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あの日見た流星  作者: カルバリン
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第23話 デンゼル


『ファントム、発進デッキへ移動お願いします』


指示に従ってファントムを歩かせる。


「イリス君、発進した後は合流予定ポイントまですぐだ。ファントムのコンディションは私がモニターするから君は無理せずゆっくり行こう」


「はい、それは大丈夫ですけど…フロイトさんはそこ…狭くないですか?」


フロイトはコックピットシートの後ろにある備品収納スペースに無理矢理収まってコンソールを弄っていた。


「ああ、心配はいらんよ。データ収集などで慣れているのでな。だがまぁ…戦闘機動はやめてくれると助かる。前回乗った時に懲りたよ」


確かに笑

あの時はスロットルを全開にしたせいで敵のトマホークごと壁をぶち破ったからフロイトさんは頭をシートにぶつけてたしね。


『イリスさん、どうかお気をつけて』


通信士のエイミーさん…だったかな?


「ありがとうございます、エイミーさん。カタパルト固定完了!いつでも行けます」


『名前、覚えてくれたんですね!『エイミー、それは後からにしなさい、合流に遅れる』し、失礼しました!ハッチ解放、ファントム、発進どうぞ!』


「ファントム、出ます!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「お前達には大事な客を迎えに行ってほしい」


デンゼル重工の超大物…社長であるデンゼル自らがここ、ラグラスへと全ての予定をキャンセルして自身の護衛と共に来たのが数時間前。


「…社長、あんたは護衛である俺達の存在する意味を分かっててそんな馬鹿な事を言ってるのか?」


「社長にそんな口をきく馬鹿な護衛に分かりやすく言い直そうか…『大事な、客を、迎えに行け』分かるか?絶対に連れてこい。もし何かあったときは…」


「はぁ。分かった分かった。ただし…行くのは俺だけだ、護衛全員で抜けた後社長に何かあったら失業だからな」


「…仕方ない。ギリアム、お前が行くなら大丈夫か」


「当たり前だ、俺は護衛を失敗した事なんぞねぇからな」


「ふ…訂正しろ、失敗した事が1度だけあるだろう?そのせいで腐ってやがったくせにな」


デンゼルの言葉に苦虫を噛み潰したような顔をするギリアム。


「んなことは忘れたな、で?その"客"ってのはどんな奴だ?」


「お偉いさんからの要請でな…アサルトフレーム1機とそのパイロット、それと技術者が1人だ。それと後から合流する戦闘艦1隻だな、こちらは統合軍の方で迎えを出すそうだ」


「別々に来る必要があるのか?」


「大事な客だ、と言っただろ」


「まぁ良いが……アサルトフレームに護衛ねぇ、よっぽど大事な客って事か…合流ポイントを俺の"バンデット"に送っといてくれ。準備出来次第出るぞ」


ギリアムが出ていった後、デンゼルの後ろへ控えていた秘書が口を開く。


「社長、ギリアムとはいくら長い付き合いとはいえあれでは…」


眉間に皺を寄せながらそう言う秘書を手で制す。


「良いんだ、ギリアムは馬鹿だが頭が悪い訳じゃない。さっきの事も自分達護衛が居ない間に俺が狙われる可能性を考えてああ言っていただけさ」


護衛全員が居なくなる事態になる位なら自分一人が抜けて迎えに行った方がマシだという結論を出したのだろう。


「そうですか…社長がそれで良いのであれば私からは何も言う事は無いです。実際、彼には何度も助けて頂きましたからね」


産業スパイ、同業者からの嫌がらせ、テロリストの攻撃…事例を上げればキリがないがその全てからデンゼルを守ってきたのは間違いなくギリアムとその部下だ。


「それから例の件ですが…内通者からの連絡が途絶えた為、裏付けが取れませんでした。…最後の情報は彼女の特徴と一致する点が多い、という報告ですね」


「そうか…報告書はあるか?」


スッと差し出された書類に目を通す。


ジェーン=ドゥに関する調査について


・身長は160センス程度、髪の色はダークブルーに近いが常に手袋をしているので右腕は確認が取れず。

常に顔の上半分を覆う仮面を装着している為に素顔も確認は不可能。


数日に1度の頻度で数時間程所在不明になるが、何処に居るのかは不明でこの不明時間を調査するのは非常に難航している。


ジェーン=ドゥに関する調査2


今日も数時間程所在が知れない時間があったがそのすぐ後にアルベルと共に宇宙海賊の母艦へと移動し、帰ってきたのは数時間後だった。


詳しい内容は不明だが襲撃計画を依頼したようだ。これには傭兵の黒狼も雇われているみたいだ、彼のアサルトフレームを確認した。


本日の接触で彼女の右腕は義手であると判明、調査対象が"本人"である可能性が出てきた…引き続き調査を続行する。


「…連絡が無くなったのはいつだ?」


「3日前です」


「そうか…無事だといいが…しかし"本人"の可能性有り、とはな」


行方不明だから確かに有り得る話だが…不可解な点が多い。


「…まあ、全てはこちらに向かって来ている"彼女達"次第だな。こちらも調べてはみたんだろう?」


すぐに秘書は頷いて資料を取り出す。


「こちらに関しては同性同名という可能性も考慮して調査を進めたのですが…数人いた中でも元アレイスト側と統合軍によるプロテクトが厳重だった一人に絞って調べました。ですが有益な情報は無いですね」


イリス=オドネル


現在アサルトフレーム技術専門学院の2年生で少し暗めの青い髪で顔立ちは同学院の男子生徒に人気があり、可愛いというより美人の範疇に入る。

学院の成績は非常に優秀で操縦技術、整備、設計、白兵戦…全ての分野で上位、または1位の成績を納めている。


家族構成に関して…データ上は彼女の両親は既におらず、母親の仕事上の上官であるダリウス中佐が便宜上の養父、となっている。


「…ここまでが公式な情報です。それ以上は調べても先程報告した通り軍のプロテクトが掛かっていて無理にアクセスした場合…統合軍の調査部隊が押し寄せて来るでしょう」


「ああ…、俺の考えが正しいなら…間違いなくイリスは本人だろう、とは思う」


リースが昔言っていた"取引"に関わっているのだろうが…不可解な事が多い。


「リース…お前さんの娘…相当厄介な事に巻き込まれてるぞ…ゆっくり死んでる場合か…?」


ファントムがイリスの元へ来たのは良い、元々あれはイリスの所有物だ。

だがその後の流れが面白く無いな…"何故か偶然"軍の最新鋭艦に乗っていてファントムで戦闘に出ている…軍の上層部が何を考えてるのかは分からんし…死んだと聞かされていたリースの忘れ形見を守る、それが今の俺に出来る事か。


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