僕の小さな大冒険 25話
スメーは、何かを思い出したかのようにポケットから一枚の紙を取り出した。
「これは?」
「船長が帰るべき場所らしい。俺には意味がわからなかったが」
その紙には、住所が書いてあった。
「ここは・・・」
「知っているのかい?」
「僕の家だ」
僕とスメーは、急いで家に戻った。
妻は、買い物にでも出かけているのだろう。家には誰も居なかった。
「いい家だな」
「ありがとう、でも、ここが船長の家だったなんて知らなかった」
「なにか船長の手がかりになりそうな物はないのか?」
「なにもないよ、もう何年も住んでいるけど変わった所は無かった」
「ところで、ジェームス」
「なんだい?」
「どうして儂を探してたんだ?看守が言っていたぞ、高い保釈金まで払ってくれたそうじゃないか」
「ああ、実は頼みたい事があるんだ」
「なんだ?俺にできる事なら何でもするよ」
「その言葉、信じて良いね?君にしかできないことだ。スメー、僕をネバーランドへ案内してくれ」
「なんだって!?」
スメーは、目を飛び出さんばかりに驚いた。
「驚いた、しかし、いったいぜんたいどうして・・・。俺達は必死でお前を逃がしたというのに」
「僕の子供がネバーランドに連れて行かれた。ピーターパンに」
「そうか・・・」
スメーは、それ以上なにも言わなかった。
ただ、少し目を細めて僕を見つめただけで。
「わかった、案内しよう」
「ありがとう、船の準備は出来ている。明日にでも出航できる」
「まだだ。焦るな」
「でも!」
「言っただろう?大人はあの島には入れない」
「そうだったね。その点は安心してくれていい」
「どういうことだ?」
「すこし遅いけど今から船を見に行こう」
「儂らが乗る船か?」
「そう、僕らの船だ」
僕達は、港のドックへ車を走らせた。
「ほぉー、こいつはすごい船だ」
「そうだろう?」
「だが、これでは」
「まぁ、見てて」
僕は、甲板に上がると、まだ畳まれたままの旗を広げた。ドクロの海賊旗を!
「こ、これは・・・!」
「向こうに着いたら掲げようと思って内緒で作っておいたんだ」
「こいつはいい!これならネバーランドへ行けるぞ!」




