漫才・サブスク
こちらはツ[ツムタ]とト[トボザン]のコンビ、その6。
なんだかんだで12作目。
この趣味始めたのが一年前だから、ペース的には一月に一作。
意外と本数はできてるかな?
ト「よろしくお願いしまーす」
ツ「どーもー! ブータ(仮)です」
ト「知ってます? サブスクってあるじゃないですか」
ツ「知ってるよ、サービスとかに一定額払って楽しめるあれでしょ」
ト「常々目をつけていたので、時代の最先端を生きる僕としてはこれはぜひ使わねばと思いまして」
ツ「いやいやいや、もう時代の最先端どころか日常の一つくらいまでになってないか」
ト「それをですね、新しく契約したんですよ」
ツ「おい、強引に進めるな、ったく、それでどんなの?」
ト「今までになく新しくてすごいんですよ」
ツ「だからどんなのよ」
ト「初回契約十万で壷が届きました」
ツ「壷?」
ト「初回だけ結構かかったんですが翌月からは僕の気持ちでいいって言ってくれたんですよ」
ツ「ちょ、ちょっと待って」
ト「はい?」
ツ「それって気持ちと言いつつお前の信じる心でお願いしますってやつじゃない?」
ト「あ、知ってました? まだ真新しいサブスクだなって飛びついたんですけど」
ツ「ちげーよ! それサブスクじゃなくて怪しい宗教の勧誘に引っかかってるんだよ!」
ト「あ、和製サブスクですね」
ツ「和製とかの話じゃねえから!」
ト「それだけじゃ足りないと思って他にも契約したんですよ」
ツ「他にもってまず今のを解約しろ! それで次のは大丈夫なの?」
ト「食事のサブスクです」
ツ「食事?」
ト「はい、毎日決まった時間にその日の食事が届くんです」
ツ「おお!! 悪くはないけどサブスクか?」
ト「はい、毎日届く食事のサンプル写真見て食欲度を確かめるんですよ」
ツ「だめじゃねえか! サンプル写真てなんだよ! せめて料理の食材くらいもらえよ!」
ト「ですけど、壷に比べたら月九千円で済むのはお得ですよ」
ツ「壷がおかしいからな! 一日三百円の食事写真一枚とかボッタクリもいいところだろ!」
ト「いいえ、二枚の日もあります」
ツ「そんなとこはどうでもいいんだよ!」
ト「サブスクって便利ですよね」
ツ「そもそもお前のサブスク間違ってるからな! サブスクは商品やサービスの契約期間中は定期的に払う一定金額のみで利用し放題になる仕組みだよ」
ト「壷は契約期間中使い放題です」
ツ「壷の使い放題でどうすんだよ! サブスク契約だと終わったら取り上げられるぞ」
ト「あ、確かに」
ツ「何今気づいてんだよ!」
ト「十年は契約続けないと」
ツ「そっちじゃねえから! 契約切れよ」
ト「あ、それならもう一つのサブスクがありました」
ツ「え?」
ト「壷の金額かからなくなるサブスクです」
ツ「もはやサブスクですらねえよそれ」
ト「契約している間は初回の壷代が要らないって契約なんですよ」
ツ「なんですよじゃねえから! それ契約終了したら壷代取られるってことだろ! 騙されてんだよ、いい加減気づけよ」
ト「いえ、壷売る男さんが騙すなんてそんなことするわけありません」
ツ「誰だよそいつ、壺売る男? え? 誰?」
ト「今回真新しいサブスクを紹介してくれた親切な方です」
ツ「お前、時代の最先端を生きてんじゃなかったのかよ」
ト「売る男さんが教えてくれた時代の最先端のサブスクに置いてかれないようにと思いまして」
ツ「怪しいやつの口車にまんまと乗せられてんじゃねえか! 他にも何か契約してんじゃないだろうな」
ト「他にですか? そんなにないですよ」
ツ「いいよ、全部言えよ」
ト「動画配信、音楽配信、ゲーム配信、トロフィー配信、廃人配信」
ツ「ちょ、ちょ、ちょっと待って」
ト「え? どうしました?」
ツ「最後なんて言った?」
ト「え? どうしました?」
ツ「そこじゃねえよ! サブスクで言ってた最後の方のやつだよ」
ト「トロフィー配信に廃人配信」
ツ「なんだよそのトロフィー配信と廃人配信って」
ト「トロフィー配信は毎月トロフィーが届くんですよ」
ツ「届いてどうすんの?」
ト「今月も僕は勝ち取ったんだって大盛り上がりですね」
ツ「盛り上がんねえから! しかも勝ち取ったんじゃなくて買い取ってるだけだろそれ」
ト「気分上げ上げの効果が」
ツ「そんなんだから売る男にも騙されんだよ!」
ト「お陰で家の中には二十四個のトロフィーが所狭しと」
ツ「二年も続けてんのかよ! さっさと解約しろよ、二十四個とか邪魔なだけじゃねえか」
ト「廃人配信は優れものですよ」
ツ「どこがよ、名前からしてもうだめな雰囲気しかないだろ」
ト「配信動画の見すぎやゲームのやりすぎで生活が壊れる前に代わりに引き受けてもらって契約したサブスクを使い尽くしてくれます」
ツ「どんなサブスクだよ! 契約した本人の代わりにやってたらお前意味ないだろ」
ト「そんなことないですよ、契約したサブスクが無駄になるの勿体ないから僕の代わりに隅々まで使ってもらうんです」
ツ「そいつ本人に契約させろ!」
ト「彼女に勧めてもらったんですよ、優しいですよね」
ツ「変な自慢いいから、その彼女にも説明しろ!」
ト「彼女の壺売る子ちゃんになんて言って説明すればいいか」
ツ「怪しい壺家族に囲まれてんじゃねえか! 家族ぐるみで来てるぞそいつら、目覚ませよ」
ト「あ、彼女が言ってた全てなかったことにするサブスクを契約してきます」
ツ「何にも解決になってねえから! もういいよ」




