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大レース

「韋駄天」

詳細:日織の国に伝わる人神、超速の神。その速さは音を優に越し、全てを渡り歩く。

脚の神にして運動の信仰対象。何故そのような神が職業になるのか?

言った通りだ。韋駄天とは人神……すなわち彼は……


固有スキル

「神足ノ行方」

「スキル継続」

「体術・極意」


今まさにヨヅキに飛び掛かろうとしていた影に取り敢えず飛び蹴りをアターーーッ!!

勿論綺麗に回避されて右足が床に打ち付けられたのみだ。がしかしヨヅキとの距離は確保出来た。

そして、その後ろには玄関ドアが。見計らって移動させた俺、やっぱ天才じゃねえか!?

「ヨヅキ!そのまま外に出ろ!外に出たら、サクラのお姉さんと一緒にエルルさんと合流しろ!兎に角逃げるんだ!」

「は……はい!」

ヨヅキが出口にあたふた走っていくのが見え、俺はようやく本気を出せる。

「ぎいいいいいげぇええあぇええあえ」

唸る影。姿は、立方体風の蠢く何か。相手として十分不足ない。

「じゃ、本気でやろうか」

「ぎぃぃ……があああああああッッ!!」

影が異常な速度でこちらに突っ込んで来る。

しかし、俺は食らうわけにいかない。

「神足ノ……行方!!」

体を黄金色の気が覆う。

神足ノ行方。韋駄天の固有スキルにして、これまたチートスキルだ。




「神足ノ行方」

詳細:『速度』と明記されたステータスが元の500%上昇する。継続時間20秒。


世界を渡り歩いた神の足。それは何処に消えたのか。

はたまた今も、走っているのか。




速度が上昇した俺のスピードは、確実に影よりも速い!

影との距離が迫る。臆しない。落ち着く。

まだ、俺の準備は終わってない!

「転職!!」

光、包め!俺を変えろ!

陰陽師に!

影が間合いに入った。今だ。

猛烈な勢いで陰陽師に換わった俺は、札術を発動する。

韋駄天のスキルは転職したから使えない?

だから間に合わない?

そんなことはない。




「スキル継続」

詳細:如何なる時と場合においても、スキルの効果を持続させる。


忍耐の行く先に、祝福あらんことを。




俺は今、神よりも速い!!

振りかぶられた爪。

ふん……しかし俺は、一枚上手だぞ!

「祓え!!」

札が完成した。その刹那には札を影に突きつけていた。

光が周囲を包む。

クリティカルヒットだ。

閃光がカッと、弾けて。

陰陽の札が、炸裂した。

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