ここはどこ?私は誰?
変な箇所などがありましたら、ご指摘お願いします。
知らない天井だ...
どこだここ。さっきのは夢だったのか?
俺がそう考えていると、誰かが声を掛けてきた。
「あら、目が覚めたのね。大丈夫?」
誰だろう。状況は分からないが、とりあえずボケてみる。
「ここは、どこ?俺は、誰?」
「ハイハイ、ここは西高校の保健室。あなたは1年生の武本俊君よ。どうやら大丈夫そうね」
面倒くさそうながら答えてくれる優しさ。
誰だろう。見たことがないぞ。聞いてみるか。
「あなたは誰ですか?」
「私は養護教諭の渡辺美子よ?本当に記憶が無くなっちゃったの?」
「いえ、記憶は無くなってませんが、見たことがなかったので」
俺は正直に答える。だって見たことがなかったから。
「結構生徒の前に立つ機会も多かったのに...覚えてないのね」
「全校集会とかは大体寝てるので、そのせいだと思います」
「ちゃんと起きてなきゃ駄目じゃない! もう...」
少し申し訳なさを感じながら、俺は次の質問に移る。
「俺はなぜ保健室に居るんですか?」
「30分前だったかしら、友達が運んで来てくれたのよ。俊が気絶したーとか言ってくるから驚いたわよ」
「俺気絶してたんですか?」
「ええ、見たところ貧血では無さそうだし、なんで気絶したの?」
その質問は俺に効くぞ...これどうやって答えればいいんだ。
もう幼児退行するしかないのか...!
「答えられないの? まあ気絶した時の事を覚えてない人はいるし、仕方ないか...」
「そうなんですよ!気絶した時の事全く覚えて無くてですね-!
困っちゃいますよハハハー!」
その手があったか!と言わんばかりに食いつく俺。
少し考えれば気付けてただろうが、昔の俺よ...
「まあ怪我はおでこと唇だけだし、その調子なら大丈夫そうね。また後で来るから、あと30分位寝てなさい」
「あ...はい...」
カーテンを閉めながら、渡辺先生はそう言った。
そうか...俺気絶してたのか...
そう思いながらたんこぶができた額を触る。
やっぱり夢じゃなかったのか...?
試しにポケットに入れたハンカチを取り出し、浮かせてみる。
...浮いてるな。まあいい、体が怠いから今は寝よう。
そう思いながら、俺は目を瞑った。
...眠れぬ。だって10時寝だもの。だって9時間睡眠だもの。
まあいい、とりあえずこの超能力について考えてみるか。
この能力について考えることは山ほどある。
・なぜ使えるようになったのか
・この能力は成長するのか
・他に能力を使える人がいるのか
とりあえず、今はこの3つについて考えよう。
1つ目は皆目見当もつかない。いつものように過ごしていたら急に使えるようになった。そうとしか言えない。
2つ目は結構気になる所だ。成長するとしても、持ち上げられる重量が上がるのか、使える時間が延びるのか、その両方か。
両方がいいな~。重い物持つの疲れるし。気絶したくないし。
脳に耐性ができるかどうかだよな...まあいいか。
家に帰って色々実験してみよう。
そして3つ目だ。これが自分の中で最も気になる所だ。
使える人が居ると聞いたことがない。が、居るかも知れない。
俺はまだ16歳、知っていることより知らないことの方が多いんだ。能力者は居るが、俺が知らないだけだろう。
でも、俺一人だったら...その時はマジシャンとして活躍していくしかない。なんでも浮かせますよ、みたいな。
とりあえずネットで調べてみるか。
今は一刻でも早く家に帰りたい。