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ネバーランドの鬼と僕  作者: 薬売り
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僕の小さな大冒険 14話

 ピーターパンがやって来たんだ。


「フック!今日こそ決着をつけるぞ!」


 ドーン!


 ピーターパンが船長に襲い掛かろうとした瞬間に大砲を打ち込んでやった。


 間一髪で避けたピーターパンは、びっくりしていた。


 そらそうだ。今までこんなに正確な射撃は無かったんだ。


「いいぞ!」


 ピーターパンの隙を船長は、見逃さなかった。


 鋭い突きを繰り出してピーターパンを追い込んで行く。


 僕は、スライトリーと剣を交わせていた。


 でも、船長仕込の剣術の敵じゃ無かった。


 彼の剣を弾き飛ばして切先を突き付ける。


「この裏切り者!」


 スライトリーは、吐き捨てるように叫んだ。


 そうだ、僕は裏切り者だ・・・。


「気を抜くな!」


 船長が僕に激を飛ばしたけど遅かった。


 僕は、トゥートルズに剣を弾かれてしまった。


「形成逆転だな」


 ピーターパンが口笛を吹くと、タイガーリリーの率いるネイティブズ達が雪崩れ込んで来た。


 こうなると海賊達で戦線を維持する事は出来なかった。


 沢山の船員が倒れていく。


「ジェームズ!逃げろ!小舟でこの島を出ろ!」


 左手の剣でピーター、右手の鈎爪でネイティブズを相手にしながら船長が叫んだ。


 信じられなかった、船長が僕に逃走を指示するなんて。


「でも、船長・・・」


 僕が躊躇していると船長は笑った。


「お前は生き延びろ!儂の全てはお前の中に在る。お前達!」


 船長が命令すると船員は心得たとばかりに、僕を小舟に放り込むと小舟を乱暴に海に降ろした。


「みんな!船長!」


「生きろよ!変わったロストチャイルド!俺達の子供!」


 僕を乗せた小舟は、波に乗って島をどんどん離れていく。


「いやだ!波よ!僕を戻して!」


 遠くなる船から見えた。


 船長がワニの口へ飛び込む姿を、雄々しく勇敢な最後を。


「わあああああ!」


 僕は、生まれて始めて大声で泣いた。


 それから何ヶ月も僕は漂流した。


 普通ならそのまま死んでいただろう。


 でも、小舟には水も食料も十分に積まれていたし、雨水を集める道具も魚を採る道具も揃っていた。


 まるで、僕を最初から島から逃がす為に用意されていたみたいに。


 そして、僕はイギリスの商船に拾われてロンドンへ戻って来た。


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