エピローグ
初投稿です。不出来な点が多くあると思いますが、お楽しみ頂ければ幸いです。
俺は驚愕していた。
今、俺の目の前ではペンが物凄い勢いで回転している。
何故こんなことになったのか。それは数分前の事だった...
―
暇だな~。
俺はそう思いながら授業を受けていた。
先生は黒板の方を向いてなにか言っている。こっち向いて先生。
俺の席は真ん中の列の後ろから2番目で、前の席には天使が座っている。
少し周りを見渡すと、何人かはガッツリ眠りについている。
俺も普段なら寝ていたが、昨日は何故か10時に寝たので、全くと言って良いほど眠気がない。
そういえば、昨日テレビでペンを使った手品をしているのをみたな。
俺はペンが浮いたり回ったりしていたのを思い出した。
フッ、俺はペンを曲げることが出来るんだよ。
俺はそう思いながらペンの端を持って揺らした。なんでこんなことしてんだ俺。
悲しくなっていると手が滑って前にペンが飛んでいってしまった。ヤバい!天使に手間を掛けさせてしまう!
だが一度飛んだペンは止まらない。
止まらない、はずだったんだ。
...嘘だろ、なんで止まってるんだよ。
俺にこんな能力は無かったはずだ。あったら中二のとき使えていたはずだ。うん、思い出したら恥ずかしくなってきた。
そんなことはどうでもいい。今考えるべきことは、昨日見た手品のように浮いているペンについてだ。
試しにペンを引き寄せるイメージをした。
まあ来るよね、ペン。分かる。いや、分からん。
半ばパニックになりながらもペンを引き寄せてみた。
回してみるか... ※彼はパニック状態です。
ペンを回すイメージをすると、もちろんペンは回った。
もっと速くできるかな? ※彼はパニック状態です。
イメージをする。より速く。より迅く。
加速しろッ!回転ッ! ※彼はパニック状態です。
―
...そして今もペンは回転してます。はい。
なんなんだこれ...
回っているペンを見ながらそう思う。
幸いなことに人には見られていないようだ。授業中手品の練習してるクレイジーな奴と思われなくて済みそうだ。
先生もまだ黒板と会話してるし。先生こっち向いて。
そのまま回転しているペンを見ていると、急にプツンと頭の中でなにかがキレた。
するとペンが机に落ち、視界がぼやけた。
俺のファーストキス...机かよ...
そんな馬鹿げたことを考えながら、俺も机に落ちていった。