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青空の下、君のとなり。  作者: ラプラス
ひと夏の恋なんて信じない
5/8

彼の秘密






ときどき後ろを振り向いてあたしが付いてきてるのを確認しながら歩いてくれる雅紀くん

でも決して隣を歩かない



何か理由があるのかなって考えてた












*******









『わぁー!!雰囲気ある!!』





付いた先はいかにも民宿って感じの宿だった

先に入って行ってしまった雅紀くんを追いかけて慌てて入る





『淳子さーん!お客さんだよー!!』




この民宿の女将さんらしき人の名前を呼びながら雅紀くんがフロントに遠慮なく入って行く


この旅館、お客さんに緩すぎない?

民宿ってどこもこんなもんなの?


そう思ってたら優しそうな顔をしたおば様って顔がぴったりの女の人が出てきた





『いらっしゃい。雅紀から話は聞いたよ。

ここに泊まりたいんだよね?』




そう言いながら簡単に宿泊リストなるものを記入してお部屋に案内される







宿は三回建て

広い昔ながらの家を改築して民宿にしたらしい



『わぁ……!!綺麗!!』




見た目こそ古びた感じの民宿だけど部屋から見る夕陽は絶景だった

部屋の広さは10畳くらい

今まで狭い部屋でしか生活したことのないあたしには十分な広さだ





あたしが夕陽に見とれていると女将さんが

『もう遅いからすぐ夕食にするね!』ってお茶を入れてくれたあと部屋から出て行った






淳子さんって言ったっけ?

優しい人だなぁ……



とりあえず必要な荷物を出し終えたあと机の上にある案内を読んで見る

夕食は別室でみんなで食べるのか……



そういえば雅紀くんにお礼いう間も無く部屋に来ちゃったな

そもそもあの子地元の子なんだろうか?

いろいろ疑問が出て来たけど下から淳子さんのご飯出来たよーって声とお腹の空腹に勝てずに考えることをやめた










『すっごく美味しかったです!!』





お袋の味って言葉がぴったりの淳子さんと旦那さんの料理はどれも絶品でついつい食べすぎちゃうくらいだった



『陽莉ちゃんみたいな可愛い子に褒めてもらえるなんて嬉しいわー♡』


そう言いながらデザートのスイカを出してくれる淳子さん


お客さんはあたしを含めて4人しかいないらしく、1人はわかんないけど他の2人は今夜夕食は要らないとのことであたし1人で淳子さんと旦那さんと一緒にお喋りしながら食べた


本当は2人ともお客さんと一緒に食べたりはしないんだけどあたしが1人で食べるのは可哀想だからって一緒に食べた

もちろんあたしも1人で食べるよりは大人数でご飯食べたほうが楽しいし嬉しかった




それに……

明らかに観光目当てにしては多すぎる荷物を持っているあたしを見ても2人は深く聞いてこなかった

それが居心地の良さに繋がっているのかもしれない





満面の笑みでデザートを食べている時だった


『じゅんこさー……あ、』



部屋の入り口から声が聞こえてそちらへ視線を向けるとここへ案内してくれたっきり会っていない雅紀くんだった






大口をあけてスイカを食べていたのが恥ずかしくて思わず苦笑いになってしまう


『さっきぶりだね!』


そう言いながら雅紀くんが部屋に入ってくると

旦那さんが大丈夫なのか?と一言

大丈夫だよと雅紀くんが返せばそれ以上はその話題が離されることはなく、

何が大丈夫なのかわからないまま雅紀くんはご飯を食べるのを見ていた


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