表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/169

て・て・て・転職開放ォ!!

これならば。

あのサクラを、あの結界を、突破出来るかもしれない。

ならば!

することはもう決まっている!

俺は、転職する!

応えはすぐだった。

『発動意思を確認しました。発動を受諾します。』

視界右側、ペンタブのウィンドウが消え、代わりに視界全体が文字で包まれる。

見れば「剣士」とか「賢者」とか、「魔王」やら「竜騎士」やらと目に映る。

どうやら転職できる職業が表示されているらしい。

全部。

うーーーん、

多いわ。

もはや内容が頭に入ってこない。

フィルターかけようにもどうすればいいかわからんし、何になればいいかも正直わからん。

これ、オペレーターさん(仮)ってHEYケツとかOKゴーグルみたいに音声検索使えないのかな?

試してみよう。

「オッケーオペさん、今の情況にぴったりな職業を探して。」

無茶振りし過ぎた?

大丈夫でしょ。

オペさん(仮)なら。

『候補一件が見つかりました。現在「相手がチートスキルを使ってくる絶対的不利死亡確定無駄戦」な情況ですので、「裁判長」をお勧めします。効果は使用してお確かめ下さい。』

すげえ有能な娘だなあ。

もうゴーグルもケツもいらねえ。

裁判長?

なんか弱そうだけどまあ、大丈夫でしょう。

有能なオペさんが謂うからマチガイナイ。

『発動手順は前回同様です。』

行くぞ。

裁判長に俺はなる!

「転職!裁判長ッ!!」

俺の体が強く発光した。

そして、どこからか半透明の赤い絵巻みたいなやつが幾つも出現し、俺の周りをくるくる旋回しだす。

そして暖かい感覚。

服が変化していく。

痛シャツが消え去り、白基調、金縁の西洋風の法衣が現れる。

教会の偉い人みたいな感じ。

頭に、同じく白と金の円筒みたいな帽子が出てくる。

ああ、教皇って感じだ。

ペンタブが消え。

やはり白く金で縁どられ、先に幾つもの輪っかがかかっている、いかにも杖らしい杖が右手に収まる。

そして光がカアッと強く光り、消えた。

俺は始めて転職した。

感想はそう、これこの杖が重たい。

かなり重たい。冗談抜きで。

サクラはうんうんと1人頷くばかり。

誰と話してんだろ。

まあいい。殴るだけだし。

俺はまた走り出した。

これちなみに、めっちゃ走り辛い。

脚からまってこけるかも知らん。

俺は間合いを詰めながら、また問う。

「発動できるスキルは?」

『職業固有スキル「アブソリュート・ルール」が発動できます。』

何なのかを教えてくれる気はなさそう。

でもまあ、いいか。

よし、2メートルに入ったらこれを使う。

そう決めた、5メートル。

思考フル回転で考える。

多分、いや絶対にサクラは次もあの結界を使ってくる。なら、初撃は絶対に防がれてはいけない。

あの結界が出る前に、決める。

4メートル、3メートル。

かといって、そんなことが出来るほど器用な俺ではない。

このスキルが何なのかわからない。

でも、だからこそこれに掛ける!

間合いに入った!

俺は先程とは違い、跳ばなかった。

その場に急停止し、半身に構える。

杖の先は真っ直ぐにサクラを捉えている。

停止してコンマ01秒。

俺は叫んだ。

「アブソリュート・ルール!!」

ゴーーーーン。

ゴーーーーン。

太い音。

鐘の音である。

その出所は、俺の杖。

審判の時、ということか。

と、突然俺の杖を中心に、白い波動が起こる。

鐘の音と共鳴して、ただ1回きり、

ゴーーーーーーーーーーーーン、と。

やばいと思ったのか、サクラが結界の構えをとる。

左腕を突きだす。

しかし。

いくら待てども。

その手に魔方陣は宿らなかった。

結界は、出なかった。

「な、何が……?」

サクラも驚きを見せる。

いや、こっちがわかってないのよ。

と、ご都合主義様が俺の視界に応えを映した。

そこには、こうと。


アブソリュート・ルール

職業「裁判長」固有スキル

詳細:全てのスキルを公平な判決の下、一定期間無効化・封印する。


「は、はは、ははははははあっ!!」

つまり、今のサクラは。

雑魚。

高笑いしながら、俺はサクラに殴りかかった……





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ