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間の物語・3

女神サクラ、思い知った。

まさか、これ程までに面倒だとは思いもよらず。

ただ家を回って話をちゃちゃっと聞くだけのいわば訪問販売的なもんだと思っていた。

リアシュルテがエルルからこっそり訪問先の記憶を得ていたため、記憶付与とか何とかいうので記憶を共有し分担して一軒一軒回っていく。

サクラは南方と西方を、リアシュルテは北方と東方を。

一軒てっきり数分あれば足りると思って勝手にプランを立てていたその予想図は、一軒目のおっさんが見事に裏切ってくれた。

なに言われても責任は取りたくないのでまず「エルルさんの調査の一貫で」

と言って保険をかける。

それから霊の話になったとたんに泣き出すおっさん。

なんでも妻が拐われたとかいうのを叫んでいた。

「返して」とか「戻ってきて」とか、サクラに言っても意味はないことばかりを叫んで。

それが三十分。

最後は殆んど断末魔か何かのような声しか上げなかった。

流石に引いたので退避、次の若い女性のところまで向かう。

また同じような流れで切り出し、やっぱり霊の話に入った途端、今度はいきなり怒られた。

「あなたには分からないでしょ!」とか「返してよ!私から奪ったあの人を今すぐ!」とか、拐われた、もしくは殺された愛人を返せと胸ぐらひっつかんで叫ぶ。

それが三十分。

最後は八つ当たりに近い罵詈雑言で罵倒されるだけになっていた。

何故自分がそんなの言われなきゃいけないんだ……と思いつつ退散、次の家へ。

次の家のご婦人にも三十分泣きつかれ、その次の夫婦には詰め寄られ、挙げ句のはてには殴ろうとしてくる輩までいた。

何故……

何故……

疲れきったサクラがとぼとぼと歩きながら、思うこと。

何故、我が言われなきゃいかんのじゃ!?

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