表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青空の下、君のとなり。  作者: ラプラス
ひと夏の恋なんて信じない
7/8

母性本能……?





夜風に吹かれる彼の横顔から目が離せない



【俺、逃げてきたんだ……】






それはあたしと全く同じ理由で逃げてきた彼に同情した上での行動なのかわからないけど

あたしにそう告げた彼があまりにも泣きそうな顔をするから

昼間に見せた笑顔の裏側には悲しそうな彼が隠れていたから






*******




《ひかり。貴方の名前はねたくさんの人に希望とひかりを与えられる様にってつけたのよ》





*******










幼い時の記憶が蘇ってきたから






頭の中でいろんな言い訳を考えながら

あたしは雅紀くんを腕の中に閉じ込めた







我ながらいきなりすぎる展開だと思うしイケメンにこんなことをする日が来るなんて昨日まで落ち込んでいた自分では考えつかなかったけど、

でも、

泣きそうな彼をそのまま隣で見ていることなんて出来なかった






腕の中の彼……雅紀くんは何も言わない

泣きそうな顔をしていたのに涙を流す訳でもなく

すがりつく様に抱きしめ返す訳でもなく

目を瞑ってあたしにされるがままになっていた





傾いたいた月がちょうど夜空の真上に来る頃

ありがとうと呟いて雅紀くんかあたしから離れた


なんて言葉をかけたらいいのか分からなくて下をうつむいていたらポンと頭を撫でられた

雅紀くんを見上げると帰ろうかと言いながら笑っていて

その笑顔は夜空の綺麗さと雅紀くんの蒼い瞳相まってすごく素敵だなと思った






あたしは、こんな素敵な人のために能力を使えたらあの場所から逃げずに済んだのかな……


散歩へ出かけた時とは違ってスッキリした顔でいろんな事を話してくれる雅紀くんの少し後ろを歩きながらあたしはそんな事を考えていた



**************








『ん〜……』



久しぶりにゆっくり朝起きれるならお昼くらいまで寝てやろうと思っていたのにカーテンの隙間から差し込む朝日に無理やり起こされてしまった





布団に潜り込んだまま携帯に手を伸ばして時計と見るとまだ7時

もう一眠りしようともう一度布団に潜り込んだけど日差しが眩しくてなかなか寝れず……

一階から朝ごはんのいい匂いもしてきた事だし諦めて布団から出る




軽く身支度を整えて下へ降りると淳子さんと旦那さんが出来立ての朝ごはんを盛り付けているところだった




『あら、おはよぅ〜!朝ごはん出来てるわよ。』



『淳子さんおはようございます!』




朝からふわんとした優しい笑顔ほ淳子さんに癒されながら出来立ての朝ごはんを頬張る


『もうこのまま淳子さんのところにずーっと住みたいー!!』なんて言えば

嬉しい褒め言葉をありがとうって言ってもらえて

行くあても帰る場所もないあたしは割と本気で言ったつもりだったんだけどどうやらお世辞として取られたみたいだ




しばらくすると昨日は見かけなかった男の子2人組が降りてきた

寝癖のたくさんついた頭で降りてきた2人はあたしに気づくと軽く会釈をして席に着く



淳子さんと仲良く話してるってことは常連さんかな?なんて考えていたらふたりのご飯をよそいに行った淳子さんが席を離れた後

『初めましてだよね?』と声をかけられた







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ