強風
強引な展開が多過ぎてそれを売りにしていこうかと思いはじめた作者です。すいません。
今日は風が強いな〜、ふんふふーん。
今日は月に1回はある朝からテンションの高い日だ。
体の調子はいい、思考もスムーズに出来る。
もちろんPSIも楽に使える。今なら岩も持ち上げられそうだ。
ニコニコしながら席に座っていると、竜が近付いてくる。
「どうしたんだ?いやに機嫌が良さそうじゃないか」
「ただ調子がいいだけさ、今日は6時間目まで余裕でいけそう」
「上田見てみろよ、死んでるぜあいつ」
上田の席に目をやると、彼は机に突っ伏していた。そういう日もあるよね。
「疲れてんだろ、ほっといてやろうぜ」
「俺も今日ちょっとダルいから授業中寝るわ」
「おう、せいぜいバレないように祈りながら寝ろ」
「任せとけ」
何も任せた覚えはないが、竜はそういって席に戻って行った。
俺はせめて調子のいい日くらい頑張らなければ。
そう思いながら、授業開始のチャイムを聞いた。
─
...今日はやけに風が強いな。
てか誰だよ窓開けたやつ、教科書がめくれるだろうが。
ビュウッと風が吹く事に、みんなのページが戻されていく。
手で留める人もいれば、筆箱で留める人もいる。
いやまあ俺はPKで止めるけれども。
強風なんてなんのその、さすがPKさんですわ。
もっと活用していきたいね。
─
昼休み、それは憩いの時間。
何でもできる、校内で使用禁止のスマホだって使える。
バレなければ良いのだ。何事もな。
そうな馬鹿げたことを考えながら竜たちと飯を食っていると、女子に話かけられた。女子に。
「武本君、いま時間ある?」
彼女の名前は遠藤潔子、普通の明るい子だ。
普段起きないことが起きてドキドキしながら、俺は答える。
「有り余ってます!」
「フフッ、なにそれ。ちょっといいかな?」
「もちろんいいよ!どうしたの?」
「ちょっと付いてきてくれるかな?」
えっ。おいおい。これはまさかあれなんじゃないですか。
遂に俺にもモテ期が来たんじゃないですか。
返事をしてついて行こうとする俺を、竜と上田が茶化してくる。なんだい上田君。羨ましいのかい?
予知は...封印しとくか、楽しみは取っときたいし。
そんなことを思いながら、遠藤さんについて行った。
─
ほう、空き教室ですか。これはもう確定でしょ。告白確定演出でしょ。
どう答えようかな、遠藤さん性格いいし、顔もキリッとしてて美人だし、yesなのは決まってるけどどう答えようかな。
ドキドキしながら待っていると、遠藤さんは俺の目をじっと見て、こう言ってきた。
「武本君ってさ、超能力、使えるよね」
...............えっ。
今回主人公に「えっ」て思わせすぎた気がしますね