間の物語・1
少女と青年が去った扉の前、ただ呆然と立ち尽くす者が一人。
彼の頭の中は、まるで渦巻く竜巻のように、まるで荒れ狂う荒波のように、沢山の感情で乱れていた。
誰だ?
誰だったんだあの人たちは
どうしてエルルさんと知り合いなんだ
あんな人この街にはいなかった
少なくとも僕の知る頃は
それに、何故あの事を知ってるんだ?
絶対、誰にも見られていないはず
エルルさんだって知らないのだから
誰が見ていたと
誰がアレを見ていた
いや、そんなはずはない
絶対そんなはずない
ありえない
ありえない
嘘だ
そうだ嘘だ嘘だ嘘なんだ嘘なんだろそうなんだろ嘘ほら嘘嘘だ嘘だ嘘だきっと口から出任せ嘘八百に違いない
なら、エルルさんの声がしたのも理解できる
嘘なんだから
でも
どうやって
どうやってあの声は出せた
何で声が出せた
魔法か
魔法なのかそうなのか、いやそんな魔法は聞いたことないし自分の声を人の声に変える魔法?そんなのありえない、実在するはずがないそもそも魔法はあんな年の人にも少女に使えるようなものじゃない、僕でも使えないしエルルさんも三つしか使えないしなのにそんなの僕よりも小さいヤツにもエルルさんより小さいやつにそんな高度なの使える訳がない、魔法も嘘、嘘なんだそうだ嘘だ
それに
なにかおかしい
何処がおかしいのかは分からない
けど伝わる違和感
あの人たちは違う
何が違うのか分からない
けど伝わる差異
分からない
分からない
分からない分からない
おかしい
おかしい
何かおかしい
何故か分からない
なんで
なんで
なんで
僕の知らない何かなのか
僕の知らない何なのか
僕の知らないもの
僕の知らないもの
キョウヤ……
覚えたぞ
僕の秘密は絶対、守ってみせる
それまで待ってて、メルナ。




