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あの日見た流星  作者: カルバリン
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第20話 それぞれの役割


「皆集まったね?ならばこれより今後の予定を話そうと思う」


主要なメンバー…整備士長、オペレーター、アサルトフレームのパイロット二人、オブサーバーとしてフロイトが集められてブリーフィングが開かれていた。


「我々の任務は"アルテミス"に拠点を構える宙賊…"マキア連合"の討伐だ。奴らの首領は元ヘリオス帝国の師団長…ミレリア=カーバイン。そして彼女らと協力関係にあると言われている"ローレライ"等の捕縛、もしくは殲滅だ」


ジークリンデの言葉と同時にエイミーが端末を操作してスクリーンに情報を映す。


「だが現状の戦力では正直言って厳しい…いや、無理だ。だからまずは戦力を整える為に"デンゼル重工"の管理下にあるラグラスへ向かう」


「…何故デンゼル重工へ?ここからなら近いのは統合軍の拠点であるルナリス要塞じゃないかね?」


「ルナリス要塞には今回の任務の内容が知らされていない。それに…ソルシエール、ファントム、レムレースを整備するのはラグラスで、という上からの正式な命令なんだ」


「…なるほど。だが…」


フロイトは考える…デンゼル重工はリースの話に出てきた企業だ。

今このタイミングで軍の施設よりも企業の施設へ誘導するこの状況には違和感を覚えるが…


「それと…イリスにはフロイト技師と先行してもらってラグラスで先にファントムの修復作業に入ってもらう。現状のファントムでは厳しいからな」


今はバーニアの装甲を応急修理してはいるけどそれだけだと動かせるってだけで戦闘機動は難しいって言われてたからね。

…だけどファントムだけで先行するのって大丈夫かな??戦闘になったら…


「ニールはソルシエールを守る為にこちらに残す。…それとラグラスで人員とアサルトフレームの補充もあるから整備班はそのつもりで準備をしておくように…それとファントムを先行させるにあたってラグラスから護衛機が出るそうだから心配はいらない」


顔に出てたかな?ジークリンデ艦長がわたしを見て補足してくれた。


「それは良かった、ファントムは最低限戦闘出来るが動きはスピアよりも劣るぐらいの性能しか発揮出来そうにないからな。護衛が出るなら安心だろう」


ブリーフィングが終わって部屋から出るとニール、ロイ、アリアが待っていた。


「イリス!やっとゆっくり話せるよぉぉ!!」


抱きついてきたアリアを抱き止める。


「あはは、なんだかんだ色々あったからね。アリア達が無事で良かったよ」


「イリス、君もな。あんな騒動に巻き込まれて怪我もして…本当に無事で良かった…って抱きつくのはやめ…」


そう言ってくれたロイも抱きしめると後ろでニールが騒ぐ。


「イリス!なんで俺は腹パンでロイは抱きしめるんだよ!?酷くないか?!」


「そお?ならニールも抱きしめようか?」


「え?!まじ?」


おいで、と両手を広げると横からアリアが割って入ってきた。


「ニールはだーめ!邪な気持ちが私には見える!もしやったらダリウスさんに報告するからね?」


「理不尽だ…!」


いつものやり取りに知らず笑みが溢れる…だけど…


「しかしなぁ、まさか俺達が軍に入れられるとは思わなかったよな。普通に捕まって牢屋行きと思ってたぜ」


「牢屋で済めばいいけど。本来アサルトフレームの強奪って極刑なんだよ?今回はなんとか大丈夫だったけど…」


「んー、まぁ極刑だと分かってても俺達はイリスを助ける為ならやってたけどな?」


ニールの言葉にうんうん、と二人もうなずく。


「…馬鹿。それで皆が死んだら私は…ううん、違うね…皆のおかげで私は今生きてるから。ありがとう」


「気にすんなって、イリスだって逆の立場だったらそうしてただろーしな!」


「うん、それは間違いないよ。…だけど、どうしよう…」


それはそうとして問題もある…一番悩ましい問題が。


「お父さんに私達怒られると思うけど…皆で怒られるなら…怖くないよね!」


「「「……」」」


え?ちょっと…!


「ま、まぁイリスを助ける為って事でなんとか…ならねぇよな」


「次に会うときが恐いよね、でも女子には優しいからねダリウスさんは」


多分、関係無いと思うけど…それは黙ってよう。


「それはいいとしてさ、一応今の状況を整理しといた方が良いんじゃないかな?それぞれが受け持ちの場所とか…後はイリスが乗ってるアサルトフレームとかさ」


やっぱり、そうなるよね。だけど…どう説明したら良いのかなぁ。

それに…


「確かにお互い知ってた方が良いな。じゃあまずあのアサルトフレームは…「ちょいまち!」…いきなりなんだよニール」


「あのアサルトフレームについてイリスも何か考えてるみたいだしさ、イリスが話したくなったらで良いんじゃね?」


私の表情からそう判断したらしいニールに驚いたけど、むしろそれがありがたかった。


まだ、人に話せる程知らないってのもあるけど…お母さんの話を聞いた今、あのファントムが狙われる可能性もある。


「…そうか、ごめん。イリスの気持ちを考えてなかったな…俺」


ロイがそういうが…イリスは首を振る。


「ロイは悪くないよ、ちょっと事情が複雑なの。大丈夫になったらちゃんと話すから…」


「いいのよ、私達はイリスの味方なんだから!それでね、私達が担当する場所なんだけどさ…私はフロイトさんとアサルトフレームのシステムとかを管理したり、整備にも関わる予定で…ロイが普段は食堂で作業しながら必要な時は作業用AFで搬入とかだって!ニールはもう知ってるだろうけどレムレースっていうアサルトフレームの臨時パイロットだよ」


人手が足りないって言ってたけど…皆それぞれ割り当てられてるなぁ。


「アリアはフロイトさんとなんだ?確かにアリアには合ってるよね、得意分野のアサルトフレーム総合整備分野だし」


「そうなんだよねぇ!実はフロイトさんから呼ばれてさー「君のその技術は学生にしておくには勿体ない」だって!すごくない?!現役のアサルトフレーム技師から誉められたんだよ?」


そういえばフロイトさんが言ってたっけ?アリアがレムレースを動かせる様にしたのは驚いたって。

アリアは操縦こそクラスでも下の方から数えた方が早い成績だったけど整備とかシステム構築なんかの方の成績は学年というか学院で常にトップだったからなぁ。


「すげぇよな、アリアは。俺なんて最初に乗って以来レムレースは出撃してないし…今は調整とシミュレーター訓練しかやってねー」


「文句いうなよニール。お前はシミュレーター訓練で毎回撃墜されてるだろ?イリスみたいに実戦はまだ無理だって」


ニールは操縦…っていうか機体をたまに勘で動かしてるんだよね。

元々センスがあるし、ニールのお父さんから操縦を教わっていたみたいだから癖が強い動かし方をしてる…『まぁ、ジェリクとアルイーダの息子だしな、性格が操縦に出てる』って苦笑いしながら言ってた。


「俺は…まぁ操縦も整備も得意じゃないしな。妥当な配置だと思う」


ロイは…うん、料理も上手だし私達のまとめ役みたいな…どれでも平均的にこなすオールラウンダーだけど私でも敵わないのが…白兵戦。ロイは随伴歩兵…工作とかそっち方面に優秀だ。

聞けば実際あの騒動の中で一番早く行動してたらしいし…


「ま、それぞれ最適な場所に配置されましたってこった!んじゃそろそろお互いの持ち場に行こうぜ?イリスも準備しないとだろ」


「そうだね、じゃあまた後で」


それぞれの持ち場に戻っていく3人…


「…皆でまた学院に戻る。その為にも頑張ろう…」

すいません、編集ミスで大変な事になってました(ToT)修正してあります、ご迷惑をお掛け致しました!

誤字脱字等ありましたらお知らせ下さると幸いです!

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