エピローグ:あなたは何を望む?
・・・・・・・。
________あぁ、今日も私は暗闇で一人。
幾千の日と闇が過ぎ去る間、私はずっとここにいる。
この暗闇の世界で私はいつまでもいつまでも助けを待った。
今となっては助けが来るとは思ってない。
こんな世界はなくなってしまえばいいが、この世界から出たいとは思わない。
ここは私を閉じ込める牢獄でありながら、私を満足させる箱庭だった。
ただ、所詮箱庭なのだ。
最初の100年は感情がたくさん残ってた。
次の200年は普通に助けが来るものだと思ってた。
300年目は楽しもうと思った。
400年目は悲しくさえなった。
500年、600年、700年、800年目は死にたくなった。
900年目は外の世界がどんなものか気にならなくなった。
1000年目に私は降臨した。
そもそも、私はこの子が寝てる隙にだけ外に出てこれる。
そんな不安定な私はこの子が私と同じようにならないようにしなければならない。
この箱庭を守るために。この世界を守るために。
あぁ、私の主が目覚めそうだ。そろそろ私は引っ込まなければ。
この世界は主にとって優しくはない。だから、私が守るのだ。
私の主を。この吸血姫を。
これは私と主の物語。元の世界ではついぞ芽吹かなかった私たちの物語が。
この異世界でついに目覚めようとしている。
あぁ、主よ。私と主が出会ったのはいつだっただろうか。元の世界か、それとも・・・・。
だから、私は私という存在、すべてをかけよう。
主を、あなたを守るために。
主よ。ともに歩もう。どこまでも、どこまでも。
あなたが王になるまで。皇帝になるまで。神になるまで。
さぁ、進もう。新たなる力を得るまで。
主が望むなら、私は。
あなたの糧となる。
・・・・・・・。