってかヲタ芸に関してモーションとか効果とかの細かい説明がないんだ?」

「それはのう、そもそも自宅警備員という境地に辿り着くようなやつがおるとすれば、そいつは余程のキモヲタなのじゃろうし、ならばそれくらい知っていて当たり前だろう、と管理科のソーシィというのが言っておったのじゃ。じゃからそなたも当然、知っておるはず、、なんじゃがまさかお主、キモヲタではないのか?」

「違うし!俺のどこがキモヲタなんだよ!?」

「なんか、全体的にこう、キモヲタって感じがあるんじゃがのう。それに普通、こういう職業というのは前世の姿が反映されるはずなんじゃ。じゃからこの結果も決まってなかったようで決まっていたようなもんなのじゃ。あ、しまった。これは言ってはいかんのじゃった。」

サクラは口に手を当て、しまった、を体現した。

色々とディスられたりなんか重大な事を言われた気がするけれど、要約するとこうなる。

オタ芸は、お蔵入り。

つまり、詰み。

あと、もうひとつ。

俺はキモヲタじゃねえ!

戦場でお仕事ならぬ推し事をやれと。

魔物の前で舞い踊れと。

ペンタブは剣よりも強いと。

あと痛シャツで魔物と戦えと。

痛シャツで街を歩けと。

きついわ。メンタルの限界で死んでしまうわ。

ほんとにもう、なんで説明ないんだよ。

あったら少しは楽なんよ。

あ、さては作者が楽してんだろ!

面倒だからって端折ったんだろ!

することなんてないんだからそれくらい書けよ!

こんなところで尺を使うなよ!

あ、台詞を言わんと。

「なあ、職業の選択は前の人生に反映されるって言ったよな。俺みたいに人生短い場合はどうなんだ?」

「あ、そうか、お前早死にしとるんじゃった!ろくに社会経験もせずろくに感動体験もなく初体験(意味深)もないまま死んでおるから、反映されるようなもんがなかったんか!」

「おい、傷つくんだが。」

と、言ったものの、聞こえていないようだ。

「やっぱりやはりそなたは不幸じゃ。我は拾ってよかったと心から思うぞ。うむ、知らない道も悪くない。未知の道(笑)なら、新しいことが一杯じゃ。この職業に進めば、きっとそなたは良い人生を送るじゃろうな。うんうん。」

うなずきまくっているサクラだが、なんか独りで勝手に事を終わらせている。

「おい!勝手に俺の人生に納得するな!俺は納得してないぞ!」

「うんうん、そのうち『この人生で良かった』と思える日が来る。それまでは納得できんじゃろう。でもの、それでこそ人生じゃ。」

駄目だ。完全にゾーンに入っている。

もう誰も、彼女のことは止められないッ、、!

「おい!ひとりで何しんみり変な解釈してんだよ!このままじゃ『良かった』、何て言えないぞ!むしろ逆だぞ!泣いちゃうぞ!」

「そうじゃの。辛い前世じゃったの。泣いてもいい。叫んでもいい。そうして今を生きるのじゃ、、。それでこそ人生なんじゃから、、。

うむ、では最後のガチャを引こうかの。うんうん、、。」

「おい待てえええええ!まだ話は終わってねえよ!無理矢理終わらせるなんてあんまりだ!作者もあんまりだ!だから待て!早まるな!俺は納得出来ないからな!」

叫んでもいいといわれたから叫んでるだけだ!

悪くない!悪いのは作者だ!

サクラが最後のガチャの方へと歩き出す。

こいつ、急に耳が無くなったんだろうか。腹立つくらい話を聞かない。

ああ、やっぱり。辛いなあ。

そう思っていたら、サクラが最後のガチャ、一番右側のやつの前に立った。

「さて、では最後のガチャじゃ。ガチャだけで20話くらい無駄にしておるからさっさと引いてさっさと転生して書籍化に近づくのじゃ。」

「嫌だ!キモヲタのまま暮らすなんて!俺の第2の人生は安泰じゃないのか!?」

俺の問いかけを聞いた途端、サクラの顔が一瞬にしてその生気を消した。

「おい、お前。そろそろ本気で黙れ。これ以上無駄な尺を使うな。話を反らすな。でないといまここで消すぞ?」

これはガチな目をしている。

言うこと聞かないと殺される。

怖え、、。

「わかった、です。わかりました、サクラ、さま。黙ります。大人しく説明を聞いてガチャを引いてとっととおいとまします。だから許して」

サクラの顔がまた一瞬で代わる。

すごい笑顔。

「うむ、それでよいのじゃ。」

こういうところが一番怖い。

これが女神というものなのか。

多分違う。

俺の母親と通じるものがある。

俺はマザコンじゃないよ?

シスコンだよ?

姉ちゃん大好きだよ?

え?キモヲタって言われた理由が少し理解出来たかもしれない?

勘違いさ、きっと。

誰しも間違いはあるよ。

俺の場合人生そのものなんだけどね。

ふう。

「では説明するぞ。お前は、これから世界で生きていく上で、どうしても困難に立ち向かう時が来る。その時職業という力を使い、それを打破することが出来るかもしれない。

けれど、そうでないかもしれない。

生活する上でも、そんなことがあるかもしれない。

そこでこのガチャの出番じゃ。

このガチャは、スキルガチャ。

職業にもついてきていた、あのスキルじゃ。

このガチャでは、お前の最初に取得するスキルを選ぶ。

生活での便利スキルか。

戦闘での逆転スキルなのか。

はたまたチート級の最強スキルか。

人生への覚悟が強ければ強いほど、スキルはそなたの望むものへと近くなる。弱い覚悟ならば、使い物にならないものになる。

どんなスキルが出るかは、そなたの覚悟次第じゃ。」

覚悟か。

全くないね!

どうでもいいと思ってるしね!俺しね!

どうせまたろくなもんが出ねえだろう。

さっきまでの結果を見ると、ねえ?

一応特典は聞いておく。

「なあ、今回の寿命はどんな特典になるんだ?」

「スキルが4つ取得できるのじゃ。あと、1つ確定でチートスキルが排出されるのじゃ。」

「なるほど」

確定ガチャ。

さっき裏切られたから次も同じだってきっと。

俺この言葉嫌いだわ。

確定ガチャ。

もういいや、引くわ。

「じゃ、引く。」

「ん、いいぞ。」

ガチャの前に行く。

心臓がバクバクいってる気がするが、多分気のせい。空耳。空耳。

「えいっ」

ガチャガチャを回す。

スロー再生にしたら視聴率上がるよここ。

ガチャ、コン。

カプセルが落ちてくる。

ガチャから出して、とりゃーー!

サクラの真似をして殴った。

ま、真似をしたところで割れるはずかないんだけ、割れたあああ!?

サクラより綺麗に割れた。

粉々になったカプセルから、大嫌いになってしまったお馴染みの紙切れが出てきた。

もういいや、と適当にその紙切れを見た。

そこにはスキルの名前が1つ。

「転職」、と。

ん?

それだけ?

あ、裏もあるのか、、、。

どれ、

と裏返し、見ればそこにはスキルの詳細がやはり書かれていた。

なんだ、どうせまたろくでもないやつだろきっ、とおおおおおおおお!?

詳細を5度見した。

うん、何が書いてあったかはみなさんご創造の通り。

兎に角、タイトルにたどり着いたね。


スキル「転職」

詳細:自身の職業を変更することができる

   その際、前職の熟練度を引き継ぎ、レベルを

   共有する


「サクラ、、なあ、、俺、今までの無駄な尺のこと全部謝るわ。それくらい今俺は機嫌がいいから」

「お、おお、、いきなり気持ち悪いのう、、。ま、まあそれだけ良いスキルが手に入ったのじゃろう?どれ、見せてみるのじゃ。」

紙切れを丁寧にサクラへ渡す。

すると、読めば読むほどだんだんとその口がかっ開いて来、最終的にはポカーンと呆けてしまった。

けれど、サクラはあやあやっと首を横に振り、口を引き締めた。

正直に言うと、可愛かった。

「これ、チートスキルじゃな。しかも最上位中の最上位の。それにこれ、原初の時代に神がゲームバランスなんて考えずに創った一番ダメなスキルじゃな。我も、今までこんなものを有した人間は見たことも聞いたこともないのう。うむ。やっぱりお前、天才か?」

「あ、ばれた?(笑)」

「ん、そうではないようじゃの。安心した。」

「なんだよそれ!」

ディスられた気がする。

聞いてないことにしておこう。

突っ込んだけどね!

はい。

チートスキルだそうだ。

しかもかなりヤバめの。

人生安泰への道、見えてきたぞ!

キモヲタ卒業だね!

まだなってすらいないけどね!

説明を見た限り、俺にデメリットとなることは特になさそう。

熟練度が引き継げるというのがこのスキルの核心だ。

熟練度引き継いじゃうと、俺いま熟練度MAXだし、無双パーティーが始められる。

いっそ勇者にでもになってやろうか?

魔王をボコボコにするぞー!

なんて、そんな力も勇気もないです。

あと死にたくないのでそんな危ないことはしません。

よし、黙る。

ということで、スキルの1つ目はチート中のチートスキルでしたー!ということで。

2つ目行こうか。


ところで、ここからのガチャだけど。

やっぱりろくなもんが出なかったんですわ。

俺は結局俺なんだと思って。

高速再生に切り替えるよ。

いや、決して面倒だから高速とかこつけて省いてる訳じゃないよ?

違うよ?

神に誓うし。

てかそこに丁度いい女神がいるし。

誓わんけどね。こいつには。

では高速再生。

はじめ!


終わり!

はい。

俺の説明がクズだというのが分かったところで、出てきたスキルの詳細だけは書いておく。

ちなみに3回とも爆死だよ?

変なの出てきて泣いてたの。

1つ目。

「立ち読み常習犯」

詳細:文字の解読が異常なほどに早くなる。


それに何の特があんのよ?

作者が都合よくしただけでしょ?

まあ、字を一瞬で読めるってのは確かに使えなくもない。

けどね、何度も言うけど。

使えるか?

うん、使えねえ。

では2つ目。

「超視界」

詳細:発動すると視野範囲が360度になる。


怖いよ。

360度見渡せるのは悪くない。

まあストーカー対策にはなる。

けども。

怖いよ。

頭通り越して後ろ見えちゃうのは怖いよ。

ゼッッッッタイに酔う。酔って吐く。

辺り一面汚物の海。

恐ろしや、恐ろ視野。

視野だけに。

結論、使えねえ。

最後、3つ目。

これが良くなかった。

「ありふれた主人公・男」

詳細:ちょっとしたハーレムを形成する。(常時発動、無効化不可。)


これはもう、駄目だとしか言えない。

ハーレムはダメ。ゼッッッッタイ。

ろくな物語にならない。

ありふれてる。

伸びない。

主人公が鼻の下伸ばして何が面白いんだよ!

伸ばすべきはPVだろ!

あと最近のハーレムじゃ性格ヤバいやつ多いんだよ!

いい娘が期待出来ないんだよ!

ごめんなさい口が滑り落ちました。

と言うわけで以上爆死スキルでした。

詰みって言ったこと撤回してたけど、撤回を撤回する。

やっぱり詰みだ、俺の人生。













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